家庭菜園・野菜の栽培

【初心者】わけぎの栽培・育て方(注意点や管理方法など)

わけぎは、ネギ・玉ねぎ・エシャロットの交雑種で、主に薬味として用いられます。ネギより辛味が強くなく、熱を通すと甘みが増して美味しく食べられるのが魅力です。

わけぎはスーパーなどで購入するのが一般的ですが、実は自宅で栽培することができます。新鮮な味や香りを楽しむなら、自分で育てるのが一番です。

この記事では、わけぎの栽培方法について詳しく解説します。

わけぎの特徴と栽培スケジュール

わけぎはヒガンバナ科ネギ属の植物です。ネギと比べて育てやすく、秋に球根を植え付けておけば、放置しても勝手に成長するので初心者におすすめです。

わけぎは鱗茎から増える野菜で、株分けで増殖することからその名がついています。根には拮抗微生物がおり、土の病気を防ぐことができるため、ウリやナスと一緒に植えられます。

科名属名 ヒガンバナ科ネギ属
草丈・樹高 25~30㎝
耐寒性/耐暑性 やや強い/やや強い
生育適温 15~20℃
特性 日当たりの良い、風通しの良い環境を好む

収穫時期はいつ?わけぎの栽培スケジュール

わけぎは夏から秋に植え付けを行います。初夏に植え付を済ませておけば、年内には収穫できます。

収穫は3~4月、9~12月の年2回です。

わけぎの栽培に必要なもの

わけぎの栽培方法のご紹介に先立ち、まずはわけぎの栽培に必要なものをご紹介します。選び方から注意が必要な物もあるので、チェックしておきましょう。

種球

わけぎの種球が夏の初めごろからホームセンターなどに出回るようになります。選ぶ際には、小さいものや枯れているもの、害虫が付いているものを避け、大きくてハリのあるものを選ぶようにしましょう。

プランター

わけぎは畑など、広い土地を利用して栽培するのが一般的ですが、プランターで栽培することも可能です。

わけぎを植える際には、株間が15㎝ほど空いているのが望ましいため、複数植える場合は40㎝~60㎝ほどのものを用意すると良いでしょう。

植え付けの3週間前には苦土石灰を敷き、1週間前には堆肥と化成肥料を混ぜて耕します。また、プランターの場合は野菜用の培養土で育てられます。

これらはすべて、ホームセンターで購入できます。

わけぎの育て方

それでは、わけぎの育て方を、植え付けから収穫まで順を追ってご紹介します。

植え付け

植え付けの時期は7~10月の間です。株間を15cmほど空け、種球を1球ずつ分けて植えていきましょう。このとき、尖ったほうが下にならないように気をつけてください。

植える深さは、土の表面に先端がやや見える程度を目安にしてください。

水やり

水やりは土の表面が乾いたら、たっぷりとおこなうようにしましょう。わけぎは乾燥が続くと育ちが悪くなってしまうので、注意が必要です。

肥料

草丈が10㎝くらいになったら、肥料を与え始めましょう。肥料を与えるのは2週間に1度を目安にし、あげすぎないように注意しましょう。

収穫

草丈が20㎝~30㎝ほどになったら、収穫しましょう。わけぎの収穫時期は、春と秋の2回です。

また、球根を取る場合は、葉の部分を残して鱗茎を肥大させた後に掘り起こし、風通しの良いところで保管します。

掘り起こしの時期は5~6月で、葉が倒れて枯れたのを目安におこないます。

わけぎは再生させることができる

わけぎは再生させて、また育てることができます。収穫の際、地面から3㎝ほど残し、葉だけを切り取ります。

すると、切り取ったところからまた葉が生えてくるので、再び収穫することができます。ただし、だんだんと葉が細くなってしまうので、2回が限度です。

わけぎは植えっぱなしでも大丈夫?

