家庭菜園・ハーブの栽培

【初心者】しその栽培・育て方(収穫量アップのコツや水耕栽培について)

独特の強い香りが特徴のしそは、薬味だけではなく天ぷらやサラダなど幅広い料理に使われる便利な野菜です。

しそは丈夫で育てやすく、初心者の方でも簡単に栽培することができます。ご自宅で育てれば新鮮なうちにすぐに使えて便利ですよね。

今回はしその基本的な育て方からペットボトルを使った水耕栽培まで、詳しく紹介していきます。

しそ(大葉)の基本情報と栽培カレンダー

種まき:4月上旬~6月上旬
植え付け:5月上旬~7月上旬
収穫:6月上旬~10月下旬

春に種をまき初夏から秋ごろまで収穫を楽しむことができますが、しそが食べられるのは葉だけではありません。

発芽して間引い苗は「芽紫蘇」、花が咲き始めたころの「花穂」やふっくらと実った「実紫蘇」など、生育段階にあわせて様々な味わい方ができるのもしそ栽培の醍醐味です。

しそ(大葉)の育て方①プランターで育てる

土づくり

初心者の方は市販されている、野菜栽培用の培養土を利用しましょう。保水力に優れ肥料も混ぜ込まれているので、手間がかからず育てやすくなります。

ご自分で用土を作る場合は、赤玉土7:腐葉土2:バーミキュライト1の割合で混ぜて使いましょう。

プランターの選び方

しそは生命力が強く丈夫なので、プランターのサイズや素材はお好きなもので構いません。標準サイズ(60cm程度)であれば、3~4株育てることができます。

プランターに入れる土の量は、容器の7分目ほどにとどめましょう。用土を入れすぎてしまうと、水やり時に泥水となって流れ出てしまいます。

日当たり

日当たりが良いとしその香りは強くなりますが、葉が厚くなり固くなってしまいます。やわらかい葉を収穫するためには、半日陰で育てましょう

種から育てる(種まき・ポットでの育苗)

しその発芽適温は22℃前後なので、気温が低いとうまく芽が出ないことがあります。十分に気温が高くなってから種をまきましょう。

しその種皮は硬いので、種をまく前日に一晩水に浸けておくと発芽しやすくなります。

直播きよりも、まずはポットに種をまいて苗を育てるほうが良いでしょう。発芽に大切な温度管理もしやすく、水やり時に種が流れ出てしまうこともありません。

1つのポットにつき種を4~5粒ほどまき、土を薄く被せましょう。発芽するためには光が必要なので、覆土は5mm以上にならないよう注意してください。

種をまいた後は、水をたっぷりと与えましょう。約1週間から10日ほどで発芽します。

間引き

芽が出てから本葉が2~3枚ごろを目安に、生長の良い苗を1本だけ残しあとは間引いてしまいます。

密集したまま育てると、ひょろひょろとした生育不良の苗ばかりになってしまいます。

苗から育てる(良い苗の見分け方)


4月~5月頃になるとホームセンターや園芸店で、しその苗が並びはじめます。初めての方やプランター栽培の方には、苗を購入して育てると良いでしょう。

良い苗の選び方

  • 葉の色が濃くツヤが良い
  • 茎の節間が短くしっかりとしている
  • 本葉が4~5枚ある

植え付け

本葉が4~5枚になった頃、苗をプランターに植え付けます。ポットより一回り大きな植え穴を作り、苗の根鉢を崩さないよう丁寧に植えましょう。

複数株植える場合、株間は20cmほど空けてください。株元を軽く手で押さえ活着を良くし、土に根づくまでの約1週間はたっぷりと水やりを行いましょう。

水やり

土の表面が乾いてきたら、鉢底から水が流れ出るほどたっぷりと与えてください。特に夏場は乾燥しやすく、水切れを起こすと葉が傷んでしまい収穫にも影響します。

ただし土が乾く前に水を与え続けると根腐れを起こすので、株や土の状態を観察してから行いましょう。

追肥

しそは肥料が不足すると、葉が黄淡色になり小さくなってしまうため、定期的に追肥を行いましょう。プランター栽培の場合は水やりを兼ねて液肥を与えるのが手軽でおすすめです。

植え付け直後に1回目の追肥として薄めた液肥を施し、以降は2週間に1度のペースで与えましょう。

摘心


高さが20~30cm程度まで育ったら、3~5節目を目安に摘み取ります。これを摘心といい、わき芽の生長を促し葉の収穫量を増やすために行います。

しそは生育旺盛なので切った箇所からわき芽がでてきます。わき芽も3節目くらいで摘心すると、さらに新鮮な葉がたくさん収穫できますよ。

収穫

草丈が30cm、本葉が10枚以上に育つと収穫できますので、下から順次収穫していきましょう。ただし下の葉は土から栄養を吸い上げる役目があるので、下から2枚目までの葉は残しておきます。

