家庭菜園・野菜の栽培

【育て方のコツ】えんどう豆(スナップエンドウ/さやえんどう/絹さや)の栽培

ほのかな甘みとサクサクとした食感がやみつきになるえんどう豆は、子供からも人気の高い野菜です。

ビタミン類やミネラル、食物繊維、タンパク質やカロテンなども多く含まれ栄養価の高い緑黄色野菜としても親しまれています。

育てるのは難しく思われがちですが、ポイントさえ押さえれば意外にも簡単に栽培できます。プランターを使えばベランダでも育てられるので、初心者にもチャレンジしやすいですよ。

ここでは初めての方でも失敗しないえんどう(さやえんどう・絹さや・スナップエンドウ)の育て方を詳しく紹介します。

かかりやすい病気もまとめているので、参考にしてみてください。

1:えんどう豆について

えんどう豆は紀元前7000年頃から東南アジアで栽培されていたマメ科の植物で、別名「さやえんどう」「絹さや」「スナップエンドウ」「グリーンピース」と呼ばれることもあります。

タンパク質やカロテン、ビタミンCやビタミンB1が豊富に含まれています。

えんどう豆はサッと塩ゆでにしたり、豆ごはんや卵とじにしたりと、人気のレシピが沢山あります。お弁当の色どりにも大活躍しますよ。

2:えんどう豆の呼称「さやえんどう」「絹さや」「スナップエンドウ」の違いについて

呼称がとても紛らわしい「さやえんどう」「絹さや」「スナップエンドウ」についてですが、これらは『えんどう豆』という1つの大きな括りの植物です。

えんどう豆には収穫するタイミングによって、様々な呼び方があります。ネーミングが異なるだけで、実は同じえんどう豆なのです。

また、えんどう豆はさやの硬さで硬莢種(こうきょうしゅ)と、軟莢種(なんきょうしゅ)に分けられます。

えんどう豆とは?

えんどう豆とは、えんどうの実が成熟したものになります。正式には莢の部分は関係なしに、えんどうの実の部分だけを特に「えんどう豆」と呼びます。

(しかし誤用として、えんどうという植物全体に対して「えんどう豆」という呼び方をする場合もあるで、少し紛らわしくなっていますよね。)

さやえんどう(関西の呼称)とは

さやえんどうとは、莢(さや)ごと食べる(膨らんだ豆と、さやの両方を食べる)えんどう豆のことで、絹さや、スナップエンドウなどが一般的に知られています。

絹さや(関東の呼称)とは

豆が膨らむ前にさやごと食べる軟莢種のことです。

絹さやとさやえんどうは同じもので、関東では「絹さや」、関西では「さやえんどう」と呼ばれることが多いです。(軟莢種)

さやえんどうの新品種「スナップエンドウ」とは

「スナップエンドウ」とは、豆だけでなく莢(さや)ごと食べるさやえんどうの一種(新品種の名称)です。

絹さやの食感はそのままに、グリーンピースの甘さを合わせた軟莢種となります。

補足:スナップエンドウの「つるあり種」と「つるなし種」

スナップエンドウは寒さに強く低温にあたることで花芽の分化が進むため、秋に種まきを行い春に収穫する栽培方法が一般的です。

春の暖かい気候でぐんぐんと生長し、スイートピーに似た白い花が咲かせた後は、たくさんの莢をつけます。

スナップエンドウの品種には、「つるあり種」と「つるなし種」の二種類があります。それぞれの特性をふまえて、育てる品種を選びましょう。

つるあり種

草丈が120~200cm以上にも生長し、高さのある支柱が必要になります。つるが長く伸びる分、収穫量の多さが特徴です。

つるなし種

草丈60~100cmとコンパクトに育ち、高い支柱を立てなくても良いのでプランター栽培に適しています。つるが短い分、収穫までの期間は短いですが収穫量がやや少なめです。

3:他にもある!えんどう豆と関連のある品種や呼称

実エンドウ(うすいえんどう)

