みずみずしくて味にクセがないレタスは、どんな料理に添えても相性がよく、一年中活躍してくれる野菜です。
そんなレタスは家庭栽培でも人気が高く、苗からであれば誰でも簡単に育てることができます。
今回は初心者向けに、レタスの苗の選び方、植え付け方法、追肥や水やりのポイント、病害虫の対策、などをわかりやすくご案内します。ぜひ挑戦してください!
レタスの種類
ひと昔前は、レタスと言えば球状になっているものでしたが、最近はさまざまなタイプのレタスが登場していますね。
こちらでは人気のある3つの種類の特徴をご紹介します。どんなレタスを栽培したいのかの参考にしてください。
玉レタス
“レタス”と言われて一番最初に頭に浮かぶのがこちらのタイプ。結球レタスとも呼ばれ、キャベツのように葉っぱが内側に丸まって球型になるタイプです。パリッとした歯ごたえが心地よく、市場でも一番流通しています。
サラダレタス
玉レタスの1種でバターヘッドレタスとも呼ばれています。玉レタスより葉っぱに厚みがあり、ゆるやかにまとまっています。柔らかく甘みがあるので、子供にも人気のあるレタスです。
サニーレタス
結球しないリーフレタスに分類されます。アントシアニンという色素を含むため、葉先が紫色に色づいているのが特徴。玉レタスより栄養価が高く、カロテンを多く含んでいます。
レタスの苗の選び方と注意点
種まきから発芽、そして幼苗まで育てるには少し管理が難しいので、家庭栽培ビギナーの人は苗を購入した方がいいでしょう。
レタスの苗はホームセンターなどで60円~90円ほどで売られています。育てたいタイプの苗を1種類だけでなく、2~3種類選んでもいいですね。
レタスの苗を選ぶときのポイント
植え付けする時に、葉っぱが4枚くらい、発芽から3週間程度の苗が最適です。
商品の回転が速い大きめのホームセンターや園芸店で買えば、新鮮な苗を購入することができますよ。
【よい苗の選び方】
- 葉が枯れていないもの(カビ・病気をチェック)
- 本葉が4枚くらいついているもの
- 害虫の被害がないもの
- 底の穴から根が出ていないもの
室内栽培できるレタスキットもおすすめ
最近では、ハーブや野菜などを室内で簡単に育てられる「栽培キット」が500~1,000円くらいで販売されています。
自分で道具や土などを買い揃える手間がなく、必要なものは全てセットの中に含まれている手軽さが人気の理由です。
お庭やベランダが狭くて家庭菜園が難しかったり、忙しくて時間がない人でも家庭で野菜を育てる楽しみを体験ができますよ。
レタスの栽培暦
レタスは日の当たる場所を好み、15~20℃位の涼しい環境でよく育ちます。
苗の植え付けから収穫までは約2か月です。栽培のスケジュールは、地域によって次のようになるので参考にしてください。
春の植え付け~夏収穫
- 冷涼地:4月下旬~5月下旬植え付け、6月~7月上旬収穫
- 中間地:4月上旬~下旬まで植え付け、6月中に収穫
- 暖地:3月下旬~4月中旬に植え付け、5月下旬~6月中旬収穫
秋の植え付け~冬収穫
- 冷涼地:8月中旬~9月上旬植え付け、10月下旬~11月中旬収穫
- 中間地:9月上旬~下旬まで植え付け、11月中に収穫
- 暖地:9月下旬~10月中旬に植え付け、11月中旬~12月初旬収穫
初心者は、害虫や病気の被害が少なく育てやすい秋の植え付けがおすすめです!