放置していると葉が厚く硬くなってしまうので、収穫タイミングを逃さないよう注意が必要です。

夏の終わりが近づくと花穂がつきはじめ、花穂を摘み取ったものが穂紫蘇となります。花穂を収穫せずそのままにしておくと、実紫蘇としても食べることが可能です。

注意したい害虫と対策

しそは香りが強く虫を寄せ付けないように思いますが、害虫被害を受けやすい野菜です。やわらかい葉はあっという間に食べつくされるので、早期発見・駆除が重要となります。

一番簡単な害虫対策として、防虫ネットでプランターごと覆ってしまうのが良いでしょう。物理的に害虫の侵入を防ぐことができるので、無農薬で育てることも可能ですよ。

アブラムシ
しそに限らずどんな植物にも付きやすく、他から病気を持ち込む厄介な虫です。見つけたらすぐに駆除するか、水で洗い流しましょう。

ハダニ
葉の裏側に寄生し、栄養を吸いとってしまいます。高温乾燥時に発生しやすいので、葉水を行って予防してください。

ベニフキノメイガ
しそ栽培の中で一番気をつけたい害虫です。しその葉を住処にしながら周辺の葉を食べつくしてしまうため、見つけたらすぐに葉ごと取り除いてください。

ベランダで育てるなら虫は寄り付かない?

土で育てている限り、害虫が発生する可能性はゼロではありません。どこからともなくやってくるので、ベランダといえど害虫対策はしっかりと行いましょう。

中でも真夏のベランダは乾燥しやすい場所なので、ハダニの発生リスクが高まります。葉水とこまめな水やりで害虫被害を抑えましょう。

しそ(大葉)の育て方②室内でも育つ!水耕栽培


しそは水耕栽培でも育てることができます。水と肥料だけ気をつければ良いので、初心者の方にも簡単な栽培方法です。

室内で管理するため、害虫に食い荒らされる心配もありません。土や虫に抵抗がある方や、マンション住まいで家庭菜園を諦めていた方におすすめです。

今回はペットボトルを使った水耕栽培について紹介します。

用意するもの

  1. しその種または苗
  2. ペットボトル(1.5~2リットル)×育てたい本数分
  3. 台所用スポンジ
  4. 浅型のトレイ
  5. 野菜栽培用の液肥

ペットボトルを加工する

まずは水耕栽培用の容器を作るため、ペットボトルを加工します。全体の約1/3ほどの上部をカッターで水平に切り取ります。

注ぎ口側の部分を逆さにし、ペットボトルの底の部分に重ねるだけで出来上がりです。切り口がギザギザしているようだったら、怪我をしないようテープを巻いてください。

種まき

スポンジを2.5cm角の立方体に切り分け、表面に十字の切り込みをいれます。トレイにスポンジを並べ、ひたひたになるまで水を注いでください。

スポンジに十分水を吸わせたら、切り込み部分に種を2~3粒まきます。全てまき終わったら乾燥しないよう、湿らせたトイレットペーパーを被せます。

水に溶けやすいトイレットペーパーを使うことで、突き破って発芽することができます。発芽後、生育が悪いものは間引いておきましょう。

植えつける

スポンジから根が突き抜けるまで生長したら、加工したペットボトルの注ぎ口へスポンジごと移します。ペットボトルの底側には、野菜用の液体肥料を混ぜた水を入れます。

購入してきた苗から育てる場合は、水で根を洗い流してからペットボトルに挿しこみます。しそは水分を多く必要とするので、根がしっかりと水に浸かっているか確認してください。

水やり

水が減ってきたら、新しい水を足してやります。ときどきは中の水を全て捨て、新しい水と液体肥料を混ぜたものに入れ替えてください。

ただし肥料過多になるとエグみが出てしまうので、生育状況をチェックしながら与えるようにしましょう。

しそ(大葉)の育て方③栽培キットで育てる


苗や道具を一から揃えるのはなかなか大変ですよね。そんな時にはしそ栽培に必要なものがひとつにまとまった、栽培キットが便利ですよ。

しそ栽培のまとめ


しそは水やりと肥料さえ注意すれば、初心者でも簡単に育てられる野菜です。水耕栽培であれば、栽培時期を選らばず害虫被害も少ないので、より気軽にチャレンジできますね。

みなさんもしそ栽培をはじめてみましょう!