ピザやパスタなどのイタリアン料理に彩りと風味をもたらしてくれる食材「バジル」。
そんなバジルですが、実は自宅の室内でも手軽に栽培することができることをご存知でしょうか?
育てれば料理に使用できることはもちろん、オシャレな部屋のインテリアとしても飾ることもおすすめです。
今回は、そんなバジルの育て方をじっくり解説していきましょう。
バジルの特徴
バジルは、草丈が20~60㎝まで成長するシソ科のハーブです。熱帯地域原産で暑さに強く、日当りの良い場所で栽培すれば元気に成長していきます。
原産地では、年越しが可能な多年草として扱われていますが、四季がある日本の環境では、冬を越すことができないため一年草として扱われています。
バジルの香りでリラックスできる!
バジルにはβカロテンが豊富に含まれており、食事に用いることで健康維持が期待できます。
他にもバジルの香りを嗅ぐことで気持ちが晴れやかになり、リラックスにも繋がります。
また、蚊やハエが嫌がる「シネオール」という成分を分泌するため、虫よけ用の観葉植物として育てることにも適している万能な植物です。
栽培しやすい品種は「スイートバジル」!
一般的に知れらているバジルは「スイートバジル」と呼ばれる種類のハーブになります。
スイートバジルはハーブの王様とも呼ばれており、食欲をそそる爽やかで甘い香りが特徴的です。葉にツヤがあるため、サラダに使用すると見栄えが良くなります。
他の品種と比べて丈夫で育てやすいため、バジルの品種に悩んだらスイートバジルを選ぶことをおすすめします。
バジルの栽培方法
7月~10月下旬(霜が降りる頃)までの間、栽培することになるバジルですが、2通りの栽培方法があります。
水耕栽培
土を使わず、水だけで育てる栽培方法。
小さなスペースが確保できれば、室内のどこでも簡単に栽培できるため比較的管理しやすい方法になります。
他にも、成長が早く、気候・天候の影響を受けにくいといったメリットがあげられます。室内栽培で肥料の匂いが気になる方は水耕栽培にするとよいでしょう。
別サイトに水耕栽培のやり方が記載されているので参考にしてみてください。
露地栽培
土に植え付けて育てるお馴染みの栽培方法。
害虫に悩まされたり、除草の手間がかかったりしますが、味が濃厚になり栄養豊富なバジルが栽培できます。
畑やベランダでの屋外栽培であれば、天候の影響を強く受けますが、水耕栽培と比べて根腐れしにくいです。プランターでの栽培もこちらに該当します。
今回の記事では、露地栽培の方法で解説していきます。
市販の栽培キットがおすすめ!
初心者がバジルを育てる場合は、市販で売られている「バジル栽培キット」が一番おすすめになります。
予め栽培に必要な道具が用意されており、種を植えるだけで一切手間がかかりません。小さなカップの容器で育てるので、オシャレなインテリアとして飾ることもできますよ。
栽培キットは園芸店や100円ショップなどで簡単に入手できるため、購入を検討してみてください。
バジル栽培①適した土作り
土作り・肥料
バジルには、有機質をふんだんに含んだ土が適しています。堆肥と腐葉土を混ぜ合わせた土を使用し、水はけのよい状態の土作りを行ってください。
初心者の場合、土の配合具合が難しいようであれば、ハーブ専用の肥料が市販で販売されているため、そちらを利用するとよいでしょう。
バジル栽培②種からの育て方
種まきの時期は4月下旬~5月ですが、発芽温度が20度以上なため、地方によっては適した種まきの時期が異なります。
北海道など東北地域は5~6月、関東・中部地方などは4月中旬~6月、四国・九州・沖縄地域などは4月~6月が種まきに適した時期です。
育てる環境は風通しがよく、日光がよく当たる場所が適しています。
種まき時には、1か所に3~5粒ほど種をまき、浅めに土をかぶせます。かぶせる土が多すぎるとで土の重さで芽が出てこなくなりますの注意してください。
1㎝ほどの発芽が確認できたら成長の良い芽を残し、それ以外を間引いておきましょう。根が土にしっかりと根付くまでたっぷりと水を与えてください。
バジル栽培③植え付けの方法
苗を植え付ける時期も種とあまり変わりません。平均気温が20度を超える時期になったことを確認してから植え付けを行ってください。
複数の苗を一か所に植える場合は、お互いの葉が重なり合わないように苗間を40㎝~50㎝程とるように植えていきましょう。
苗間が狭いと葉が日光を遮ってしまい、元気に育たなくなります。
また、バジルは一年草として扱わており、寒い冬を越せないため植え替えの必要はありません。
バジル栽培④管理の仕方
摘心
背丈が20㎝ほどに成長したら摘心を行う必要があります。株が成長しきる前にわき芽より上部の枝を摘み取り、わき芽が大きく成長するようにしましょう。
また、収穫までの間につぼみを3~4回摘心して葉に養分がいきわたりやすくするようにしてください。
花が咲くと葉が硬くなり、食材として適さない葉になるので、食用として育てるのであれば、つぼみを摘み取って花が咲かないようにしておきましょう。
摘心とは?
