家庭菜園・野菜の栽培

【初心者向け】アスパラガスの育て方・栽培を簡単に

春を告げる野菜として人気のアスパラガスは、サラダやベーコン巻きなど様々な料理に活用できる便利な野菜です。そんなアスパラガスを、ご自宅で育ててみませんか?

畑が無い家庭菜園では難易度が高い野菜ともいわれていますが、ポイントさえ押さえれば大丈夫!畑が無くてもプランターで十分育つので、初心者の方にも始めやすいですよ。

今回はアスパラガスの育て方について、初めての方にも分かりやすく紹介します。何倍にも増やせる株分けについても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

アスパラガスの基本情報と栽培暦

基本情報

アスパラガスは野菜の中でも珍しく多年生植物のため、一度植えると10年ほど収穫できます。ただし最初の1年目は株が小さいため、本格的な収穫は2年目以降になります。

アスパラガスは根に蓄えられた養分を使って成長していくので、1年目はしっかりと栄養を蓄えることに専念しましょう。太くて甘いアスパラガスを作るためには、根をいかに充実させるかがポイントです。

栽培暦

アスパラガスの生育適温は15~20℃と、比較的冷涼な気候を好みます。春に植付けを行い、翌年の春から夏にかけて土の中から出てくる若芽を収穫します。

気温が5度以下になると休眠し土の中で養分を蓄えるため、春に収穫するアスパラガスが一番美味しいといわれています。

種まき時期:3月
植え付け時期:4月
収穫時期:4月~6月(植え付けから2年目)
休眠時期:12月

アスパラガスの栽培環境

土づくり

アスパラガスを育てる土は、中性~弱アルカリ性の土壌が適しています。地植えの場合は植え付けの2週間前に苦土石灰を施しましょう。

プランター栽培の場合は、赤玉土(小粒)7:腐葉土2:バーミキュライト1の割合で混ぜ合わせた土を使うか、市販されている野菜用培養土の利用がおすすめです。

プランターの選び方

アスパラガスは根を広く張って生長するため、深さのあるプランターを選びましょう。最低でも深さ30cm以上は必要になります。

深さがあればどんな素材でも育てられるので、素焼きやフェルトなどお好みのプランターで育ててみましょう。

日当たり

アスパラガスは日当たりの良い場所を好みます。立派な株に育てるには光合成が重要となりますので、一年を通して日当たりの良い場所で育てます。

しかし、真夏のきつい日差しはかえって葉や株を痛めてしまいます。プランター栽培の場合、夏場は明るい日陰に移動させてください。

アスパラガスの栽培マニュアル

苗(根株)から育てる

アスパラガスは種からでも育つのですが、発芽が難しく収穫までには3年ほどかかるため、市販の苗また根株を購入して育てる方が一般的です。春ごろホームセンターや園芸店に並び始めますが、見当たらない場合はネットからも購入可能です。

初心者には「大苗」がおすすめ!

根が十分な養分を蓄え収穫できるまでには時間がかかるため、すぐに楽しみたい方「大苗」を購入するのが良いでしょう。大苗とはすでに数年間栽培された苗で、育てやすく早くに収穫できることから、初心者にもおすすめです。

植えつけ

アスパラガスは霜にあたると枯れてしまうため、暖かくなった4~5月に植えつけを行います。複数株育てる際、株間は30~40cmほど空けましょう。

ポット苗の場合は根鉢を崩さないよう丁寧に取り出し、植え穴へ植えつけます。たっぷりと水をやり、よく根付くよう馴染ませてください。

根株を植えつける場合は株の中央に出ている芽を上向きにし根はできる限り広げます。プランターの上に置き株を回しながら植え、根株がプランターに収まるようにしましょう。

植えつけた後は5cmほど覆土し、苗植え同様に水をたっぷりと与えましょう。

水やりのタイミング

アスパラガスは多湿を苦手とするため、土が乾いたら水やりする程度が良いでしょう。根元に水分を溜め込んでいるので、多少乾燥しても株が弱ることはありません。

しかし、水切れを起こすと葉が変色し落ちてしまいます。夏場の高温期は最低でも一週間に1度は水を与えるようにしましょう。

追肥のタイミング

1年目は元肥だけで育てるので、追肥は1回目の収穫後から行います。春の収穫が終わった後と8~9月の夏肥、2~3月の春肥と合計3回行いましょう。

収穫時期には追肥せず、株を生長させるタイミングで施すのがポイントです。1株につき10g程度の化成肥料を与えますが、根元付近ではなく株から10cmほど離れた場所にまきましょう。

冬越しの方法

アスパラガスは冬になると、葉や茎は枯れ休眠期に入ります。枯れた部分をそのまま放置しておくと病気の伝染源となるため、根元から切り取ってしまいます

寒さ対策として、切り取った後は堆肥やもみ殻などを表面にまいておきましょう。プランター栽培の場合は、室内へ移動させてください。

収穫

アスパラガスは春から夏にかけて若茎が発生するので、丈が20cmほどの高さになり穂先が開く前の状態が収穫時期です。ハサミや包丁を使い根元付近から切り取って収穫しましょう。

全ての若芽を収穫してしまうと株が弱ってしまい、翌年以降の収穫量が激減してしまいます。そのため1株あたり4~5本程度を目安に残すことが重要です。

6月以降にでてきた芽はそのまま生長させ、栄養を蓄えさせます。

アスパラガスの上手な増やし方・株分け


アスパラガスは果実から採取した種で増やすほか、根の部分を分けてしまう「株分け」でも増やせます。先述した通り種まきでは収穫までに時間を要するため、株分けで増やす方がおすすめです。

株分けには、増やす以外にも株を若返らせる効果もあります。株分けの時期は収穫や真夏・真冬の時期には向いておらず、5~6月または9月下旬ごろが適しています。

根の部分を傷めないよう土から掘り起こし、古い土をできるだけ落としてしまいます。株をざっくりと大きく2~3つ程度に分けて、それぞれを植えつけます。

深く土を盛りすぎると新芽に影響が出るため、5~10cmほど浅く土を被せます。株分け後は乾燥させないよう注意して育てましょう。

アスパラガス栽培のQ&A

細いアスパラガスしかできない!

植えつけから3年目以降でもまだ細いままであれば、株の養分が不足している可能性が挙げられます。

収穫時期に全て採ってしまわず1株につき4~5本程度残しておくと、光合成を行い来年の春に芽を出すための養分を蓄えられます。

また肥料が不足していると太いアスパラガスは収穫できません。追肥のタイミングを守り適切な量を施しましょう。

ホワイトアスパラガスの栽培方法は?

ホワイトアスパラガスとグリーンアスパラガスの違いは、品種ではなく育て方によるものです。ホワイトアスパラガスを栽培するには、新芽が光にあたらないよう20~30cmほど盛土をして育てます。

若芽が盛土の中から出ないうちに根元から切り取って収穫しましょう。土で覆うことに抵抗がある方は、バケツや植木鉢を被せて遮光する方法もありますよ。

アスパラガス栽培のまとめ


アスパラガスは買うと結構なお値段がしますし、安価なものは海外からの輸入品が多く鮮度や農薬も気になりますよね。

それに比べ自分で栽培すれば、一度しっかり育てると10年ほど収穫を楽しめるのでとても経済的です。

他の野菜に比べるとやや管理が難しいかもしれませんが、一生懸命育てたアスパラガスを収穫する喜びはひとしおです。ぜひみなさんもアスパラガスの栽培にチャレンジしてみてください。