さやを取った未熟な豆のこと。硬莢種で、グリーンピースのようなもの。“うすい”の由来は、明治期に導入された実エンドウを大阪の碓井(うすい)にて栽培したことからきている。

赤えんどう豆

デザートのみつ豆に入っていることでお馴染みの豆。成熟豆の硬莢種。

青えんどう豆

煮豆や煎り豆、餡に使われる硬莢種の成熟豆。

豆苗(とうみょう)はえんどうの若い芽のこと

最近人気のスプラウトの一種である豆苗は、えんどうの若い芽・葉を摘んだもの。

「グリーンピース」は未熟なえんどう豆のこと

さやの中の熟していない豆のみを食べる軟莢種。このグリーンピースもさやえんどう豆のカテゴリーなので、同様に育てることが出来ます。

4:プランターもOK!えんどう豆の栽培時期と育て方

えんどう豆(さやえんどう・スナップエンドウ・絹さや)は日光を好み、多湿を嫌う野菜です。日当たりと風通しの良い場所で育てましょう。えんどう豆の種まきは10月~11月の秋まきとなります。

種まきの時期が遅くなってしまうと、苗が小さいまま冬越しをすることになり、結果枯れてしまいます。

だからといって適期よりも早く植えると、冬越しの前に苗が大きく育ちすぎ、寒さに耐える力がなくなってしまいます。種まき・苗の植え付けは必ず適期を守りましょう。収穫期は4月~6月です。

4-❶:えんどう豆のプランターの選び方

プランターでえんどう豆(さやえんどう・絹さや・スナップエンドウ)を育てる場合、市販の培養土を利用すると手軽で便利です。

プランターの選び方

水はけが悪いと病気にかかりやすくなるため、排水機能が付いたプランターを選びましょう。

縦30cm×幅40~60cm×高さ(深さ)30cmほど(20~25Lサイズ)の深めで、中~大型のプランターがおすすめ。

えんどう豆は株間30cmほど空ける必要があるため、幅60cmであれば2株育てることができます。

また、暖かくなりさやえんどうが成長し始めたら、誘引しなくてはならないので、支柱を挿せるプランター選ぶようにしましょう。

 

4-❷:えんどう豆の土づくり

えんどう豆(さやえんどう・スナップエンドウ・絹さや)は連作を嫌うので、最低でも3年間はさやえんどうを栽培していない場所を選んでください。

菜園・露地栽培の場合

また、酸性土壌も嫌うので、種まきの2週間ほど前までに苦土石灰を全面散布を菜園に与えます。

植え付け1週間前に、堆肥と元肥(窒素・リン酸・カリウムがバランスよく配合された化成肥料など)を施しよく土に馴染ませます。

肥料は窒素分が多くなると葉やつるばかりが茂り肝心の実のつきが悪くなるため、リン酸とカリ分の多い化成肥料を施します。

種を蒔くまでに畝を作ります。さやえんどうは多湿にも弱く根腐れを起こしてしまうので、水はけの悪い場所では高畝にすると、元気に育ちます。

プランターの場合

土は窒素分の少ないものを選ぶとよいですが、プランター栽培の場合は、市販の野菜用培養土を利用するのが良いでしょう。

あらかじめ必要な肥料も配合されており、すぐに植えつけできるので便利です。よく耕しておきましょう。

底には水はけが良くなるように鉢底石を敷き詰めます。プランターの8分目まで培養土を入れて、土の表面を平らにしておきましょう。

4-❸:種まきについて(栽培カレンダー)

えんどう豆(さやえんどう・絹さや・スナップエンドウ)には春蒔き秋蒔きがありますが、初心者は秋蒔きで越冬させて育てることをおすすめします。

冬越しをする野菜ですので育成初期に寒さに当てないと、花が咲かない性質があります。

種から育てる

栽培場所に直接種をまいて育てる方法もありますが、ポットで育苗してから植えつけるほうが管理もしやすく、より確実に発芽させることができます。

9cmほどのビニールポットに4粒ほど種をまき、たっぷりと水やりをします。発芽までは乾燥させないように注意しますが、水を与えすぎると根腐れを起こすため、土の表面を確認しながら行いしょう。