植物の成長を促すための手入れの一つ。
植物の中で「芯」と呼ばれる芽の先端を摘み取ることを言います。
摘心を行うことで茎以外への箇所に養分がいきわたりやすくなり、花が咲きやすい、葉が茂りやすくなるなどのメリットがあります。
水やり
バジルは乾燥を嫌うため、水やりは適度に行うようにしてください。鉢やプランターでの栽培の場合、露地植えよりも土が乾燥しやすいため注意が必要です。
特に夏場は乾燥が早いので、土が乾燥状態にならないようにたっぷり水を与えておきましょう。
水やりは「土の表面が乾いていたら水をやる」頻度で行ってください。
水のあげ過ぎで根腐れしやすいため、土に直接触れて乾燥を確認しよう!
追肥
追肥は育成期の6月~10月にかけて行います。1週間に一回の頻度で株元に液体肥料か固形肥料をを与えてください。
たくさんの収穫を望む人は、追肥の際に窒素を多く含む肥料を与えるとたくさんの葉を茂らせるようになります。
しかし、肥料の与え過ぎは病気の原因になりますのであげ過ぎは厳禁です。
肥料切れが起きると葉が黄色く変色するため、葉が黄色くなるのを目印に追肥を行うようにしましょう。
窒素成分が多めの暖効性液体肥料がおすすめ!
バジルの室内栽培:プランター編
バジルをプランターで栽培する場合、大きさにもよりますが直径30㎝以上の丸い深堀プランターがおすすめです。
部屋のインテリアとしても活用したい場合は、直径15㎝程のプランターにするとよいでしょう。
肥料は「赤玉土7:腐葉土3」の割合で混ぜたものを使用し、風通りと日当りの良い場所で育てるようにしてください。
水やりは土が乾かない頻度で与え、追肥も週1回程与えていきましょう。
ベランダにプランターを置く際には、寒さに弱いので朝方の気温に気を付けるようにしてください。
バジル栽培⑤収穫のタイミング
収穫時期は早くて7月、遅くて10月までの収穫が可能です。収穫の際には、葉を摘み取るのではなく枝ごと切り取ることがポイントになります。
枝ごと摘み取ることで摘心させ、新しいわき芽の成長を促し、より多くの収穫ができるようになります。
茎の先端から収穫するとわき芽が成長しやすくなりますよ。
霜が降る前には全て収穫!
バジルは寒さに弱いため冬になると葉が黒く変色してしまいます。葉が黒くなり始めたら後は枯れる一方です。
霜が降る頃には株全体が枯れてしまうので、ダメになる前に全て収穫するようにしてください。
収穫で余ったバジルは天日干しをして、ドライハーブにしておくと長期間保存することができます。
バジル栽培で気を付けるポイント!
害虫
- アブラムシ
- ハダニ
- ナメクジ
アブラムシがよく発生するので、ガムテープの粘着力でペタペタと剥がしていくか、市販の殺虫スプレーを使用してください。
病気
【軟腐病】
植物内に細菌が繁殖し、葉がしわしわになり枯れる病気。
対策として、風通しと水はけを良くし、高温多湿の環境を避けるよう心がけてください。
【根腐れ】
水のあげすぎで根が腐り、枯れる病気。
バジルで一番起こりやすい病気なので、土に手を触れ、乾燥したことを確認してから水やりを行うようにしましょう。
バジルの栽培方法まとめ
バジルを家庭で栽培する際のまとめになります。
- 初心者は市販の「栽培キット」がおすすめ!
- 種まきは気温が20度以上になってから
- 高温多湿を避けて日当りの良い場所で育てる
- 花が咲く前につぼみを摘み取る
- 水やりは乾燥に注意
バジルは冬を越せない一年草ではありますが、非常に育てやすいハーブです。
栽培キットも販売されているため、購入後すぐに栽培することができます。種まきの時期と水やりに気を付けていれば育てることが難しくない植物です。
温かい時期になったら種まきの準備をして、自分の手で育ててみてください。