家庭菜園・野菜の栽培

【初心者】小松菜の栽培・育て方のコツ(夏まき?冬収穫?害虫対策や室内栽培まで)

小松菜はほぼ1年中栽培することができ、ほとんどの土壌に適応できる野菜です。栄養が豊富な健康野菜で、短期間で収穫が可能。

また、簡単に栽培できるため初心者の人にもおすすめですよ。今回は簡単にできる、小松菜の栽培方法と害虫対策について、ご紹介していきます!

小松菜の特徴

小松菜はアブラナ科の野菜で、原産地は日本です。はるか昔の江戸時代から、東京の小松川地区で多く栽培され、この名前が付きました。

カルシウムやβカロテン、鉄分や繊維質を豊富に含んでいる野菜です。連作(同じ土に同じ野菜を毎年続けて栽培する事)も可能です。

土への適応力も高く、プランターや植木鉢での栽培も簡単にできるので、初心者でも簡単に栽培できますよ。

夏と冬も可能?小松菜の栽培時期

小松菜は、真夏や真冬を除けば1年中育てることが可能です。育てやすい時期は、害虫被害の少ない9月~10月の秋まきがおすすめです。

小松菜は冷涼な気温を好むため、秋まきをした方が味良く育つと言われています。栽培もやさしく丈夫な野菜なので、よほどのことがない限りは失敗はありません。

小松菜の中でも、初心者の方に育てやすい品種はこちらです。

  • いなむら…収穫期が長続きし、高温栽培でも株が張る
  • 浜美2号…生育がゆるやかで年中栽培しやすい・萎黄病に強い
  • 菜々美…白さび病に強く作りやすい・高温栽培期でも株が張る
  • 楽天…暑さ寒さ病気に強く年中栽培できる・20日で収穫可能
  • 春のセンバツ…春~秋まで広く栽培可能・暑さ寒さ乾燥に強い

これらの品種はプランター栽培にも向いています。小松菜は品種が多く、品種によって向いている時期や性質があります。栽培の時期に合わせて品種を選ぶと良いでしょう。

小松菜栽培の手順

土づくりと準備物

小松菜は肥料を好む野菜です。まずは種まきの2週間前に、土に石灰をまいてよくかき混ぜておきます。続いて、種まきの1週間前に元肥(栽培前に多量に施しておく肥料)を、スコップで空気を入れるように混ぜ込んでおきましょう。

肥料は、米ぬか・油粕・魚粉などの有機物を混ぜて発酵させたボカシ肥や、バランスの取れた配合肥料がおすすめです。

小松菜をプランターで育てる場合は、市販の培養土を使用すると便利です。プランターは小型タイプ(40cm~)を利用しましょう。

プランターの底に敷き詰める鉢底石も準備しておき、プランターの底に約2cmの高さで並べます。培養土はプランターの深さ8分目まで入れ、スコップで平らにしておきましょう。

また、春から秋時期までは青虫やコナガなどの害虫が付きやすくなるため、防虫ネットや不織布を準備をしておくといいですよ。

種まき

地植えの場合もプランターの場合も、深さ1cmほどのまき溝(種をまく溝)をスコップなどで引いておきます。数列作る場合は、列と列の間の間隔を10~15cmとってください。

2cm間隔で2粒ずつ種をまいていきます。小松菜は発芽率が良いので、種をまきすぎないように気を付けましょう。

種をまいた後は、上から薄く土をかけておきます。その後、ジョーロでたっぷりと水をかけておきましょう。

害虫対策をしよう

種をまき終わったら害虫対策に、防虫ネットでトンネルを作ったり、不織布をかけておきましょう。青虫・アブラムシ・コナガ・ヨトウムシ・カブラハバチなどなど…小松菜を好む害虫は多くいます。

これらの害虫が発生し、育成初期に葉を食べられてしまうと、その後の成長は著しく悪くなってしまいます。面倒でも、害虫対策をした方が安心です。

間引き

発芽して、苗が混みあってきたら間引きを2回ほど行います。1回目の間引きは、双葉が開いた時が目安です。だいたい2cm間隔になるように、葉の形が悪い苗・生育の悪い苗の根元をハサミで切りとりましょう。

直接苗を抜き取るという方法もあるのですが、ハサミを使用した方が、残った苗の根を傷めず育成も良好になります。間引いた苗は、サラダにして美味しく食べることができます。