本葉が2~3枚にまで育ったら、丈夫な苗を2本を残して間引きします。ここまで育てば植え付けに適した時期になりますので、ポットからそっと苗を取り出し根鉢を壊さないよう栽培場所に植えつけましょう。

軽く土を寄せて根の活着を良くした後は、十分に水を与えます。

苗から育てる


初心者の方や、プランターで少数株育てたい場合は苗を購入し栽培する方が失敗もなくおすすめです。

植え付け時期になるとホームセンターや園芸店でも出回るようになりますが、見つからない場合はネットからでも購入できます。

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苗は草丈が7~8cmほどで、節が詰まった丈夫なものを選びましょう。植え付け方は先述した通りですが、1ポットに3本以上の苗が植えられている場合は2本に間引きしてから植えつけます。

種まきの時期が早すぎると冬を迎える頃に苗が30cm以上にまで育ってしまい、寒さを乗り切ることができません。反対に種まきが遅すぎても、苗が小さいうちに寒さで枯れる恐れがあります。

12月~2月頃に草丈が10~20cmほどの高さで越冬できるよう、栽培地に適した種まきの時期を守りましょう。

栽培カレンダー

  • 種まき10~11月
  • 植え付け11~12月ごろ
  • 防寒対策:12~2月
  • 収穫4月~6月

タネの袋の表示を確認し、10~11月の間に作業を行いましょう

菜園栽培の場合さやえんどうの種まきは株間25~30cmほどで土の表面に2~3cm程度の穴を掘り、その穴に3~4粒種をまいてください。

種を蒔いたら2cmほどの厚さで覆土し、手のひらで優しく表面を押さえて、しっかりと水を与えます。

乾燥しないようにたっぷりと水をあげると、5~10日ほどで発芽します。

あまり早く種を蒔くと、耐寒性が弱まるので、草丈が10cmほどで越冬するように種まき時期を調節してください。

寒冷地では春まきで育てよう

耐寒性が強いとはいえ北海道や東北などの寒冷地では、冬越えが難しく春まきで育てます。秋まきに比べると栽培期間が短くなるため、早採りの品種を育てると良いでしょう。

種まき時期:3~4月
植え付け時期:4月
収穫:6~7月

4-❹:発芽後1回目の間引き

えんどう豆(さやえんどう・絹さや・スナップエンドウ)が発芽し、本葉が3枚出てきたら込み合ってる部分や、生育の悪い芽を取って2本立ちにしましょう。

引っ張って抜くと元気な苗まで一緒に抜けてしまうこともあるので、抜くのではなく、ハサミなどで株本から切ることをおすすめします。

4-❺:水やり・適温・日当たりについて

えんどう豆(さやえんどう)の生育適温は15℃~20℃で、日当たりのいい場所を好みます。日なたで風通しの良い場所で育てましょう。

多湿を嫌うため、種まき後にしっかりと水やりをしたら、その後はやや乾燥気味に育てましょう

菜園栽培(露地栽培)の場合は、雨や雪などの降水を水やりとします。開花時期は水を多く吸い上げるようになり、水が不足すると実のつき方が悪くなってしまいます。

プランター栽培の目安としては「土の表面が乾いて降水が全くない場合」や「土がパサパサで乾燥しすぎていると感じる場合」に水をあげる位でいいでしょう。

まめに土の表面をチェックしてください。水やりの回数を増やすのではなく、気温や生長にあわせて一度に与える量を増やすことが大切です。

水をやりすぎると、えんどう豆の育成が悪くなってしまいます。根に共生する根瘤菌(こんりゅうきん)が増えにくくなったり、根腐れを起こしやすくなります。

4-❻:支柱やネットを使用した誘引方法

えんどう豆(さやえんどう・絹さや・スナップエンドウ)葉先から巻きつるが伸び始めたら支柱を立てネットを張り、誘引しなくてはなりません。

