家庭菜園・野菜の栽培

【初心者】白菜の育て方のコツ(害虫や巻かない失敗対策やしばる方法)

白菜は定番の鍋具材をはじめ煮物や浅漬けなど使い勝手がよく、日本人にはおなじみの野菜です。くせもなく子供から大人まで食べやすいので、野菜が不足しがちな冬にこそたくさん食べたいですね。

「白菜栽培」というと大きな畑でプロの農家の方が作るイメージですよね。葉物野菜は害虫被害が多いので、管理が難しそうと感じる方もいるかもしれません。

実は対策さえしっかりと行えば、家庭菜園でも立派な白菜を育てることができるんです!小さな葉がだんだんと内側へ立ち上がり、きれいに巻いた白菜を収穫する達成感は格別です。

最近では、育てやすく少人数でも食べきれるサイズのミニ白菜が人気ですよ。みなさんもチャレンジして、今年の冬は採れたて白菜を楽しみましょう!

白菜の栽培方法


白菜栽培の基本的な流れは以下の通りです。

  1. 白菜栽培に最適な土作り
  2. 時期が重要な植え付け
  3. 植え付けから生長期までしっかりと行いたい害虫対策
  4. 適切な水やりと追肥
  5. 倒れないように育てるための土寄せ
  6. しっかりと葉が巻いた白菜を収穫

白菜を育てる上で重要なことは、葉がしっかりと重なり玉のように丸くなることです。白菜の葉が巻くことを「結球」といい、うまく結球させるためのポイントは種まきの時期適切な肥料の与え方にあります。

早速、植え付けから収穫まで順を追って説明したいと思います。

栽培時期


白菜の生育に適した気温は他の野菜と比べても狭く、15~20℃の涼しい気候を好みます。植え付け時期によって春植えと秋植えとありますが、幼苗期は暑さに弱く害虫や病気の被害が多いため、秋植えの方が管理が楽なのでおすすめです。

白菜栽培で注意すべきポイントは、種まきの時期です。10℃以下になると生育が悪くなり、まだ小さい苗のうちに低温にあたるとうまく結球しないまま生長してしまいます。

種まきは8月上旬以降植え付けは9月上旬以降に行うようにしましょう。遅くなっても結球しにくくなる可能性がありますので、タイミングを逃がさないよう注意が必要です。

品種によって異なりますが、種まきから60~100日で収穫できるようになります。

土作り


白菜は細い根を広くのばして生長するため、排水性通気性保水性に優れた土壌が必要です。

また、酸性土の場合は「根こぶ病」という病気が発生しやすくなるので、酸性度は6.0~6.5を目安に調節します。日本は雨が多く酸性に傾く土壌が多いため、酸性度がが6.0以下の場合は石灰をまいておきましょう。

白菜は栄養が豊富で豊かな土壌を好むため、窒素・リン酸・カリがバランスよく配合された肥料を混ぜます。初めての方には、市販の野菜栽培用培養土を利用するのが良いでしょう。

根はりもよく、栽培しやすいよう酸性度や肥料が調整してあるので、失敗もほとんどありません。

植え付け方法


直接種をまく直播きでも良いのですが、幼苗は害虫被害にあいやすいため、ポットで育ててから植えつけたほうが確実です。

9cm(3号)ポットに土を8分目まで入れ、子葉が触れ合わないよう間隔をあけ3箇所程度に1粒ずつまきます。白菜の種は光を好むので土を薄くかぶせ、発芽するまでは乾燥しないよう水をたっぷり与えましょう。

本葉が1~2枚ほどと生育が悪かったり、病気や害虫被害のある株は間引きをします。種まきから20~25日ほどたった頃を目安に、ポットの中でほどよく根が張り本葉が4~5枚程度になれば、植え付け時期に適しています。

家庭菜園で少数株を栽培する場合は、市販の苗を購入するのが良いでしょう。ホームセンターでも手軽に手に入り、最近では様々な品種が販売されています。

苗を選ぶ際は、本葉が多すぎると根付きが良くないため、4~5枚程度のものを選び害虫が付いていないかチェックしましょう。

害虫対策


白菜は、アオムシやヨトウムシ、アブラムシなど害虫被害にあいやすい野菜です。特に苗が小さいうちは害虫が付きやすく、うまく結球しにくくなる原因となり、最悪の場合は収穫を待たず枯れてしまいます。

