観葉植物として人気のサンスベリア。乾燥に強い多肉植物は室内でも簡単に育てることが出来ます。
大きく成長したら株分けや葉挿しで簡単に増やせますから、いろいろなサイズのサンスベリアが各部屋で楽しめるようになるでしょう。
この記事では初心者向けにサンスベリアの育て方と栽培の注意点をご紹介します。手をかけ過ぎても放りっぱなしでも丈夫には育ちませんから、是非参考にしてください。
サンスベリアの種類・育て方のコツ
種類一覧表(育て方のコツ)
サンスベリアの種類は70種以上もあります。品種によって育てやすさにも差があり、希少価値のあるものほど上級者向けと言えます。店舗で販売される一般的な品種は初心者でも簡単に育てられますよ。
ローレンティー | サンスベリアの中で最も有名な品種です。水のやりすぎに注意し、乾燥気味に育成しましょう。 |
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ボンセレンシス | 春~夏は土が乾いていたら水をやります。冬は水やりを控えましょう。 |
バキュラリス ミカド | 土が乾燥していたら水やりをし、明るい場所で管理すると元気に育ちます。 |
ゴールデン ハニー | 春~秋は土の表面が乾燥してから約2日後にたっぷりと水やりをしましょう。 |
マッソニアーナ | 少々暗い場所でも育成可能です。土がしっかりと乾燥してから水をやるようにしましょう。 |
ロブスタブルー | 日光にしっかり当てると、葉が大きく、色が濃いサンスベリアに育ちます。 |
サムライドアーフ | 耐寒性・耐暑性のある品種です。乾燥気味に育てましょう。 |
キリンドリカ | 乾燥に強く、育てやすい品種です。春~秋は1週間に1回、秋~冬は2ヶ月に1回の水やりでOKです。 |
キルキーシルバーブルー | 乾燥や日陰に非常に強い、滅多にお目にかかれない希少な品種です。 |
バナナ | 春~秋は土が乾いたらたっぷりと水やりをします。秋~冬はほとんど水を与えなくても大丈夫です。 |
観葉植物としての難易度
サンスベリアは熱帯アフリカ(乾燥地域)原産の植物なので、本来は日当たりと高温を好みます。
多肉質の葉を持ち、乾燥に強いため、あまり手をかけずに育てた方が良好に育ちます。水やりの加減が難しいとされていますので、ずばり中級者向けの植物だと言えるでしょう。
サンスベリアの栽培スケジュール
サンスベリアの栽培は室内で、鉢やプランターを使います。その特徴は日光と乾燥を好み、寒さや多湿を嫌います。
季節ごとに環境を整え、管理の仕方は気温や湿度によって変える必要があります。まずはおおまかな栽培スケジュールを確認しておきましょう。生育が活発な春から夏にたくさん手をかける必要があります。
- 生育期・・・4~10月
- 植替え・・・5~8月頃(2年に1度)
- 株分け・葉挿し・・・5~6月頃
- 肥料・・・4~9月
- 休眠期・・・12~2月(気温によって)
サンスベリアの鉢植えを室内で育てる方法
苗の植え替え・土の選び方
サンスベリアは成長が早いため、2年に1度植え替えが必要です。小さい鉢のままで育てていると根詰まりを起こしやがて枯れてしまいます。
鉢を持ち上げて、根が飛び出していたら根詰まりしているサインです。2年を待たずに植え替えましょう。
植え替え方法
サンスベリアの植え替え時期は、5月中旬~8月頃です。
- 鉢から優しくサンスベリアを抜き取り、軽く根をほぐして古い土と枯れた葉を取り除きます。
- 株より一回り大きなサイズの新しい鉢に、鉢底ネットと鉢底石を3分の1ほど入れます。
- サンスベリアの株を中心に置き、鉢の縁(上部)から約3~4cm下まで土を入れます。
- 土を締まらせて根を定着させるため、植え替え直後にたっぷりの水を施します。(その後は土が乾くまで水やりの必要はありません)
土の選び方
サンスベリアは水はけの良い土を使います。すぐに使える観葉植物用やサボテン用でも問題ありません。
自分で作る場合は小粒の赤玉土6:腐葉土4の割合で混ぜるのがおすすめです。さらに排水性を高める川砂を混ぜても良いでしょう。
サンスベリア専用の土も販売されていますよ。
