みょうがは薬味や副菜として重宝しますね。その味や風味はどこか癖になるおいしさ。
メイン食材にはならなくても無いと困る野菜と言えるでしょう。あったらいいなと思う食材が自宅で簡単に作れたら嬉しいですね。
みょうがは家庭菜園初心者でも育てやすい野菜です。この記事では植えつけから収穫までをわかりやすくご紹介します。
1度植えれば3~5年は収穫できるコスパも優秀なみょうがの栽培にチャレンジしてみましょう。
みょうがの栽培スケジュール
みょうがは春先2~3月に出回る根株(地下茎)を購入して育てます。4月頃になれば新芽が伸びた苗も出回りますから植えつけるだけと簡単ですね。
根茎なら3~4月、苗なら5~6月までに植えつけましょう。夏から秋にかけて収穫ができますよ。
10~11月に植える秋植えも可能ですが、寒い冬を越して夏以降の収穫になりますから、初心者には春植えがおすすめです。
夏みょうがと秋みょうが
しょうがには夏に採れる夏みょうがと、少し遅れて採れる秋みょうががあります。根茎や苗を購入する時に確認しましょう。
そうめんや冷ややっこに合わせるなら夏採れの方が嬉しいですが、秋みょうがの方が大きく赤みがあり、おいしいと言われています。両方を栽培して食べ比べてみてもいいですね。
みょうがの栽培環境
みょうがは地植えはもちろんプランターや植木鉢でも栽培できます。ただ地中で茎を伸ばして成長しますから、深さ30cm以上の大き目のものを用意しましょう。
日当たり
みょうがは日陰や半日陰を好みます。乾燥や直射日光を嫌いますから、一般的な野菜とは違い日光の確保は不要です。
他の野菜とは別の空きスペースで栽培ができますね。
技術不要!みょうがの育て方
自宅でみょうがを作るなんて家庭菜園上級者のようですが、思いのほか簡単ですから初心者でも気負う必要はありません。
食べやすいように刻んで冷凍してしまえば長期保存も可能です。早速作り方をご紹介しましょう。
根株(地下茎)の選び方
みょうがは種ではなく根株と呼ばれる地中に伸びた茎から育てます。
根茎を選ぶポイントは長さが15~20cmほどあり太くてしっかりとしたもの、白いツメのような芽が2~4個付いているものが良いでしょう。
最近では根株から苗の状態まで育てたものも市販されています。苗から育てるなら太くて葉先まで元気なものを選びましょう。
土作り
プランターの場合、野菜用培養土に完熟堆肥を2割ほど混ぜ合わせます。
地植えする場合は植えつける1週間前に土をよく耕し、完熟堆肥や腐葉土を2~3割混ぜ合わせましょう。水はけをよくするために高さ10~15cmほどの畝(うね)を作って植えつけの準備をします。
植えつけ
植えつけは堆肥などをまぜた土に5cmほどの穴をあけ、芽を上向きにして土を被せます。株の間隔はプランターなら15cm、地植えなら20cmほどあけて植えましょう。
植えつけ直後の種株は乾燥を嫌うため、たっぷりと水をあげます。
水やり
乾燥させると弱ってしまうため、土の状態を確認しながら水やりをします。
地植えと比べ土が少ない鉢植えやプランターの場合は毎日水やりをしましょう。地植えの場合は乾燥しやすい土の表面に、藁や腐葉土を敷いておくと急激な乾燥に備えられます。
追肥
種苗から芽が伸び始めるのにおよそ3週間ほどかかります。さらに葉が成長した6~10月頃に追肥をすると成長が安定します。
じっくりと効果が現れる有機肥料なら週に1度、化成肥料なら月に1回程度を土にまきます。藁を敷いている場合は藁の上からでも問題ありません。
手入れ(間引き)
生育過程で芽が混みあっていたり、葉が茂りすぎた場合は間引きましょう。
みょうがは乾燥を嫌いますが、風通しを良くすることでその成長を助けます。株の間隔が7~8cmになるよう、詰まっている場所は根元から切って間引きます。
収穫
夏みょうがなら7~8月頃、秋みょうがなら9~10月頃に収穫期を迎えます。花が咲く前の、土からようやく顔を出した花穂を摘み取りますが、植えた年の収穫はあまり期待できません。
1~2年ほど栽培し株の生育が安定すれば次々と収穫できるようになりますから、お楽しみは年をまたぐことになりそうですね。
花を咲かせてしまうと味も食感も悪くなってしまいますから、収穫が遅れないように注意しましょう。