2回目の間引きは、本葉が2~3枚揃った時です。苗の間隔は5~6cmです。間引いた苗の葉は、みそ汁の具にしたりして食べましょう。

追肥

本葉が5枚くらいになったら追肥(追加の肥料)をしましょう。株の間、菜園やプランターの縁に少量まいておきます。

肥料が多すぎると葉にえぐみがでてしまうので、やりすぎには注意しましょう。1週間に1度、水やりを兼ねて薄めた液肥を与えると、良質な小松菜になりますよ。

小松菜を収穫しよう

草丈(作物が伸びた高さ)が約25cmになったら収穫の時期です。食べる量だけハサミで切って収穫しましょう。株ごと引き抜く方法もありますが、ハサミの方が残った他の株を傷めることもなく、簡単に収穫できます。

小松菜は大きくなりすぎると葉が硬くなり、アクが出てしまうので、できるだけ早めに収穫して食べましょう。1週間おきに少しずつ種をまき、収穫時期をずらせば、長い間楽しむことができます。

小松菜の水やりについて

種をまいたあとはたっぷり水をやり、芽が出るまでは土が乾くたびに、こまめに水やりをしましょう。ジョウロのハス口を上にして、種や芽が倒れたり流れたりしないよう注意しながら、優しく水やりをしましょう。

種が根付くと、土表面が乾いたら水をやる程度で大丈夫です。小松菜は乾燥に強いので、水やりの回数を増やすより、1回の水の量を多めにするくらいが丁度良いですよ。

小松菜につく病害虫

小松菜などのアブラナ科の野菜は、虫が非常につきやすいです。防虫ネットや不織布でガードしておくと、害虫被害は少なく済みます。

しかし、ネットなどで防御しているからといって、安心しきってはいけません。こまめに小松菜を観察しましょう。青虫・カブラハバチ・コナガ(蛾の一種)などがついた場合、小松菜の葉に、複数の穴やフンが見られます。

葉の裏を探しても見当たらない場合、ヨトウムシがいる可能性があります。ヨトウムシは夜間に行動し、昼間は地面の近くに潜んでいるので、被害株付近の土を掘って探し、発見したら捕まえて駆除しましょう。

害虫被害にあわないためには、卵の段階から駆除することが大事です。葉の裏などに産み付けられた卵は、見つけたらすぐにつぶしておきましょう。

また、成虫は赤色を好む性質があるため、菜園やプランターの周辺に赤い物を置かないように気を付けましょう。

小松菜は栽培期間が短いので、病気の心配はあまりしなくても大丈夫ですが、白さび病がつく場合があります。

白さび病とは、葉の表面や茎に乳白色の斑点ができる病気です。発病した部分を切りとって除去し、白さび病の嫌いな石灰をまくことで病気の広がりを抑え、対処できます。

素朴な疑問Q&A

間引きは必ずしないといけないの?

「間引きが面倒」や「生育する前に間引くなんてもったいない」という声を聞くことがあります。確かにその気持ちも分かるのですが…。

育成途中にきちんと間引いておかないと、株間の風通しが悪くなり根腐れをおこしたり、病害虫が発生しやすくなります。

小松菜の成長に悪影響を及ぼしてしまうので、多少骨の折れる作業でも、間引きはしておきましょう。このひと手間が、良い小松菜作りに繋がります。

室内で小松菜を育てる事は可能ですか?

屋外でも室内でも小松菜の栽培はできます。プランターや牛乳パック、ペットボトルでの栽培も可能です。

小松菜の栽培に日光はかかせないので、室内で育成する場合は、窓際など日光が良く当たる場所に置きましょう。

ただ、間引きや追肥などの最中に、室内が汚れてしまう可能性はあります。掃除の手間を考えると、屋外で栽培した方が手軽かと思います。

小松菜栽培のまとめ

小松菜の栽培方法や害虫対策などについてご紹介していきましたが、皆さんいかがでしたか?

小松菜は通年栽培でき、どんな土でも育成する丈夫な野菜なので、栽培初心者の人にもおすすめの野菜です。菜園以外に、プランターでも栽培できるので、気軽にチャレンジしやすいと思います。

ご家庭でぜひ小松菜栽培を楽しんでみてくださいね!