ゴーヤは独特の苦みを持っている栄養豊富な夏野菜で、育てる手間があまりかからないため、初心者にもおすすめです。
今回は、ゴーヤの栽培方法や摘心、ネットの張り方などについて、ご紹介していきます。
ゴーヤの特徴
ゴーヤはウリ科の野菜で、別名ニガウリやツルレイシとも呼ばれています。熱帯地域原産の野菜なので、暑さに強いのが特徴です。
気温が高いほど育成が活発になるため、真夏の暑い日差しを遮る緑のカーテンとしても大活躍します。
食事は沖縄の代表料理の一つ、ゴーヤチャンプルーが有名ですよね。天ぷらなどの揚げ物や、サラダにするのもおすすめですよ。
苦みのもとのモモルデシンは食欲増進を期待できるため、夏バテの時期にピッタリです。ビタミンC・カリウム・カロテンが多く含まれており、栄養的にも非常に優れた野菜です。
種類ごとの特徴
ゴーヤは栽培産地によって種類が少々異なります。また、一般家庭向けに園芸店で取り扱っている種にも多くの種類があります。
ゴーヤの中でも収量の多い品種は島娘です。他には超大型種の願寿ゴーヤ、色白で肉厚の純白ゴーヤ、太くてイボの大きい中長ゴーヤなどがあります。苦みが苦手な人は、あばしゴーヤがおすすめですよ。
ゴーヤの栽培時期
ゴーヤは発芽する適温が25~30℃のため、4月上旬以降で気温が十分上がった時期に種をまきましょう。苗の植え付けは5月上旬に行います。真夏から9月頃まで収穫を楽しめますよ。
プランターでも可能?ゴーヤの栽培方法
ゴーヤは種から育てる事も可能ですが、1株から約30本もの収穫ができるため、家庭菜園では苗を購入した方が簡単です。
プランターでも手軽に栽培することができますが、その際は置き場所に注意しましょう。室外機のそばなど熱風が当たる場所は、乾燥が激しく植物を弱らせてしまいます。
苗からゴーヤを育成する人は【苗を購入する(良い苗の選び方)】の項目からご覧ください。
種を選ぶ
まずは良い種を選びましょう。発芽率を上げるため、種のとがっている部分を、爪切りやペンチで少しだけ切りとります。
この時、中の種まで傷つけないように注意してください。水を入れたコップに種を入れ、下に沈んでいったものが発芽率の良い元気な種です。
種まきと育苗
9~12cmのポリポットに市販の培養土を入れ、直径5cm・深さ1cmの穴を作ります。厳選したゴーヤの種のとがった方を下に向け、3粒ほどまきましょう。
種をまいたら、その上から1cmほど培養土をかぶせます。土を手で軽く押さえて、たっぷりと水やりを行いましょう。発芽率をより良くするため、気温が低い日はホットキャップ(ビニール製のミニテント)を利用しましょう。
発芽したら、ホットキャップは外しても大丈夫です。本葉が2枚になるまで発芽したら、元気の良い苗を1本だけ残して間引きをします。
本葉が5~6枚になるまではポットで育て、水やりは土の乾燥がひどい時に行います。夜に水やりをすると苗が無駄に伸びてしまう徒長の原因になるため、水やりは朝に行いましょう。
苗を購入する(良い苗の選び方)
園芸店で苗を購入する場合は、以下の点に気を付けながら苗を選ぶと良いですよ!