みょうがの冬越し
収穫を終えると放っておけば地上部の葉や茎は枯れていきます。気温が下がり始める11月を目安に株元から切って冬越しの準備をしましょう。
プランターで栽培している場合は定期的に水やりをして根茎を乾燥から守ります。藁や堆肥を被せておくと湿度が保てますよ。
地植えの場合はプランターほど心配はいりませんが、乾燥させないように気をつけて生育期まで見守りましょう。
みょうがの植替え
みょうがは2~4年に1度植え替えをします。同じ場所で数年経過すると株が混みあい生育が進まなくなります。
地植えなら3~4年ごと、プランターなら土の量が少ない分もう少し早いサイクルで2~3年を目安に施しましょう。
植替えのタイミングは収穫が終わった10~11月頃か、新芽が出る前の2~3月頃が良いでしょう。根茎を傷を付けないように土の中から丁寧に掘り出し、周囲の土を落とします。
大きすぎるものは1株に芽が3~4個は付くようにして切り分けましょう。植えつけと同じ要領で新しい場所や、土を入れ替えたプランターなどに植替えます。
みょうがの増やし方
みょうがは株分けで増やします。大きく成長した根茎を切り分けて新しい株として育てますから、長く栽培していると自然に株が増えることになりますね。
1株15cm程度の根茎に花芽が2つ以上ついていれば切り分けても問題ありません。
みょうが栽培のトラブル対処法
みょうがはトマトやナスのように実が成る様子がわかりませんから、初めて栽培する時は戸惑うかもしれません。
地中から顔を出す花穂を楽しみにお世話をしても、発芽すらしないとなればさすがに何かしらの対処が必要です。
みょうが栽培時のトラブルについて確認しておきましょう。
発芽しない時
植えつけ後や冬を越した春、新芽が発芽しない場合は土の乾燥が影響しているかもしれません。栽培に適した環境にあるかもう一度確認してみましょう。
特に水分は発芽に大きく影響しますから、乾燥状態にならないように注意が必要です。水切れにより発芽が遅れているとしたら、1ヶ月は水やりを続け様子をみます。
時期を過ぎても発芽しない場合は根茎が枯れている可能性が高いですから、翌年以降に新しい株でチャレンジしましょう。
花芽が出ない
葉は茂っているのに花芽が出ず、収穫できない場合はガッカリしますね。植えつけて1~2年目は株がまだ未熟ですから収穫はあまり期待できません。
採れても数個ほどというケースも多いでしょう。土壌の問題もありますから適切な肥料を与え株の成長を促しましょう。
3年もすればあちこちから花芽が顔を出し、たくさん収穫できるようになりますよ。
病害虫
みょうがは病害虫には強い野菜ですが、日陰と湿地を好む性質のため適切な管理をしないとカビなどが発生してしまいます。かかりやすい病気と寄り付きやすい害虫をご紹介します。
みょうが栽培で気を付けたい病気
- 根茎腐敗病・・・カビが原因で株元にあめ色の水染みができ葉が枯れます。
- 葉枯れ病・・・カビが原因で葉に白い斑点が現れやがて黄色く変色します。
- いもち病・・・葉や茎に白や茶色の輪染みができます。
病気の原因は多湿によるカビの発生のほか、極度の乾燥や元々根株が病気を持っていた可能性もあります。水はけを良くし、病気を見つけたら早めに取り除くことが大切です。
病気が蔓延してしまったら同じ病原菌が土に残り、来年もまた発生する可能性が高いですから植替えをして断ち切りましょう。
みょうがに寄り付く害虫
- ヨウトムシ(アオムシ)・・・春先に現われ葉や茎を食べます。
- カイガラムシ・・・葉や茎に付いて養分を吸い取ります。
- ハダニ・・・葉裏に付いて養分を吸い取ります。
害虫は見つけたらすぐに駆除しましょう。茂った葉や周囲の雑草を取り除き、風通しを良くすると害虫予防になりますよ。
みょうがの栽培・育て方のまとめ
みょうがは植えつけたら土を乾燥させないように注意しましょう。葉が密集してきたら間引いて風通しを良くすると、病害虫の予防にもなり収穫量も増えるでしょう。
栽培を始めた年は多くの収穫は望めませんが、翌年、翌々年と数が増えていくはずです。旬のおいしい時期に存分に楽しめますよ。
みょうがを使ったレシピも案外たくさんあります。育てる方も食べる方もマイスターを目指しましょう。