日当たり(日照条件)
サンスベリアは日光を好みます。暗い場所でも育ちますが、葉が弱り細長くなってしまいます。日当たりの良い明るい場所を確保しましょう。
ただし直射日光が当たると葉焼けしてしまうので注意が必要です。理想は日当たりの良い窓際のレースのカーテン越し。
置き場所は一ヵ所と決めず、季節や時間帯によって移動させてもいいですね。1日4~5時間を目安に日光浴をさせましょう。
栽培環境(生育温度・耐寒性・耐暑性)
サンスベリアは耐暑性は強いのですが、耐寒性はかなり弱い植物です。室温が10℃以下になると生育が止まり、5℃以下になれば枯れてしまいます。
気温が高い生育期は外で栽培しても問題ありませんが、夏の直射日光は葉がやけてしまうので遮光してあげましょう。
- 3~10月・・・戸外でも可
- 11~2月・・・室内で栽培
気温10℃を1つの目安にして配置場所を決めるようにしましょう。10℃以下の環境では休眠状態となり生育も止まります。
注意が必要なのは冬ですね。寒さ対策は万全にしましょう。
水やり(乾燥の度合い・水はけ)
サンスベリア栽培の失敗の原因の一つに加湿があります。水切れでサンスベリアを枯らせてしまうことは、まずありません。
肉厚な葉にしっかり水分を溜め込んでいますから、頻繁な水やりは不要です。水は、鉢土が乾いたらたっぷりとあげましょう。
育成に慣れないうちは「土が乾燥した」と思っても、もう1日待ってからあげる方が良いですね。土は、水はけの良いものが好ましいです(土の選び方を参考にしてください)。
気温が10℃以下の休眠期は水やりも一旦ストップします。十分暖かくなったら再開させましょう。
肥料
肥料はサンスベリアの生育期5~9月に与えます。水代わりに液体肥料を月に1~2回与えても良いですし、固形の化成肥料なら2ヶ月に1回株元から少し間隔をあけて施しましょう。
開花させるには
サンスベリアを開花させるには、株を大きく育てるのが必須条件です。春~夏の生育期は、茎や葉の成長を促進させる窒素系の肥料を控えましょう。
サンスベリアは寒さに弱いので、冬は暖かい室内にて育成すると良いですね。乾燥に強い性質なので、水やりを控えめにするのもポイントです。
100均のサンスベリアを観葉植物として育てる
近頃では100円均一でも手軽にサンスベリアの苗を購入することができます。たいていは裸苗(鉢に入っていない苗)のことが多いため、苗より一回り大きい鉢に植え替えてあげると良いですね。
鉢の下には受け皿を敷いておきます。鉢の中底には鉢底ネットや鉢底石を敷き、水はけを良くしてあげましょう。
苗が倒れないようまっすぐに植えて、土は園芸店で販売されているサンスベリアの専用土を利用します。
サンスベリアの水栽培の方法
水のみで栽培する方法(土なし)
100均でも購入することができるガラス容器や、観葉植物栽培時に利用されるポリマージェル(プルプルとしたビー玉状の高吸収性樹脂)を使えば、簡単に水栽培が可能です。
ガラス容器にポリマージェルを入れて、サンスベリアの根を入れます。根に土がついているとポリマージェルにカビが生える可能性もあるため、土は綺麗に落としておいてください。
週に一回ほど水やりをしながら管理していきましょう。春~秋の育成が旺盛な時期に液肥を与えても良いでしょう。
ハイドロカルチャーで栽培する方法
ハイドロ(水)カルチャー(栽培)とは、ハイドロボールという人工土を活用して植物を育成する方法です。ハイドロボールは使用前に1度軽く水洗いをし、乾燥させておきましょう。
- 底に穴が開いていないガラスの容器を準備します。
- 容器に根腐れ防止剤を入れ、水で軽く洗ったハイドロボールを容器の3分の1の高さまで入れます。
- 容器の中心に根が生えているサンスベリアを入れ、回りにハイドロボールを敷き詰め、根がぐらつかないように固定します。
- 最後に容器の8分目まで水を入れ、明るい日陰にて管理していきましょう。
サンスベリアの冬越し対策
サンスベリアが最も枯れやすいのは冬です。冬越しは室内でさせ、気温5℃以上の出来るだけ日当たりのある場所に置きましょう。