植え付けまでの準備
地植えのレタス栽培を成功させるには、栄養のある土作りとレタスが育ちやすい土壌環境を作ることが必要です。
土作り~畝作り
苗の植え付けから収穫までの期間が短いので、土作りは肥料をたっぷり混ぜて充実させてあげましょう。
レタスは酸性の土壌を嫌うので、マグネシウムやカルシウムが豊富でアルカリ性の苦土石灰(くどせっかい)で酸度を調整します。
植え付けの約2週間に150g/㎥の苦土石灰を畑に施して耕してください。さらに1週間後、化成肥料150g/㎥と堆肥(たいひ)3kgをまいて再度耕します。
レタスは高い湿気を嫌います。水はけをよくするために、幅80cm、高さ15cmほどの畝を作ってあげましょう。
マルチング
次に準備したいのがマルチングです。レタスは土の水分の急激な変化を嫌うため、畝をマルチシートで覆って急激な土壌の水分変化を防いてあげます。
ちなみに、葉野菜の天敵の”アブラムシ”は銀色が嫌いです。マルチシートをシルバーにしてあげるとアブラムシ防止に役立ちますよ。
植え付け前日までにはマルチングした畝に、30cm間隔の植え穴を開けておきましょう。株の間が狭いと、葉っぱが蒸れて病気の原因になります。
植え付け方法
秋の植え付け時期は、8月下旬から10月にかけて行います。まず購入しておいた苗を、ビニールポットごとバケツにつけて水を吸わせておきます。
そして、あらかじめ開けておいた植え穴にも水をたっぷりあげましょう。そこに吸水させたレタスの苗を浅めに植えて、根元に土を被せます。最後にもう一度水やりをして終了です。
プランター栽培の植え付け方法
レタスはプランターで育てることもできます。
レタスは根の張りが浅いので、プランターの深さは関係ありません。しかし葉っぱの方は大きく育つので1苗当り幅30cmのプランターサイズが必要です。
【用意するもの】
- プランター:2苗なら幅60cm以上のもの
- 野菜用培養土:肥料が既に配合されていて便利
- 鉢底石:水はけをよくするため
- レタスの苗:栽培したい苗をあらかじめ購入
【植え付け方法】
- 苗をビニールポットごとバケツにつけて吸水させておく
- プランターに鉢底石を敷き詰める
- 野菜用培養土をプランターの縁から3cm下まで入れる
- 苗を植える場所に穴を掘る
- 吸水させた苗をビニールポットから取り出して植え替え
- この時に土と根っこを分離せず、そのまま堀った穴に入れる
- 根元に培養土を被せる
- 最後に水やりをする
追肥と栽培記録のすすめ
1回目の追肥は植え付けしてから2週間後に行います。化成肥料なら40~50g/㎥が適量です。
この頃から葉が大きく育ってくるので、この後2週間おきに追肥が必要になります。忘れないように栽培記録をつけておくとよいでしょう。
レタスの周りに雑草などが生えているようなら、肥料をあげる時に取り除いてください。
水やりの方法
レタスは浅く植え付けるため、乾燥すると葉っぱがしおれてしまいます。まだ暑さが残る時期なら、朝と夕方に2回、気温が低い時間に水やりをしてください。涼しくなったら夕方1回でO.Kです。
玉レタスは結球が始まった頃からは、1日1回の水やりで十分です。
寒くなったらトンネル栽培で防寒対策
収穫時期が11月後半になってくると、気温が急激に下がることがあります。一度霜が降りてしまうと、葉っぱが変色してしまうので防寒対策が必要です。
目安としては、最低気温が3℃以下になる前にトンネルや防寒ネットで覆ってあげましょう。
いよいよ収穫!
よく日の当たる場所であれば、植え付けから50日過ぎた頃から収穫ができるようになります。
玉レタスであれば、丸くなった球の上を軽く押して固さを感じるようなら収穫できます。リーフレタスならば、内側の葉っぱが中心部に向けて丸まってきたら収穫時期です。
レタス本体を手で軽く押し上げて、包丁などで切断します。収穫は朝のうちに行いましょう!
病気や害虫の被害と対策
栽培中のレタスが被害にあいやすい病害虫と、その対策についてご紹介します。
レタスにつきやすい害虫
オオタバコガ、ヨトウムシなどの蛾の幼虫、カタツムリ、ナメクジに注意が必要です。見つけ次第、割り箸などを使って駆除をしてください。
植え付け時期から虫よけネットを掛けておくと、かなりの確率で予防になります。
多湿は病気を招くので注意しよう
湿度が高くなったり排水が悪いと、土壌細菌による病害の「軟腐(なんぷ)病」や、カビが原因の「べと病」になる恐れがあります。
予防対策として、畝を作って水はけをよくしたり、株間を十分に開けて風通しをよくすることが大切です。
土壌細菌の被害にあわないために、同じ場所での連作は避けて、2~3年の間隔を開けるようにしてください。
シャキっとしたおいしいレタスを作ろう!<まとめ>
お家で育てたレタスは、お店で買うより鮮度が高くて歯ごたえが違います!栽培のポイントを押さえて、ぜひレタス作りに挑戦してみましょう。
- レタスに適した育成温度は15~20℃
- 植え付け前に土壌環境を整えよう
- 苗と苗の間は十分に間隔を開けること
- 葉っぱの間を観察して害虫を早めに駆除しよう
- 2週間に1度の追肥を忘れずに
- 11月中旬以降は防寒対策をしよう