家庭菜園・野菜の栽培

【初心者】ビーツの栽培・育て方のコツ(追肥・間引き・種取りなど)

鮮やかな赤色とほのかな甘みが特徴のビーツは、ロシア料理のボルシチには欠かせない材料として有名です。しかし日本ではあまり馴染みがない野菜なので、身近なスーパーでは手に入りにくいですよね。

そんなビーツをご自宅で栽培してみませんか?育て方は意外と簡単で、春と秋の2回種まきができます。収穫までの期間も短いので、初心者の方でもチャレンジしやすい野菜ですよ。

今回はビーツの栽培方法や育て方のコツについて、詳しく紹介していきます。

ビーツの基本情報

  • 科目:アカザ科(ヒユ科)
  • 原産地:地中海沿岸
  • 別名:テーブルビート
  • 種まき:春(3月~5月)/秋(9月~11月)
  • 収穫期間:種まきから60~80日
  • 栽培難易度 ★★☆☆☆

ビーツは赤カブのような見た目をしていますが、実はほうれん草やスイスチャードと同じくアカザ科の仲間です。

健康食材としても注目を集めており、「食べる血液」という呼び名もあるほど栄養豊富な野菜です。ボルシチに代表される煮込み料理のほか、ピクルスやサラダにもぴったりですよ。

根の部分だけでなく葉も食べられるので、おひたしや炒め物にも活用できます。

連作障害

ビーツは連作障害があるので、同じ場所で栽培する際は最低でも3~4年は間隔をあけましょう。

連作障害とは?

同じ科の植物や同じ野菜を毎年同じ場所で栽培することを連作といい、土壌の中の養分が不足し病原菌が増殖するため、野菜の生育が悪くなることを指します。

品種

ビーツといえば濃い赤色がポピュラーですが、白色やオレンジ色、断面が赤と白のうずまき状になっているものなど、様々な品種が出まわっています。

種はホームセンターや園芸店でも販売されていますが、珍しい品種はネット販売で手に入るので、好みの品種を選ぶ楽しみが広がりますね。

育てやすいおすすめ品種

デトロイトダークレッド ビーツの中でも栽培しやすく良質な品種です。葉柄も根も濃い紫紅色で、料理の彩りにもぴったりです。
ゴルゴ 紅白の年輪模様と独特の甘みが特徴です。ゴルフボールから野球ボールほどのサイズで収穫します。
ルナ 根の断面は鮮やかな黄色で、葉柄もほんのりと黄色に色づく品種です。

栽培環境

日当たり

日当たりのよい場所で育てましょう。太陽の光をたくさん浴びることで、収穫までの期間が短くなりますよ。

気温

ビーツの生育適温は15~20℃で冷涼な気候を好みます。寒さには強いのですが、暑さには弱く23℃以上になると生育が悪くなります。

用土

ビーツは酸性の土壌に弱く、酸性度は中性~弱アルカリ性が適しています

日本の気候は雨が多いため酸性土壌に傾きやすいので、地植えの場合は種まきの2週間前に苦土石灰を散布しよく耕しておきましょう。その後1週間前には堆肥を混ぜ込み、土とよく馴染ませます。

プランター栽培では、野菜栽培用の培養土を利用すると良いでしょう。あらかじめ酸性度の調整や肥料の配合ができているので、初心者でも手軽に始められます。

プランターの選び方

ビーツは根を育てる野菜なので、深さ20~30cm程度あるプランターを準備しましょう。2条まきする際、条間(蒔き溝と蒔き溝の間)は10~15cmほど必要です。

ビーツの育て方

種まき(春まき・秋まき)

ビーツの種は殻が硬くそのままでは発芽しにくいため、一昼夜水につけてから土にまきます。このひと手間を加えることで、発芽率やその後の生育が良くなります。

栽培場所に深さ1cmのまき溝を作り、2~3cm間隔で種をすじまきしていきます。まき溝は支柱を横にして軽く押しあてると簡単に作れますよ。

土を被せたら手のひらで軽く押さえ、土と種をよく馴染ませます。最後にたっぷりと水を与えますが、せっかくまいた種が流れ出ないよう丁寧に行いましょう。

種まき後は発芽するまで乾燥させないよう、こまめに水やりをしてください。

トンネル栽培(害虫・防寒対策)


