レモンのようなさわやかな香りで人気のレモンバーム。
初心者でも育てやすく初めてハーブを育ててみたいという方にもおすすめのハーブのひとつです。
今回はそんなレモンバームの育て方や栽培時の注意点、活用方法など詳しく解説していきたいと思います。
レモンバームの基本情報
レモンバームはシソ科セイヨウヤマハッカ属の多年草で、名前の通りレモンの香りがするハーブです。
メリッサとも呼ばれているレモンバーム。メリッサという名前の由来はレモンバームに宿る妖精の名前からきているとも言われています。
癖が少なく万人に受ける香りのためハーブティーやポプリ、ケーキのトッピングなど様々な用途で使用することができます。
レモンバームは繁殖力旺盛で、一度植え付けてしまえば放っておいても増えてくれるのが特徴です。
レモンバームの育て方
ここではレモンバームの育て方から収穫の仕方まで詳しくご紹介していきます。
レモンバームに最適な土づくり
レモンバームは酸性土壌を嫌うため、中性~弱アルカリ性の土でよく育ちます。
地植えの場合、乾燥にはあまり強くないのでやや湿り気があり、保水性のいい土壌を選ぶようにしましょう。
プランター栽培の場合はハーブ用の用土か、無ければ野菜用の用土でも問題なく育つのでどちらでもかまいません。
種まき
レモンバームは苗から育てるのが一般的ですが、種からでも育てることができます。
用意する物
- セルトレー又は6cmほどのポット
- ハーブ用の用土(なければ野菜用でも)
- レモンバームの種
種まきの適期は4月~5月ごろですが、レモンバームの発芽適温が20℃前後なので、気温が適温に達したら種まきをすると失敗が少ないです。
まず、セルトレーまたはポットに土をしっかりと詰め、種をまく前に水をかけ湿った状態にしておきましょう。
土を詰めたセルトレー(またはポット)に種を2~3粒づつまき浅めに覆土をします。
レモンバームの種は好光性で光を好む性質を持っているため、覆土をしすぎると発芽しづらくなるので、うっすらと土をかける程度にしておきましょう。
覆土をしたら水やりをすれば種まき完了です。
レモンバームは発芽まで2週間ほどかかるので、発芽するまでは土が乾かないように適度に水やりをしましょう。
日当たり
レモンバームは日当たりの良い場所を好みますが、夏などの高温期には日差しで葉が焼けてしまうこともあるので、半日陰のような場所で育てることが理想的です。
半日陰で育てたレモンバームは葉が柔らかくなるので、木陰などを利用して日中日差しが当たりすぎないような場所で育てるのをおすすめします。
間引き
セルトレー(またはポット)にまいたレモンバームが発芽し、本葉2枚になったころ元気そうな苗を残して間引きをします。
この時、無理やり引っ張ると元気な苗まで抜けてしまうことがあるので、注意して間引きを行うようにしましょう。
水やり
レモンバームの水やりは、地植えの場合はほとんど必要ありませんが乾燥した土壌の場合や、晴れが何日も続くような場合には水やりをしてもいいでしょう。
プランター栽培の場合は、土の表面が乾いてきたら適度に水やりをしてください。
レモンバームは乾燥した土壌で育てると、葉が黄色く変色したり香りが悪くなったりする生理障害が起こることがあるので、乾燥のし過ぎには注意しましょう。
追肥
レモンバームは繁殖力旺盛で放っておいてもよく育つ植物なので、地植えの場合追肥は必要ありません。
プランター栽培の場合には2週間に1度のペースで、水やりのついでに液肥をあげるとよく育ちます。
また、収穫後にも一度追肥すると、新しい芽がよく出てくれたくさん収穫をすることができるのでおすすめです。
摘芯
レモンバームが大きくなり繁ってきたら摘芯してあげると更によく育ってくれます。
摘芯の方法は、2~3節ほど残し伸びたレモンバームを切りましょう。
レモンバームの摘芯はそれほど神経質になる必要はありませんので、思い切ってチャレンジしてみてください。
収穫
収穫時期は7月~11月ごろですが、ある程度成長してきたらいつでも収穫することができます。
レモンバームは開花直後が香りがよくなる時期なので、逃さないようにしましょう。
また、花が咲き終わってしまうと株が老化し茎や葉が硬くなるので、花が咲き終わったら株元から1節残して上部を切ると、新しい芽がどんどん出てきます。
レモンバームに発生する病気や害虫
ここではレモンバームに発生しやすい病害虫をご紹介します。
病気
レモンバームは病気に強く育てやすいハーブですが、株が成長し風通しが悪くなるとうどん粉病や灰色カビ病などを発症することがあります。
株が育ってきたら収穫を兼ねて整枝してあげると病気を防ぐことができます。
万が一病気にかかってしまったら、発症した部分を取り覗き確実に処分してください。
それでも収まらない場合には、病気に適応した薬剤を使用するのもおすすめです。
薬剤を使用する際は作物に適応した物を選び、説明をよく読んで容量を守って使用するようにしましょう。
害虫
レモンバームにはヨトウムシやアブラムシが発生することがあります。
ヨトウムシやアブラムシが発生した場合にはよく観察し見つけ次第駆除することをおすすめします。
それでも食害が収まらない場合には、薬剤を使用してもいいでしょう。
薬剤を使用する際は作物に適応した物を選び、説明をよく読んで容量を守って使用するようにしましょう。
レモンバームは増える!地植えするなら場所を選ぼう
レモンバームは繁殖力旺盛で耐寒性もあるので、比較的どんな環境にも適応できる性質を持っています。
たくさん収穫できるのは嬉しいことですが、増えすぎて他人の敷地までに達してしまうこともあるほど。
そのため、地植えの場合には植える場所に注意するようにしましょう。
増えすぎるのが心配な場合にはプランターで育てることをおすすめします。
水耕栽培でレモンバームを育ててみよう
レモンバームは水耕栽培も可能なハーブです。身近にあるものでできるので是非チャレンジしてみてください。
用意する物
- イチゴパックなどの容器
- スポンジ
- 500mlのペットボトル
- 楊枝
ペットボトルの下半分を使用するので、まずはペットボトルを半分に切りましょう。
そしてスポンジを3cm角ほどの大きさに切り、種を埋め込むための切り込みを2mmほど入れます。
根を張るスペースを作るためにスポンジの四隅に楊枝を挿しペットボトルに入れ、スポンジに水を吸わせましょう。
スポンジが水を十分に吸収したら最初に入れた切り込み部分に3粒ほど種をまき完成です。
放っておくと腐ってしまうこともあるので、水を毎日入れ替えるのだけは忘れないようにしましょう。
たくさん収穫できたら!レモンバームの使い方
レモンバームはハーブティーが使用されているのが一般的ですが、そのほかにも使い道があります。
- サラダのドレッシングに混ぜる
- 砂糖と水で煮てレモンバームシロップにする
- ブレンドティーに入れる
- お肉料理の風味づけに使う
- 水だししてレモンバームウォーターにする
- ハーブのミニブーケとしてお部屋に飾る
特にレモンバームシロップは、たくさん収穫できた時の大量消費におすすめです。
レモンバーム栽培のまとめ
今回はレモンバームの育て方のポイントから、使い方まで詳しく紹介してみました。
レモンバームは育てやすいハーブなので、ポイントを押さえれば誰でも育てることがでるので、初心者の方にもおすすめの植物です。
水耕栽培も手軽にできるので、是非チャレンジしてみてください。