窓際で育成する際は、夜は鉢を移動させることをおすすめします。
冬の窓際は気温が極端に下がるほか結露も出るため、サンスベリアを弱らせてしまう可能性があります。水やりは春まで控え、休眠させたまま育てるのがおすすめです。
- 暖房器具の風
- 不必要な水分を与えてしまう加湿器
- 窓際の結露
- 寒暖差
サンスベリアの増やし方
サンスベリアは株分けや葉挿しといった方法で簡単に増やせます。植替えのタイミングと同じ暖かい時期に作業しましょう。
株分け
大まかな流れは植替えと同じです。切り分け後に株の切り口を乾燥させることがポイントになります。
- 鉢からサンスベリアを抜き取り根を軽くほぐしたら、ハサミを使って子株(株分けする葉)を切り離します。
- 雑菌の侵入や根腐れを防ぐため、切り分けたサンスベリアは一旦風通しの良い日陰で乾燥させましょう。
- 切り口を乾燥させたら、用土を入れた鉢に挿します。(最初は倒れやすいため、支柱を使って紐で軽く結んでおいてもOK)
- 根が弱い状態では吸水できないため、植え替え直後~2週間は水やりをせず様子を見守ります。
葉挿し
元気な葉が1枚あれば、葉挿しで増やすことができます。
- 葉の上下を間違えないように注意して10cm程度に切り分けます。
- 雑菌の侵入や根腐れを防ぐため、切り口は一旦日陰で乾燥させます。
- 下側を土に挿しこみ、直射日光を避けて日陰にて1ヶ月ほど置くと発根しますので、水やりを開始しましょう。
- コップ状の容器に約4~5cmほど水を張り、サンスベリアを入れます。
- 毎日水替えを行いながら管理します。
サンスベリアを葉挿しで増やす場合、新しい芽には斑が入りません。これは先祖返りの現象で、株分けで増やさない限り同じ模様になりませんから注意しましょう。
サンスベリアの疑問点
枯れる原因とは?
低温時に水やりが多すぎると、鉢の中が加湿気味になり根腐れを起こしてしまいます。
根腐れをすると葉が倒れてしまうため、鉢から株を抜き取って、腐っていない部分は新しい用土に植え替えてあげると良いですね。
過剰なお世話は株を傷める結果となってしまいますので、肥料は与えすぎていないか、鉢皿に水が溜まっていないかも今一度確認してみましょう。
まっすぐ育てるには?
植え替える際に土を鉢の3分の1まで入れ、中心に根を入れたら、周りに土を入れてしっかりと根を固定してあげてください。
陽の当たる方向に葉が傾くので、鉢を回転させることも大切です。支柱を立てて誘引する方法もあります。
細く伸びすぎた時の対処法
種類によっては細く長く伸びるものもあります。そのような品種でない場合は、日照時間を長めにしてあげると少し葉も太くなり、やや伸びる力を抑えることができます。
風水でも人気なの?
サンスベリアは風水でも人気の観葉植物とされています。尖った鋭い葉は、邪気を払い、空気を浄化してくれるそうですよ。
サンスベリアの害虫対策
かかりやすい病気
サンスベリアがかかりやすい病気は、立枯病(たちがれびょう)や軟腐病(なんぷびょう)です。
立枯病はカビの繁殖により葉の根元が腐敗し倒れてしまう病気です。軟腐病も葉が黒ずみ柔らかくなってやがて枯れてしまいます。
どちらも寒い時期に株が弱っているとかかりやすいので、風通しや水やりに注意しましょう
病気になってしまった葉は元には戻らないので、早めに株から切り離し対処しましょう。
害虫対策
サンスベリアは虫がつきにくいと言われますが油断はできません。つきやすい虫はハダニ・アブラムシ・カイガラムシなどです。見つけたらすぐに対処しましょう。
ハダニやアブラムシは水に弱いので水を掛けると簡単に駆除できます。水を使いたくない場合は粘着テープで貼り付けても良いでしょう。
カイガラムシの場合はメスの死骸から幼虫が発生します。濡らした布でしっかり拭き取ります。
サンスベリアの育て方・栽培方法のまとめ
丈夫で育てやすいサンスベリアは、自宅用のみならず贈り物としても人気です。
育てるポイントは日当たりと水やり、それに定期的な植替えですね。冬を上手に越すことが株を大きく育てる秘訣でしょう。
存在感のあるグリーンが生きいきと育つと嬉しいですね。是非チャレンジしてみてください。