家庭菜園・野菜の栽培

室内でも簡単!ベビーリーフの栽培・育て方のコツ(失敗例と対処法など)

葉野菜の赤ちゃんベビーリーフはサラダや料理の彩りに活躍してくれます。ただスーパーなどで購入したものは、すぐに食べないとしんなりしてしまうんですよね。

自宅で栽培すれば使いたい時に使う分だけを摘み取って、1番おいしい状態でいただけるはず。ベビーリーフは買うよりも育てるのがおすすめです。

ベビーリーフの栽培は短期間で簡単ですから、初心者でも難しいことはありません。日当たりの良いキッチンやベランダの一角、もちろん庭の菜園でも育ちますよ。

この記事ではベビーリーフの栽培方法を失敗例なども交えて詳しくご紹介します。

ベビーリーフの栽培時期


ベビーリーフは草丈10cmほどで収穫できますから、株を大きく育てる必要がなく時間や手間も掛かりません。

栽培期間は暖かい室内なら1か月もかからないでしょう。地植えするなら春か秋、遅くても2か月ほどで収穫できます。

温度管理がしやすい室内なら真冬以外いつでも栽培できます。時期を待たずに始めたいと思ったタイミングでスタートできるのは嬉しいですね。

ベビーリーフの栽培環境

室内でも地植えでも栽培できるベビーリーフはどんな環境が適しているのでしょうか?植物の成長に欠かせない日当たりと土質をまとめてみましょう。

日当たり

ベビーリーフは日光を好みます。生育に適した温度は15~20℃ですから暑すぎず寒すぎない場所が理想です。

戸外で栽培するなら真夏と真冬をさけた半日陰、室内なら日当たりの良い窓辺が最適です。

土質

プランターや鉢植えで育てるなら、野菜用の培養土で問題ありません。地植えする場合は種まきの2週間ほど前に苦土石灰(くどせっかい)をまき、土質をアルカリ性に傾けます。

その1週間後に堆肥と元肥(化成肥料など)を土に混ぜよく耕しておきましょう。

苦土石灰とは

苦土石灰はアルカリ性の肥料です。雨が多い日本の土地は酸性質で、多くの野菜が育ちにくい土質です。苦土石灰を馴染ませておくと中和され、土からの栄養を吸収しやすくなり収穫量も上がります。

種の選び方

ベビーリーフの種はホームセンターや園芸店で購入できます。いろいろな葉野菜の種がミックスされていますので、購入前によく確認しましょう。

種選びのポイントは種袋の裏に書かれている「○○科」の文字。科目によって種の特性が違い、異なる特性の種がミックスされることはありません。

アブラナ科 小松菜・からし菜・水菜・ルッコラなど
ヒユ科 ほうれん草・スイスチャード・ビートなど
キク科 レタス類

アブラナ科とヒユ科は嫌光性種子(けんこうせいしゅし:発芽時に光を嫌う性質)で、反対にキク科は好光性種子(こうこうせいしゅし:光を受けて発芽が促進される)になります。

特性によって発芽までの生育環境が変わりますから、一緒に育てたい場合は種のまき方に注意し、室内ならプランターや鉢を分けて栽培しましょう。

また家庭菜園に使った葉野菜の種が余っていれば、そのままベビーリーフ栽培に活用できますよ。

キッチンなど室内で栽培する方法

安定した温度が保て、窓越しに日差しが入る場所があれば室内でも十分に育ちます。キッチンに置けばすぐに料理にも使えますね。

小スペースでも発芽から収穫まで楽しめ、日々の癒しになりますよ。

用意するもの

  • ベビーリーフの種
  • プランターまたは適当な大きさの鉢
  • 受け皿
  • 野菜用培養土(または赤玉土6:腐葉土4の割合で混ぜた土)

プランターもわざわざ購入する必要はありません。10cm以上の深さがあり、水が抜ける穴があれば食品トレイや空き缶なども活用できますよ。

育て方

種と容器と土が用意出来たらすぐにでも栽培が始められます。栽培の手順に沿ってご紹介しましょう。

種まき 小さな種は粒単位ではまきづらいですから、重ならないように十数粒をパラパラとばらまくようにまきます。その後土を被せましょう。
発芽までの管理 嫌光性種子の場合は土を1cmほど被せ日陰で発芽を待ちます。発芽後は日光に当て緑化させ栄養を蓄えます。好光性種子は種が飛ばない程度に薄く土を被せ、日当たりの良い場所で栽培しましょう。
水やり 種まき後は種が流れないように優しく水を与えます。発芽するまでは土が乾かないように水やりを続け、発芽後は土が乾いたらたっぷり水をあげましょう。
追肥 栽培期間が1か月かからないほど短いため基本的に追肥の必要はありません。生育状態が悪い場合は液体肥料を与えます
間引き 葉が茂り密集してきたら、外側の葉を根元付近で摘み取りましょう。間引き菜も食べられます。
収穫 葉が小さな内は柔らかいですが、大きくなると苦みが出るものも。外葉から間引きつつ収穫しましょう。

