家庭菜園で大きなかぼちゃができると嬉しくなるものです。でも、「初心者だから大きなかぼちゃの栽培なんて難しいだろう。」と思われていませんか。
家庭菜園の経験がない方はそう思うのも仕方がありません。しかし、実際には簡単に大きなかぼちゃが栽培できて、食べることができるのです。
かぼちゃは野菜の中でも、もっとも強い種類になります。無農薬栽培でも十分栽培できるうえ、土壌適応性が広く旺盛に育つため初心者でも簡単に栽培できる野菜です。
これからかぼちゃの栽培で大事なポイントをお伝えしますので、これを参考にしてかぼちゃを育ててみてください。きっと成功する事、間違いなしです。
西洋かぼちゃの栽培方法
畑づくり
4月上旬~中旬あたりに石灰100~150g/㎡を散布してよく耕しておきます。1週間前に堆肥2kg/㎡、化成肥料約50~60/㎡を散布して土になじませます。
畑づくりのポイント
かぼちゃはつるや葉が元気に茂るために広いスペースが必要になります。種まきの時に、畝を通路を含め250cmくらいとれるように広めを確保しておきましょう。
種まき
植え付けは、5月の上旬の晩霜の心配がなくなった頃に行いましょう。畝幅を90~100cm、通路を含め200~250cmくらいとって作ります。
株間は60~100cm程度は空けるようにして種をまきます。併せて、初心者が栽培しやすい種を紹介しておきます。
- 栗えびす
- ベイブレード
西洋かぼちゃの種類が手間がかからず栽培しやすいので、まずはこれにチャレンジしてみましょう。
種まきのコツ
土に指先でくぼみをつけ、そのくぼみに種をまきます。その上に土をかぶせて水をたっぷりあげてください。
整枝
つるが伸びてきたら整枝を行います。一般的には親づると子づるの生育のよいものを合わせて2~3本伸ばす方法が良いでしょう。
不要なつるをナイフやはさみで切って整枝し、親づる1本に子づる2本の3本仕立てにします。元気な3本仕立てのつるを2~3つ作るように整枝すると、実が大きくなります。
整枝とは
子づるを切ってしまうのは一見もったいない感じもしますが、全体的にすっきりして太陽光が当たりやすくなって元気になります。初心者が、不安になりやすいポイントですがしっかり実行しましょう。
人工授粉
雌花が開花したら、その日の朝早くに雄花の花粉を雌花の柱頭に優しくこすりつけて受粉させます。朝を逃すと花粉が発芽力を失ってしまいます。
自然に任せておいても良いのですが、あくまでその場合は自然次第になりますので結実しないこともあります。人工授粉をすることで確実に結実することができます。
畑によくミツバチなどが飛んできてくれていれば大丈夫なので、花が咲く頃には注意してみてください。
追肥
果実がこぶし大になったら化成肥料30~40g/㎡を畑全体に追肥します。しかし、つるが元気いっぱい繁って葉の色が濃い場合は、追肥は中止します。
かぼちゃは、窒素過多になると※つるぼけになってしまうのです。もし、判断に迷った場合化成肥料をまかない方を選択するか、ごく少量にとどめておくと良いでしょう。
つるぼけとは
つるや葉が繁るばかりで実ができない状態のことを言います。肥料をあげればあげる程、大きな実がなりそうですが、逆効果になる場合もあるので注意が必要です。
敷きわら
つるが繁ってしまう前に敷きわらして、土が見えなくなってしまうくらい株元までわらをしっかり敷いてあげます。
敷きわらをすることにより、雑草を防除すると同時に果実の汚れや害虫に食べられてしまうのを防ぐ効果があります。
敷きわらのコツ
つるの成長に合わせて敷きわらをするような感じで敷いていってください。また、わらは、稲わら・麦わら・カヤなどの刈草でも大丈夫です。草が生えてくる時期です、草刈あとの草を乾燥させて使っても良いでしょう。