えんどう豆には、つるありつるなしがあり、この2つでは誘引方法が変わってきます。ここではさやえんどうの誘引の仕方を詳しく紹介していきます。

誘引することでつる同士の絡まりや葉の密集を防ぐことができるので、風通しがよくなり病気対策にもなります

つるありさやえんどうの場合

つるありさやえんどうは、背丈が2m近くにもなるので、誘引するにはネットが必要です。

支柱は2m以上の物を選び、さやえんどうの苗の両端と株の間に支柱を挿し、ネットを張ったら、真っすぐ伸びていけるようにさやえんどうをテープなどで誘引してあげましょう。

ネットの代わりに、麻紐を横向きに15cmほどの間隔で張っても良いでしょう。

つるなしさやえんどうの場合

つるなしさやえんどうはネットは必要ないので、大きくなったさやえんどうを倒れないように、紐などで、囲うようにしましょう。

竹の枝を一株に一本さしてあげても良いですし、園芸店などで売っている支柱とエンドウネットを活用しても良いですよ。

合掌式(支柱を斜めに交差させるように地面にさし、横に1本渡して固定する立て方)にしてもOKです。※下部添付画像が合掌式です。

誘引をきちんとしてあげることで、さやえんどうが倒れないだけでなく、成長を促す効果もあるので、忘れないようにしましょう。

暖かくなってくると、急激に大きくなり作業も大変になるので、さやえんどうが20cmほどまで伸びてきたら誘引の準備をしてください。

4-❼:冬越しの仕方・2回目の間引き

えんどう豆(さやえんどう・絹さや・スナップエンドウ)は比較的耐寒性のある植物ですが、秋蒔き栽培の場合、防寒対策が必要になってきます。

防寒対策

秋まき栽培の場合は、12月下旬から2月にかけて防寒対策が必要となります。

霜や厳寒期の北風などにさらされると、ダメージを受け枯れてしまうことがあるので、霜よけとして株全体を覆うように寒冷紗(麻や綿を荒く平織りにした布)をかけるか、株の根元に藁を敷く方法が一般的です。

藁が手に入らない場合は、雑草や木の枝などでも代用できます。こうすることでえんどう豆は寒い時期を耐えることが出来ます。

目安としては苗の高さが10cmくらいで冬越しさせるのがベストです。12月~2月は寒さが最も厳しくなりますので、霜よけに寒冷紗をかけると良いでしょう。

えんどう豆の苗に対して北側の土を盛り上げて、盛り上げた部分に笹の小枝を斜めにさしておく方法もあります。55~60度の角度でさしておくと、苗の保温効果が高まります。

間引きは春先に行います。1ヶ所に2本立ちになるようにしましょう。ツルが伸びる前に、育成の悪い苗をハサミで切りとって間引きます。

 

4-❽:追肥・土寄せについて

えんどう豆(さやえんどう・絹さや・スナップエンドウ)は2回の追肥を行います。

追肥

  • 1回目の追肥時期:2月下旬ごろ、気温があがりはじめツルが元気に伸び始めた頃
  • 2回目の追肥時期:2回目は3月中旬の開花直前~花が咲き始めた頃
  • 4月以降は収穫まで2週間に1回のペースで追肥を行う

このように、さやえんどうは最低でも2回の追肥が必要です。また、その後も1ヶ月毎に追肥を行うと生育がよくなります。

春まき栽培の場合は、花が咲き始めたころと収穫の最盛期に追肥し、収穫期間が終わるまで1ヶ月ごとに施しましょう。

追肥の仕方は、一株毎にひとつまみほどの化成肥料(1㎡当たり約20g)をまいて、土と軽く混ぜ合わせて株元に寄せます。

しかし、えんどう豆は根に共生する根瘤菌が窒素分を作ってくれるため、肥料は控えめの量で大丈夫です。

追肥を多く与えてしまうと窒素過多となって枝や葉ばかりが多く繁る“つるボケ”を起こします。この状態になると花が咲かなくなり、結果実が付きずらくなりますので気を付けましょう。