地植えして栽培する方法


ベビーリーフは庭の空きスペースや菜園に直接種をまいて栽培できます。

地植えする場合は土に深さ5㎜~1cm程のすじをつけ、そこに種をまく「すじまき」という方法で種まきをします。種の特性によって深さを調節(嫌光性種子は深く)しましょう。

すじは10~15㎝ほど間隔をあけて作ります。発芽するまでは土が乾燥しないように水やりをする必要がありますが、芽が出た後は基本的には天気任せで問題ありません。

ただし土がカラカラに乾燥している場合はしっかり水やりをしましょう。直射日光が強い場合は葉が萎えてしまうこともあります。

真夏は日除けネットなどで対策すると安心です。

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栽培キットも手軽で便利


必要なものが全てセットになっている栽培キットも便利です。容器に肥料入りの土を入れ、種をまいたらすぐに栽培がスタートします。

コンパクトな大きさでキッチンなどに置くのもピッタリ。おしゃれな容器はインテリア性も高めてくれます。

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収穫時の注意


ベビーリーフを収穫する時、根元から引き抜くと株が根ごと採れてしまいます。株ごと収穫してもおいしく食べられますが、できれば根も含む株元は残して葉だけを収穫しましょう

ベビーリーフは根と茎が残っていればまた新芽が伸び、長く収穫が楽しめます。途中、葉に勢いが無くなった場合には液肥を与えると生育が回復します。

室内栽培なら冬でも育つ


基本的には真冬の栽培は難しいですが、室内で栽培するなら季節関係なく育ちます。ベビーリーフの栽培温度は15~20℃、発芽適温は20℃前後ですから夜間寒さをしのげる場所に移動できるプランターや鉢植えなら栽培できます。

室内で育てるポイントは日当たりと風通しです。明るい窓辺で時々自然の風を通して蒸れ予防をしましょう。

水耕栽培もおすすめ

冬場に室内で栽培するなら、水耕栽培もおすすめです。水耕栽培なら土を使いませんから、キッチンにおいても衛生的ですね。

土の代わりに使うのはスポンジです。適当な容器に切り込みを付けたスポンジを入れ、液肥を混ぜた水に浸します。

土に種をまくのと同様に種が重ならないように十数粒をパラパラとまき、水替えをしながら1週間もすれば発芽します。

芽が出たら液肥を混ぜた水を与え、真冬でも2か月育てれば収穫できるまでになるでしょう。水耕栽培用のキットも市販されていますよ。

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ベビーリーフ栽培の失敗例と対処法


初心者でも簡単に栽培できるベビーリーフですが、途中予期せぬトラブルに見舞われることもあります。ベビーリーフ栽培によくある失敗例とその対処法をご紹介しましょう。

大きくならない

ベビーリーフが発芽後、生育が進まない場合は置き場所や温度などを意識してみましょう。

日当たりも良く昼夜の差なく暖かい場所で栽培している場合は、発芽後の栄養が足りないのかもしれません。液肥を水で薄めて与えてみましょう。

種をまき過ぎて株が混みあっている可能性もありますから、軽く間引いて様子を見るのも対処法になります。

枯れた時

ベビーリーフがある程度まで育ったところで、収穫前に葉が黄色く変色したり枯れてしまったりした場合は、風通しの悪さが影響しているかもしれません。外葉を間引きながら収穫し、蒸れないようにお手入れしましょう。

また土(水耕栽培の場合は水)にカビなどの雑菌が繁殖している可能性もあります。株元や根にカビが繁殖している場合は再生できません。

通気性の良い場所でもう一度チャレンジしましょう。水耕栽培の場合はこまめな水替えが大切です。

病害虫

ベビーリーフは栽培期間が短いため、ほぼ病害虫の被害には遭いません。ただ地植えやプランターでもベランダなど戸外で栽培している場合は、アブラムシやハダニなどが寄り付きやすいですから注意が必要です。

特に夏場は虫の活動も活発になります。防虫ネットなどで対策するか、虫を発見したらすぐに駆除しましょう。

ベビーリーフの栽培・育て方のまとめ


小さなグリーンの葉は食べるだけでなく見た目にも癒しになりますね。普段の料理にも彩りを添えて、グッとおしゃれなプレートに仕上がります。

ベビーリーフは短期間で育ち場所も取りませんから、野菜の栽培に詳しくなくても大丈夫。種のまき過ぎには注意が必要ですが、発芽したばかりの芽も間引いて食べられます。

カイワレ大根のようにサラダやお浸しにすれば、それぞれの野菜の味がしっかり感じられますよ。収穫のタイミングで味も違いますから、いろいろな葉野菜の味を楽しみましょう。