収穫時期(90日~100日後)
開花後約40~50日程度の7月上旬から8月にかけてがかぼちゃの栽培での収穫時期です。へたが割れてコルクのようになったものが収穫適期となります。
かぼちゃは長期間の保存ができますので、収穫したら4~5日※風乾(ふうかん)したのち利用するまで貯蔵します。
風乾とは
風や外気にさらして乾燥させることです。風乾をしっかりしておくことで、傷みにくくなります。たくさん取れますのでこの作業をしっかり行いましょう。
日本かぼちゃを栽培したい場合は摘心が必要
日本かぼちゃが好きで栽培をしたい方もいらっしゃると思いますので、栽培しやすい種類を紹介します。
- 黒川
- 菊座
- 鹿ケ谷
などが日本かぼちゃの定番で、おすすめの種類です。
日本カボチャは親づるが5~6節くらいに育ってきたら、親づるの先端を摘心します。あとは、子つるを4本ほど残して伸ばしていきます。
日本かぼちゃの特徴は、親づるではなく子つるの方に実が付きやすいことがあげられます。従って、摘心をして親づるの成長を止めて子つるを伸ばす必要が出てきます。
このように西洋カボチャとは実のなり方が違う為、栽培方法が違う点に注意してください。
摘心とは親づるが先へ伸びようとする力を抑え、子つるを横へと広がるようにする作業です。
- 西洋かぼちゃは親づるによく実が付くので摘心しません。
- 日本かぼちゃは、子つるによく実が付くので摘心して子つるを伸ばします。
プランター栽培にはミニカボチャ
かぼちゃは1株に7~8個も実がなるので、かなり広い面積を取ってしまいます。しかし、種類を選べば垣根に這わせたり日除けがわりに棚づくりなど工夫をすれば栽培可能です。
大きなかぼちゃは広い畑でしか栽培できないイメージですが、ミニカボチャだとプランター栽培もできます。
栽培しやすい種類としてのおすすめは、「坊ちゃんかぼちゃ」が良いでしょう。果実は黒緑色、500~600g、1つるに3~4果着く程度なので扱いやすくもあります。
栄養豊富な小さなかぼちゃで、ビタミンAが普通の南瓜の約3~4倍になるそうです。また、500g~600gの大きさから調理がしやすく便利で人気があるため、店頭価格が普通のかぼちゃより高いことが多いです。
かぼちゃ栽培で失敗せずに成功するコツ
水やりについて
種まきの説明で、水をたっぷりあげるようにとしました。しかし、成長してくるとかぼちゃはしっかりと根を地面に張ります。
基本的には自然に任せてしまって大丈夫ですが、真夏の晴天続きで葉が茶色く枯れるような事があれば水をあげてください。
強い野菜なので大きくなってからは、水やりは様子を見る程度であまり気にせずでも大丈夫す。逆に水やりが多いと実が水っぽくなり美味しくなくなってしまうのです。
かぼちゃの病気対策
基本的に病気や害虫に対して強いかぼちゃですが、栽培環境が適していないと病気になりやすくなります。なりやすい病気として下記の2つです。
- うどんこ病(葉や花首に多く発生し、うどん粉をまぶしたように白くなる)
- えき病(葉、葉柄、茎、果実などに大きな斑点ができる)
二つとも発生するとかぼちゃに元気がなくなってしまいますので、普段から対策をとって予防しておきます。
畑が冠水しないように排水をしっかりして、株や葉にすき間を作って風通しを良くしてあげることで防げます。
かぼちゃ栽培のまとめ
今回は栽培と調理がしやすい西洋かぼちゃと日本かぼちゃの栽培方法を紹介しましたが、ペポカボチャという果実の形や食味が風変りな面白い種類もあります。
上達してきたら、ペポカボチャの栽培を楽しんでみてはいかがでしょうか。
かぼちゃは基本的に強い野菜なので少しくらい栽培を失敗したとしても枯れてしまう事は少ないので、気軽に栽培をしてみて欲しいと思います。