春まきでは害虫が発生しやすくなるため、防虫ネットを種まき直後からトンネル状に覆って栽培すると安心です。隙間がないようぴったりと覆い、害虫の侵入を防ぎましょう。

またトンネル栽培は害虫対策だけでなく、保温効果や霜よけなど防寒対策としても有効です。

寒さに強いビーツですが、気温15℃を下回るようになると葉が縮れ生育不良を起こすため、秋まきでもトンネル栽培がおすすめです。

水やり

乾燥に弱いため、たっぷりの水を与えて育てます。特に発芽前と幼苗のうちは水切れを起こさないようしっかりと管理してください。

間引き

ビーツは株間が狭いと根の十分に育たないため、生長にあわせて3回ほど間引きします。

  1. 本葉が1~2枚(株間:3~4cm)
  2. 本葉が3~4枚(株間:5~6cm)
  3. 本葉が6~7枚(株間:10~12cm)

1つの種から複数の芽が出てくるため、生育が良い芽を残し残りはハサミで切り落としましょう。間引いた芽はベビーリーフとしてサラダなどで美味しくいただけますよ。

追肥・土寄せ

ビーツは収穫までの栽培期間は短いのですが、根をしっかりと太らせるため肥料切れを起こさないよう注意して下さい。

追肥は2回目と3回目の間引き後と、根が肥大する収穫の2週間前に化成肥料を与えます。あわせて株元に軽く土を寄せておきましょう。

土寄せすることで追肥後の効果をアップさせ、根の乾燥を防ぎ生育を促進する働きがあります。

収穫

種まきから60~80日程度で収穫時期を迎えます。根の直径が5~6cm草丈30cmほどまで育ったら、株の根元を持ってまっすぐ引き抜きましょう。

ビーツは収穫が遅れると硬くなってしまい、「す」が入ることもあります。多少小ぶりでも味は劣りませんので、早めに収穫することがポイントです。

ビーツの水耕栽培


収穫したビーツは根元の部分を2~3cmほど残しておくと、水耕栽培として活用できます。水をはった容器につけ日当たりの良いスペースに置いておくだけで、次々と芽を出してきますよ。

水耕栽培なら茎や葉も柔らかく育つので、生食にぴったりです。緑の葉物とあわせてサラダにすれば、ビーツの茎の鮮やかな赤色が食卓に彩りを添えます。

水耕栽培といっても、身近なもので楽しめるのが嬉しいですね。節約にもなりますのでぜひお試しください。

自家採種(種とり)


ビーツは他家受粉のため自家採種を目的とする場合は、複数株を同時に育てましょう。

収穫せずにそのまま育てていくと翌年には花を咲かせ種をつけるので、種の塊が茶色く熟してきたら採種しましょう。

トウ立ちすると風で倒れてしまう恐れがあるため、伸びた花茎は支柱で固定してください。

ビーツ栽培で注意したい病害虫


ビーツは病害虫に強い野菜ですが、管理状態や環境により病気にかかってしまうこともあります。また気温が高くなると害虫も発生しやすくなるので、こまめな観察が必要となります。

ここではビーツ栽培で注意したい病気や害虫をまとめましたので、特徴と対策についてチェックしていきましょう。

病気

軟腐病・・・地上からでている葉や茎が縮れ、地際部分が腐る病気です。
褐斑病・・・葉に赤紫色の小さな斑点が生じ、被害が広がると枯れ落ちてしまいます。
根腐病・・・根や葉が腐敗する病気で、高温多湿環境で発生しやすくなります。

病気の発生原因はカビの繁殖によるものが多く、高温で雨が続く梅雨時期は特に注意しましょう。葉が茂ると湿気がこもりやすくなるので、古い葉は取り除いて風通しを良くして下さい。

病気にかかった箇所はすぐに取り除き、被害が広がらないようにしましょう。

害虫

ハモグリバエ・・・葉の中を蛇行しながら食害し、白い線を描いたような痕が現われます。
ヨトウムシ・・・主に夜に活動する幼虫で、葉や茎、根までも暴食します。
カメノコハムシ・・・ハムシの一種で、葉裏に潜んでいることが多いです。

いずれも卵を産みつけ、幼虫から成虫に成長するまで食害し続ける厄介な害虫ばかりです。薬剤を散布する方法もありますが、せっかくの家庭菜園では無農薬で育てたいですよね。

薬剤を使わない場合は、先述したトンネル栽培がおすすめです。種まき時から防虫ネットで覆ってしまうので、産卵や成虫の侵入を物理的に防げます。

ただしトンネル栽培でも害虫がつくこともあるので、観察を怠らないようにしてくださいね。

ビーツ栽培のまとめ

病害虫にも強くプランターでも育てられるビーツは、家庭菜園初心者の方にこそおすすめした野菜です。上手に育て種取りができれば、栄養満点のビーツを毎年育てることができますね。

缶詰のビーツしか食べたことが無い方は、生のビーツがもつ甘さや旨みにきっと驚かれると思います。生から調理すると香りや食感も断然違いますよ。

みなさんもご自宅で育てた生のビーツを楽しんでみてください。