窒素・リン酸・カリウムがバランスよく配合された化成肥料を、土1Lあたりに1gの割合で、株周辺の土にまいてあげましょう。

土寄せ

さやえんどうは生育期間が長いので、土が痩せてきたら土寄せを行ってください。

特に秋まき栽培の場合は栽培期間が長く土が痩せてくるので、追肥と同じタイミングで土寄せをしましょう。プランター栽培の場合は、苗の根が見え始めたら野菜用培養土を補充します。

初期の頃にあまり深く土を寄せてしまうと、生育が悪くなるので、注意が必要。

4-❾:摘芯と整枝について

えんどう豆(さやえんどう・絹さや・スナップエンドウ)は摘芯をしなくても育つ野菜ですが、摘心をした方が、実付きが良くなり味も良い物ができます。

摘芯を行うだけで、実付きも味も良くなるだけでなく、風通しもよくなるので、病気も防ぐことが出来ます。美味しいさやえんどうをたくさん収穫するためには、摘芯をしましょう

根元から伸びる「親づる」、親づるから伸びる「子づる」は実付きが良いので切らずに残しましょう。

摘芯するのは、子づるからいくつも生えている「孫づる」です。孫づるを早めにカットすることで、栄養の分散を防ぐことができますよ。

中心の親づると子づるを残し、孫づる花があまりついていないつるを早めに摘み取ってしまいます。

3月以降に伸びたつるや弱々しいつる、花の付きが悪いつるも取り除いておきましょう。

  • 「子づる」「親づる」は残す
  • 「孫づる」は摘芯する
  • 弱々しいつる、花の付きが悪いつるも取り除いて

こうすることで栄養が分散すること無く育ち、日当たりも良くなります。

日光にあたることで鮮やかなグリーンに色づき味も甘さが増すので、美味しいスナップエンドウが収穫できるようになりますよ。

4-❿:収穫をしよう

えんどう豆(さやえんどう・絹さや・スナップエンドウ)は品種にもよりますが、種まきから半年経過した4月以降開花後から約10~30日ほどで収穫できます。莢がぷっくりと膨らんできた頃が収穫時です。

収穫が遅れてしまうとみずみずしさが損なわれてしまい、硬い豆になってしまいますので、放置しないように気を付けましょう

早採りを心がけておくと、株が疲れるのを防ぎ収穫期間も長く楽しむことができますよ。

絹さやの収穫

莢が膨らみ始めた頃、莢がまだ柔らかいうちに収穫すると「絹さや」が収穫できます。

さやえんどう(スナップエンドウ)の収穫

さやえんどう(スナップエンドウ)は莢がぷっくりと膨らみ、さやが緑色のうちが収穫適期です。

グリーンピースの収穫

また、絹さやえんどうは豆が大きくなるまで収穫を待つと、グリンピースとして食すことも出来ます。

莢(さや)にシワが出始め、豆が丸くなった時に収穫するとグリーンピースです。いずれも、刃先が清潔なハサミで切って収穫しましょう。

5:病気と害虫

えんどう豆(さやえんどう・絹さや・スナップエンドウ)のかかりやすい病気の原因は、大半がカビによるものです。まずは病気を発生させないよう、生育環境をしっかりと整えることが第一となります。

病気を予防する育て方として、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 排水性が良く、酸性度に傾いていない中和された土壌で育てる
  • 株が混み合わないよう摘心・整枝を行い、風通しと日当たりを良くする(株間は20~25cm)
  • 高温乾燥時には水切れを起こさないようにする
  • 連作に弱い作物のため、連作は避ける

病気

えんどう豆(さやえんどう)がかかる病気は、モザイク病、灰色かび病、さび病、立ち枯れ病などいくつかありますが、発生しやすい病気としては、立ち枯れ病やうどん粉病があげられます。