とはいえせっかくの家庭菜園ですから農薬を使わずに育てたいですよね。そんな時は植え付けと同時に防虫ネットをかぶせましょう。

植え付け直後から防虫ネットをかぶせておけば、幼苗期や結球し始める時期も害虫対策ができ、収穫の頃は霜よけの役目も果たしてくれます。

家庭菜園でも使いやすいコンパクトサイズの防虫ネットも販売されているので、虫が付いていない時期からしっかりと対策を打っておきましょう。

水やりと追肥

水やり

植え付け直後は、まだ土に根付いていないため十分な水やりが欠かせません。葉が大きく育ち始めると根付いたサインなので、以降は土の表面が乾いたら水やりを行いましょう。

冬の間は生育が鈍るので、あまり水をやりすぎると多湿によって根腐れを起こしてしまいます。1回の水やりの量を少なめにし、乾燥状態が続かない程度に行いましょう。

追肥

外側の葉が大きく育つことで結球がはじまるので、生育期間に肥料切れを起こさないよう追肥は必ず行います。追肥のタイミングの目安は結球がはじめるころです。

植え付けから約2週間後芯の部分が巻きはじめ葉が立ち上がってくるので、化成肥料または液体肥料を水やりにかねて与えましょう。

土寄せ


白菜は生長するにつれて苗が倒れやすくなるため、結球するまでの間は「土寄せ」をします。土寄せとは株の周りに土を軽く寄せ、倒れないよう安定させるために行います。

長雨や水やりのあとに土が流れてしまった場合も、しっかりと土寄せをします。ただし結球が始まった頃は、伸びた根を傷つけてしまうので土寄せは行わないようにしましょう。

収穫時期と方法


収穫時期は品種によって異なりますが、白菜の頭の結球部分を手で押さえてみて、固くしまっていれば収穫することができます。

収穫するときは結球部分を横に倒し、外葉を開いて株の根元を包丁で切り取ります。収穫した白菜はそのままだと傷みやすいので、新聞紙などでつつみ冷暗所で保存すると鮮度を保つことができます。

白菜をしばる保存方法


大型で収穫後は痛みやすい白菜は、保存場所の確保や管理が難しくなります。そんな時はほしい量だけ収穫し、使わない株はそのまま菜園で保存できる便利な方法があります。

菜園で保存する際は、寒風や霜の寒さで傷みやすくなるため、防寒対策が必要となります。やり方は簡単で霜が降りる前に結球部分を外葉で包み込み上部を紐で縛るだけです。

こうすることで外葉が寒さや霜から守る役割をし、中の葉はみずみずしいまま保存することができます。

プランターでも栽培できる?


白菜はプランターでも育てることができます。ベランダでも栽培できるので、マンションに住んでいる方でも育てられますね。プランター栽培で注意したいのは、排水性と品種選びです。

多湿に弱い白菜は土の排水性が重要になるため、排水機能があるプランターを選びましょう。小型に品種改良された「ミニ白菜」であれば、限られたスペースでも育てやすくプランター栽培にうってつけです。

育てやすく食べ切りサイズが魅力のミニ白菜

プランター栽培や初めて白菜を育てる方にぴったりなのが、ミニ白菜です。通常の白菜よりも小さく、栽培期間もおよそ2ヶ月ほどで収穫することができます。

葉が柔らかくみずみずしさと甘みがあるので、サラダなどそのまま生で食べるのがオススメです。

ミニ白菜の品種
お黄にいり、娃々菜(わわさい)、黄味小町 など

白菜栽培での失敗・葉がまかない


白菜栽培の失敗としてありがちなのが「いつまで育てても葉がまかない」というもの。11月頃になっても結球しない株は失敗といえるでしょう。

うまく結球させるコツは気温が下がってくるまでに外葉を十分に育てておくことで、葉がまかない原因はいくつか考えられます。

  • 種まき、植え付け時期が遅かった
  • 苗や結球時期の害虫被害
  • 元肥や追肥の不足

以上を踏まえ、9月上旬~10月上旬に植え付け、生長段階で肥料切れを起こさないよう追肥をし、一貫して害虫対策を行うことが重要です。

白菜栽培のまとめ


白菜は植え付け時期・十分な肥料・害虫対策に気をつければ、家庭菜園でも十分に育てることができます。プランターでも育てられるミニ白菜の登場によって、より気軽にチャレンジできるようになりました。

ミニ白菜で栽培に慣れてきたら、オレンジや紫色など葉の色が珍しい品種を育ててみるのもおもしろいですね。みなさんもポイントを押さえて、丸々とした立派な白菜を育ててみましょう。