カブは土壌を選ばず栽培が可能で、サイズの小さな小カブですと、種まきから約40日ほどで収穫できます。
プランターでも育成できるため、初心者の方にも栽培しやすいですよ。今回は、初心者でも簡単にできるカブの育て方についてご紹介します。
カブの特徴
カブはアブラナ科の根野菜で、日本には奈良時代から広まったとされています。根の部分にはアミラーゼが、葉の部分にはβカロテンやビタミンCが豊富に含まれています。
根の部分よりも葉の部分の方が圧倒的に栄養価が高いので、捨てずに使い切りたいですね。カブには大・中・小と様々な大きさがあり、色も白・紅・黄色など目で見ても楽しめます。
夏や冬も可能?カブの栽培時期
カブは高温に弱く、冷たく涼しい気候を好みます。栽培時期は、真夏を避けた春まきと秋まきが良いでしょう。
しかし品種によっては栽培に適した時期が異なるので、ほぼ1年中収穫を楽しむことができます。
初心者には失敗の少ない秋まきがおすすめです!カブは乾燥にも弱く、害虫被害にあう危険性が高いので、防虫ネットを活用しましょう。
プランターで気軽に栽培できる小カブ(8~10cm)や、中カブ(10~15cm)を栽培すると失敗が少ないです。
カブの中でも初心者が育てやすい、おすすめの品種はこちらです。
- 金町小カブ…育成が早く初心者でも作りやすい
- スワン…小~中大まで随時採れて病気に強い
- 耐病ひかり…根の太りも早く耐病性に優れている
- 福小町…変形が少なく早採りが可能
- 玉里…根の育ちが良く病気に強い
カブの栽培手順
準備物と土作りについて
カブはプランターでも栽培が可能です。プランターの大きさは12Lサイズが良いでしょう。もしも2条育てたい場合は大型の25Lサイズを活用しましょう。
カブは種まきから収穫までの期間が短いので、できるだけ早めの土作りを心がけましょう。早めにしておくと、土の中の微生物を安定させたり、発芽時の栄養の吸収率をあげることができます。
土は、園芸店などで売っている野菜用培養土を活用すると簡単です。種まきの2週間前までに、市販の培養土1Lにつき、化成肥料4gを入れ、スコップなどで深く丁寧に混ぜ込みましょう。
カブの場合、硬い土の塊があると根の形がゆがむ原因となってしまいます。形の綺麗なカブを作るためには、土をしっかりとかき混ぜておくことが大切です。
土をふるいにかけて細かくしておくのも良いですよ。プランターで栽培する際には、土はプランターの8割くらい。底の部分に鉢底石を並べておくと排水性が良くなります。
種まき
カブは直根性で苗からの移植栽培を嫌う野菜です。直接、種をまいて栽培しましょう。
支柱などの棒きれで、深さ1cmほどの浅いくぼみを引いておきます。くぼみに種が重ならないよう2cm間隔で丁寧にまいていきます。
こうしておくと、後の間引き作業がグッと楽になりますよ。2条栽培する場合、2列の間は20cmの間隔をあけてください。(大カブの場合は条間30cm)
種をまいたら、くぼみの両側の土を指で寄せて軽く土をかぶせます。その後、上から手のひらで軽く押さえて土と種を密着させましょう。
水やり
種をまいた後はジョーロのハス口を上に向けて優しくたっぷりと水をあげましょう。カブの種はとても小さいので、勢いよく水やりをすると、せっかく植えた種が土から出てきて流れてしまいます。
カブは、芽が出るまでの水やりが少ないと、発芽率が下がります。発芽するまでは水を切らさないよう注意しましょう。
発芽してからは土が乾燥していたら水やりをするようにします。成長時に水やりが不足すると、根が破裂する原因になります。
しかし、加湿の状態が続くと病気の元になりますので気を付けてください。多湿になりにくい天気の良い日に水やりを行うといいですよ!