- 本葉が4~5枚ついている
- 葉の色が良くツヤがある
- 子葉(最初に出た双葉)がついている
- 節と節の間がつまっている
- 茎が太い
古い苗は葉が小さく色も薄いです。ゴーヤは1株にたくさんの実がなるため、初心者の人は1~2株など、少数の苗から購入することをおすすめします。
株間はどのくらい?苗を植える
ゴーヤは南国野菜のため、植え付けは気温が高くなってから行いましょう。5月の連休以降が最適です。
菜園に植える場合、植え付け2週間前に石灰をまき、1週間前には元肥(窒素・リン酸・カリを含んだ肥料)をまぜこんでおきましょう。
プランターで育成する場合は、大型サイズ(20L以上)のプランターにしましょう。土は市販の培養土を利用すると便利です。
プランターの底には鉢底石を敷いておきましょう。菜園やプランターの土に、苗ポットと同じくらいの大きさの穴をあけ、そっと苗を植えこみましょう。
根を傷つけないように気を付けてくださいね。苗の周りを少しくぼませて、水やりをした時に、苗に水が浸透しやすいようにしてあげましょう。
植え付けた後は、たっぷりと水やりをします。株間は20~25cmほどとりましょう。少し菜園に余裕がある場合は50cmの株間をとっても良いですよ。
水やりと追肥について
植えたばかりの苗は、土に根付くまでに少々時間がかかります。根が乾燥しないよう、植えてから1週間くらいはしっかりと水を与えてください。
1週間を過ぎてからは、土の乾燥が目立つ時以外は水やりを控えるようにしましょう。
プランターで育成の場合、土がすぐに乾燥してしまいがちです。涼しい朝と夕方の1日2回、水をたっぷり与えることを心がけてください。
植え付けて2週間が経過した所で、水やりを兼ねて液体肥料をあげましょう。肥料不足になると実が大きくならないため、2週間ごとに液体肥料をやると良いですよ。
あくまでも目安なので、成長具合を見ながら追肥を行ってください。
支柱立てとネットの張り方
ゴーヤを育てる際はツルの誘引のため、早めに支柱を立てましょう。1株につき支柱は1本です。
実の数が増えた時に倒れてしまう事があるので、支柱が揺れないようにしっかりと立てて固定しましょう。
支柱を立てたらツル用のネットを設置します。ご家庭の手すりや柵を利用しても構いません。
苗を真上から見た際に、ツルが数字の8の字を描くようにツルを誘引します。ネットとツルを交差させ、間に丸い空間ができるようにしましょう。
ツルはどんどん成長し、すぐに子ヅルや孫ヅルが伸びてきます。子ヅルや孫ヅルをV字に伸ばしていくと、後々の管理がしやすいですよ。
摘心(てきしん)について
ゴーヤは基本的に細かな世話は必要ありませんが、更なる収穫のため摘心(茎を途中で摘み取ること)を行いましょう。
ゴーヤは親ヅルよりも、子ヅルや孫ヅルに実が多くつきやすいです。親ヅルの本葉が6~7枚になったら先端の芽を摘み取って、子ヅルを伸ばしていきましょう。
緑のカーテンを作るには
緑のカーテンを簡単に作りたい時は、市販の緑のカーテン用の支柱を活用しましょう。
実を多く収穫するよりもカーテンを立派にしたい場合、摘心は行わなくて結構です。ゴーヤをのびのび自由に育てると良いですよ。
ゴーヤの収穫
ゴーヤは、花が咲いてから20日前後で収穫が可能です。以下の様子が見られたら、ヘタの部分をハサミで切りとって収穫しましょう。
- つややかな緑色
- イボの盛り上がりが目立つ
- 大人の手首くらいの太さ
収穫時間は午前中がおすすめです。甘みのある新鮮な実が収穫できるうえ、ハサミで切りとった部分が日光消毒できますよ。
時期を逃すと、1日で熟れて黄色くなったり、実が破裂してしまいます。ゴーヤは若採りするくらいが調度いいです。
黄色いゴーヤはジャムのようにトロっと甘くて美味しいのですが、完熟した実を残しておくと株が弱ってしまうため注意が必要です。
7~9月頃まで収穫が楽しめるため、沢山できた場合はスライスして天日乾燥したり、ワタを取り軽くゆでて冷凍保存しましょう。
受粉について
ゴーヤは同じ株に黄色く可愛らしい雄花と雌花が咲き、自然に受粉をして実をつけます。しかし、マンションなど、なかなか虫(ミツバチなど)がやってこない環境で育成中の場合は、実付きが悪い事も…。
このような時は、人工授粉に挑戦してみましょう。ゴーヤの雌花の花粉を、雄花(小さなゴーヤの先についた花)に、こすりつけてみてください。
雄花は、できるだけその日の朝に咲いた新鮮なものにしましょう。晴れた日の午前中に行うと更に効果的です。
素朴な疑問Q&A
下膨れの実が多く育ちます
これは受粉が上手くいっておらず、低温・乾燥が目立つ際によく見られる症状です。雌花が咲いたら丁寧に水やりをし、様子を見ます。人工授粉も試してみると良いでしょう。
曲がったゴーヤが目立ちます
栄養、または水分不足が原因です。こんな時は石灰を1株あたりに半つまみまいてください。曲がったゴーヤは見られなくなるでしょう。
連作はできますか
4~5年は連作が可能です。ゴーヤは、連作障害を受けにくい野菜だと言われています。
ゴーヤ栽培のまとめ
ゴーヤの栽培方法や摘心、ネットの張り方などについてご紹介しましたが、皆さんいかがでしたか?
ゴーヤは栄養豊富で、緑のカーテンにもなる万能野菜だということが分かりました。快適なガーデンライフを送りながら、自家製ゴーヤをもりもり食べましょう!