立ち枯れ病

生育初期の11~12月ごろにかかりやすい病気です。スナップエンドウの上部の葉が黄色くなり、最終的には株全体に広がり立ったまま枯れてしまいます。

うどん粉病

うどん粉病は、カビの一種で、葉や茎にうどん粉をまぶしたような白い模様がでます。

5~6月頃に乾燥状態が長く続くと発病しやすくなります。葉にポツポツと白い斑点が発生し、進行すると葉全体が白いカビで覆われてしまいます。

生育が悪くなる病気で、カビの一種のため一度出てしまうと、どんどん広がっていきます。

うどん粉病の症状を見つけたらその部分の葉を取るか、株全体に広がっている場合は、他の株に移ってしまわないよう抜いてしまいましょう。

被害を避けるために日ごろから日当たりや風通しの良い環境を作ることも大切です。数株植える際には、追肥をしすぎる事のないようにしましょう。

病気にかかっている箇所を見つけたらすぐに除去しましょう。被害が収まらない場合は、薬剤を散布することで治療できます。

収穫期と重なるのでうどんこ病の発生を抑えることが、収穫量を上げるポイントとなります。

害虫

さやえんどうには、アブラムシやヨトウムシ、ハダニやカメムシなどの害虫がつきますが、特に気を付けたいのがハモグリバエです。

主に4~11月に発生し、ハモグリバエに食害されると、筆で葉に白い線を描いたような筋が現れます。

葉に白い線の模様があれば、ハモグリバエを疑ってください。4月頃から活動し始めるので、暖かくなってきたら注意して観察しましょう。

害虫はさやえんどうを食害するだけでなく、病気などの様々なウイルスも伝播させるので、害虫は見つけ次第、駆除するようにしましょう。

もし葉に白い線が見られた場合はすぐに葉を処分します。白い線の先に幼虫を見つけたら指で葉ごと潰して駆除しましょう。

6:素朴な疑問Q&A

えんどう豆(さやえんどう・絹さや・スナップエンドウ)に関する疑問は、ここで解決していきましょう。

連作はできますか

えんどう豆は特に連作障害が出やすい野菜です。4~5年間は、同じ場所に続けてえんどう豆を植えないようにしましょう。

つるなしえんどうを選んだのにつるが出ました

つるなし種を選んでも、実際には約50cm~1mはつるが生えます。つるなし種にも支柱をしてあげた方が、風通しも良くなり病気も防げますし、収穫量も多くなりますよ。

春先に枯れてしまいました

この場合2つの原因が考えられます。1つは冬越しの最中に霜柱が立ち、根が地面から浮き上がってしまったことです。

プランター育成中の場合は、株の周りを手で押さえます。菜園育成中の場合は、足で軽く踏みつけて霜柱を壊しましょう。

もう1つの原因として、連作障害の立枯病が考えられます。立枯病は、苗が突然しおれて枯れてしまう病気です。

何かを育成していた場所(土の中)には、前回育てていた野菜から分泌された特殊成分や病害虫が残ります。

肥料成分バランスも悪くなり、次に育成する野菜に悪影響を及ばす可能性も高いのです。

7:えんどう豆(さやえんどう・スナップエンドウ・絹さや)の栽培方法まとめ

彩としてだけでなく、主役としても存在感のあるえんどう豆(さやえんどう・絹さや・スナップエンドウ)は、たくさん収穫できる野菜のひとつです。

種まきの時期が非常に重要だということ、収穫するタイミングによって様々なえんどうを味わえることが分りました。

マメ科の植物は種まき後に鳥が食害してしまうこともあるので、寒冷紗などで覆うようにしましょう。

種をまく時期さえ注意すれば家庭菜園でも簡単に育てることができますので、自分で栽培すれば思う存分食べることができます。採れたての新鮮な味は栽培した人でしか味わうことができませんよ。

観賞用と言ってもいいくらい可愛らしい花は自分で育てなければ味わえない楽しみとなるでしょう。

是非この記事を参考にしていただき、みなさんも栽培の楽しみと、新鮮なスナップエンドウの美味しさと両方を楽しんでみてください。