防虫駆除
カブは害虫被害を受けやすい野菜です。育成中に食害されてしまうと、その後の生育は著しく悪くなってしまいます。
寒冷紗や不織布、ビニールなどでトンネルを作り、害虫対策をしながら栽培しましょう。
間引き
カブは3回間引きをします。間引きをしておかないと、根の育成や形が悪くなったり、病害虫がつきやすくなってしまいますよ。
カブは大体4~5日ほどで発芽します。1回目の間引きは本葉が1~2枚になったら行います。
カブとカブの間隔が3cm程度になるように、ハサミで根元を切りとって間引きましょう。
2回目は本葉が3~4枚になった頃で、間隔が6cmくらいになるように間引きます。
3回目は本葉が5~6枚になった頃です。子カブや中カブは12cm間隔、大カブは20cm間隔に間引きましょう。
ハサミを使わずに直接引き抜く方法もあるのですが、強引に引き抜いて残った苗も一緒に抜いてしまうことがあります。
ハサミを使用した方が残った根を傷める心配もないので、育成も良好になりますよ。間引いた葉は柔らかく美味しいので捨てずにとっておき、お浸しやみそ汁などに入れて食べましょう。
追肥
追肥は2回目の間引きと、3回目の間引き後に、計2回行います。肥料は、カブの肥大率を上げるリン酸や窒素がバランスよく配合された配合肥料がおすすめです。
周辺の土と混ぜ合わせてから株元に寄せましょう。カブは肥料を好む野菜ですので、根の肥大が始まってから収穫するまでは肥料を多めに与えましょう。
育成が急速に伸びる時期に追肥切れを起こすと、カブが大きくならず味も落ちてしまいます。水やりを兼ねて液体肥料を週1回のペースで与えても良いですよ。
カブを収穫しよう
小カブの根の大きさが直径5cm、中型や大型のカブは根の大きさが直径8~13cmほどになったら収穫ができます。
日数で言うと、小カブは種まきから約40日程度、中型・大型のカブは種まきから約60~100日です。
カブの葉の部分を持ち、真上にまっすぐ引き抜きましょう。また、収穫時期は逃さないよう気を付けましょう。
収穫時期を逃すと根が割れてしまったり、根の中に空洞ができて味が落ちてしまいます。やや早めに収穫すると、みずみずしく美味しいカブが食べられますよ。
また、種まきを少しずつ数回にずらして行えば、長く収穫が楽しめます。
カブにつく病害虫
病気
トンネル栽培していても病害虫が発生する可能性はあります。間引きをせずに育成すると、株間の風通しが悪くなり、白さび病やべと病(カビ)が出てきます。
これらを発見したら、すぐに取り除いて菜園の外で処分しましょう。更なる被害を防ぐため、株の上から水をやることも避けましょう。
菌の繁殖予防に、土壌に石灰をまくのもおすすめです。日光や風通し、水はけを良好にするよう心がけてください。
雨水の跳ね返りを防止し他株への伝染を防ぐために、マルチシートを活用しても良いでしょう。
害虫
アブラナ科のカブを好む害虫も多くいます。葉を食害する青虫や、新芽や新葉に影響を与えるアブラムシ。
夜間に出てきて葉を食い荒らすヨトウムシなどに気を付けましょう。ヨトウムシは日中は土の中に潜んでいるので、土の中を少し掘ってみると出てきます。
どの害虫もカブの育成に被害をもたらしてしまうので、見つけ次第除去します。卵を見つけた時点ですぐにつぶしておきましょう。
トンネルに隙間がないか、葉や根に穴やフンが落ちていないか、しっかりと観察しましょう。
素朴な疑問Q&A
カブが割れたり三角形になってしまいます
根が割れる烈根(れっこん)は、主に春まき・夏まきに発生します。肥大期の高温により土壌が乾燥。雨でカブが急激に肥大することにより起こります。
根が三角形になる変形根も、烈根と同じ原因です。土に腐葉土を多めに使い、乾燥や加湿に気を付けながら水やりを行ってください。
葉ばかりが大きくなって根が大きくならない
この場合2つの原因が考えられます。1つは、間引きの時期が遅れたことです。間引きの章を参考にしてみてください。
もう1つは土の中の窒素分が多くなりすぎたことが原因です。大きく育てたいからと肥料をあげすぎると、土壌の窒素分が過剰になり、葉ばかりが茂ってしまいます。
肥料に記載してある使用量や、カブの追肥回数(2回)を守りながら育成していきましょう。
カブ栽培のまとめ
初心者でも簡単にできる!カブの育て方についてご紹介していましたが、皆さんいかがでしたか?
間引きのタイミングを守り、上手に追肥しながら育てるとうまくいきます。カブの根や葉を美味しく食べながら、ぜひ栽培を楽しんでくださいね!