インゲンはさやごと食べる野菜で、「さやインゲン」とも呼ばれています。
様々な調理方法で食べることができ、βカロテンやカリウム、アミノ酸の一種のアスパラギン酸なども含まれていて、とても栄養価の高い野菜です。
今回はそんなインゲンの種類や栽培方法、栽培時の注意点など詳しくご紹介していきます。
インゲンの種類
一口にインゲンと言っても様々な種類があることをご存知でしょうか。
ここではスーパーなどでも普通に売られている種類から、珍しい種類までいくつか紹介します。
つるありインゲン
つるありインゲンはつるを伸ばすことで、たくさんの花を咲かせ収量が多いのが特徴で、長期間収穫を楽しめます。
つるなしインゲン
つるなしインゲンは比較的育てやすく、収穫時期が短期間であることが特徴です。
コンパクトに育てられるので、プランターで栽培するのに特におすすめです。
モロッコインゲン
モロッコインゲンは平べったいさやが特徴で、柔らかい食感と味の良さで人気の品種です。
紫インゲン
紫インゲンは濃い紫色のさやで見た目にインパクトがありますが、加熱すると紫色は落ちてしまい濃い緑色になるのが特徴です。
黄色インゲン
黄色インゲンは薄い黄色の色をしたインゲンで、加熱しても色が落ちないことから、様々な料理の彩に使うことができます。
インゲンの栽培時期
- 種まき:4月中旬~6月下旬
- 植え付け:4月下旬~7月上旬
- 収穫時期:6月中旬~9月下旬
- 発芽適温:23~25℃
- 生育適温:15~25℃
インゲンの栽培方法
ここではインゲンの栽培方法をイチから詳しく解説していきます。
インゲンはプランターでも育てることが可能
インゲンはプランターでも育てることができます。
その際は容量が50Lほどで深さ30cm以上のプランターを選ぶようにしましょう。
プランターでインゲンを栽培する際はつるなしインゲンを選べばネットを張る必要もなく、簡単に育てることができます。
インゲンに最適な土づくり・肥料
インゲンは酸性土壌を嫌うので、植え付けの2週間ほど前までに石灰、堆肥、化成肥料を施しよく耕しておきましょう。
インゲンは湿気に弱いため、畝は15cm~20cmの高めの畝を作ることをおすすめします。
種まき
インゲンは畑に直まきすることもできますが、種を鳥に食害されることがあるため、ポットに種をまいて育苗すると失敗が少ないです。
7.5cm位のポットに3粒ほどのたねをまきましょう。種は少し離してまくと、この後の管理が楽になります。
種をまいたら、覆土し軽く押さえたらたっぷりと水をやりましょう。
日当たり
インゲンは日当たりと風通しの良い場所で育てるようにしましょう。
間引き
間引きは発芽して双葉の次に展開する葉(初生葉)が出てきたころに行うようにしましょう。
引っ張って抜くのではなく、ハサミを使って株元を切るようにして、元気な苗を1本残し間引きします。
間引き後は残した苗がぐらつくことがあるので、軽く押さえてあげると安定します。
植え付け
植え付けは本葉が2~3枚出てきたころに行いましょう。
畝にポットがすっぽり入るほどの穴をあけ、苗の土を崩さないように植え付けてください。
水やり
育苗期間中の水やりは土が乾いたらやる程度で、あまりあげすぎると腐ってしまうこともあるので注意しましょう。
植え付けてからは、初めにたっぷりと水をやればその後は基本的には水やりの必要はありませんが、高温で乾燥が続く場合には水やりを行ってください。
追肥
インゲンは肥料過多になると、葉だけが繁りつるぼけという状態になるので、肥料の与えすぎには注意しましょう。
追肥はインゲンの生育状況を見ながら行うようにしてください。
- つるあり種
つるありインゲンは生育期間が長いため、開花が始まったら2週間おきに化成肥料などを施しましょう。
- つるなし種
つるなしインゲンは生育期間が短いため、開花が始まったら1度だけ化成肥料などを施しましょう。
肥料の吸収が良くなるので、追肥後には水やりを行うことを忘れずに。
摘芯
つるなし種は摘芯の必要はないですが、つるあり種はつるが支柱の先端に近づいたら摘芯を行います。
摘芯を行うことで、側枝の発生を促すことができ、収穫量アップにも繋がります。
収穫
インゲンは開花2週間後が収穫の目安で、ハサミなどで切るようにして収穫しましょう。
さやの中の豆が大きくなってしまうと硬くなるので、食べごろのサイズになったら早めに収穫してください。
インゲンは実を収穫せずに放っておくと、花付きが悪くなり収穫量が減ってしまうので、大きくなる前に収穫するようにしましょう。
病気・害虫の対策
インゲンには発生しやすい病害虫が存在します。ここでは発生しやすい病害虫の紹介と対策などをご紹介します。
インゲンに発生しやすい病気
インゲンに発生しやすい病気は、うどん粉病、灰色カビ病、立ち枯れ病などがあります。
対策としては、多湿を避け日当たりと風通しの良い場所で育てるようにしましょう。
それでも病気が出てしまった場合には早期発見が重要で、見つけ次第病気が出ている葉を取り除くか、病気に有効な薬剤を使用するのもおすすめです。
インゲンに発生しやすい害虫
インゲンに発生しやすい害虫はアブラムシ、ハダニ、カメムシなどがあげられます。
対策としては、虫による食害を見つけたら作物をよく観察し、害虫を見つけ次第駆除するようにしましょう。
駆除だけでは追いつかない場合は、虫に合った薬剤を使用することをおすすめします。
連作障害に気を付けよう
インゲンは連作を行うと病気や障害が出やすい野菜です。
インゲンを植え付ける場所は少なくとも2~3年マメ科の植物を育てていない畑を選ぶようにしましょう。
インゲンの誘引方法
インゲンは草丈が伸びてくると倒れたり風で煽られ折れてしまうこともあるので、必ず誘引をしてあげましょう。
つるあり種とつるなし種では誘引方法が異なりますので、育てる種類によって使い分けるようにしてください。
ここでは支柱だけで誘引する方法とネットを利用した誘引方法、2つをご紹介します。
つるなしインゲンの誘引方法(支柱の立て方)
つるなしインゲンは支柱を立てて誘引する方法が適しています。
支柱は1mくらいの物を用意しましょう。
支柱の立て方はインゲンの株元から3cmほど離して支柱を挿し、テープなどでインゲンと支柱を固定するように誘引します。
この時、あまりきつくテープを付けてしまうと生育に悪影響を及ぼすので、少しゆるめに固定するようにしましょう。
つるありインゲンの誘引方法(ネットの張り方)
つるありいんげんはネットに絡まながら育てる誘引方法が適しています。
ネットの張り方は、畝の両端に支柱を一本ずつ挿す一本立てか、2本の支柱を交差させて作る合掌造りの2つの方法がありますが、一本立ては風に弱いので合掌造りをおすすめします。
2mの支柱を5本用意し、畝の両端に2本づつ交差させ、残りの支柱1本を交差した支柱の上に配置し、紐などで固定しましょう。
合掌造りができたら野菜用のネットをかけて、インゲンをテープなどでネットに誘引してあげれば完成です。
伸びると倒れてくるので、適度に誘引してあげましょう。
インゲン栽培のまとめ
インゲンの種類から栽培方法などを紹介しました。
植え付けてしまえばそれほど難しい管理もないので、家庭菜園初心者の方にもおすすめできる野菜です。
栄養価も高く、調理方法も様々なインゲンを育ててみませんか?