わけぎは植えっぱなしにしておくと、病気や害虫の被害に遭いやすくなります。そのため、植えっぱなしにしておくのは良くありません。

そのため、次の年以降もわけぎの栽培をおこなう場合は、5~6月の間に一度掘り起こし、植え付けの時期に植えなおすようにしましょう。

わけぎに発生しやすい病気について

ここでは、わけぎに発生しやすい病気や、その予防策・対応策についてご紹介します。

黒斑病

葉の表面に赤みのある斑点が発生します。次第に黒くなり、斑点が大きくなると、下葉から枯れていってしまいます。

黒斑病の病原はカビの一種で、雨が多く高温多湿になると発生しやすくなるという特徴を持っています。

黒斑病は水はけや風通しを良くすることで防ぐことができます。また。被害が出た場合は摘み取って焼却しましょう。

さび病

葉の表面にオレンジ色をした斑点が複数できます。表面が破れると胞子が飛び散り、それらが葉を覆ってしまうと枯死してしまいます。

さび病も黒斑病と同じく病原体はカビの一種です。低温で雨が長く続くと発生しやすくなります。

さび病は株が弱くなると発生しやすくなってしまうので、肥料を適量与えることで予防できます。

もし、さび病になってしまったら適宜取り除いて処分しましょう。また、アルカリ性に弱いので、石灰を撒くことで被害を最小限に食い止められます。

わけぎに発生しやすい害虫について

続いて、わけぎに発生しやすい害虫と、その予防策・対応策をご紹介します。

アザミウマ

アザミウマは体長が1~2㎜ほどの羽虫の一種で、集団で葉に含まれる蜜を吸います。被害に遭うと色が抜け、ひどい場合は蔓延して枯れてしまいます。7~9月に発生する傾向にあります。

アザミウマは雑草をこまめに取り除いていくことで予防できます。また、反射光を嫌うので、すずめ除けのテープを巻いておくのも効果的です。

アブラムシ

アブラムシの体長は2~4㎜ほどで、色は赤や緑などさまざまです。植物に含まれる蜜を吸い、成長を阻害します。アブラムシはウイルスを媒介するので、他の病気の原因を作ってしまうこともあります。

アブラムシは窒素を好むため、窒素肥料のやりすぎに注意しましょう。また、見つけたら数が多くなる前に取り除くことが大切です。

こんな時はどうする?

どんな植物もそうですが、栽培の過程でどうしても上手くいかなくなってしまうことがあります。この項目では、わけぎの栽培にあたって起こる問題を2つご紹介し、その対処法をご紹介します。

わけぎが大きくならない

わけぎは丈夫かつ育てやすいので、家庭菜園初心者の方におすすめの植物です。しかし、思ったより大きくならないことがあります。

わけぎの植え付け時期は7~10月ですが、10月下旬など、植え付けが遅くなってしまうと思ったように大きくならないことがあります。

また、ナスやトマトなど、ナス科の植物を育てた後の土を使うと生育が良くならないので避けましょう。荒い堆肥や未熟な堆肥を用いるのも良くありません。

わけぎが倒れてしまう

植物に与える肥料は、チッソ・リン酸・カリの3つが主成分になっています。このうち、カリが不足してしまうと、太く育たず倒れやすくなってしまいます。

わけぎが大きくならず、自立しないという方は、今一度与えている肥料や含まれている成分を見直してみましょう。

初心者の方には20日わけぎもおすすめ

20日わけぎとは、名前の通り植え付けから20日ほどで収穫できるわけぎのことで、インスタントネギと呼ばれることもあります。

通常のわけぎよりも植え付け~収穫の期間が短く、手軽に始められてサッと収穫できます。家庭菜園が全くの初めてという方は、20日わけぎの栽培から始めてみるのも良いでしょう。

収穫したわけぎを食べてみる

わけぎは酢味噌で和えたり、おひたしにしたりと、さまざまな楽しみ方ができます。また、ねぎよりも風味が穏やかで、ねぎの代わりとして薬味に用いるのも良いでしょう。

スーパーで買うよりも、収穫したての方が味も風味も豊かなので、収穫したら、ぜひ食べてみてください。

わけぎ栽培のまとめ

いかがでしょうか。

わけぎの栽培は病気や害虫に注意が必要ではありますが、丈夫で育てやすく、家庭菜園初心者の方にもおすすめです。誰でも簡単に収穫することができます。

また、手軽に家庭菜園を楽しみたいという方には20日わけぎの栽培がおすすめです。20日わけぎで感じを掴んだら、普通のわけぎや他のモノにチャレンジしてみるのも良いでしょう。

ぜひこの記事を参考に、わけぎの栽培に挑戦してみてください。

この記事のおさらいポイント
  • わけぎは丈夫で育てやすく、初心者の方にもおすすめ
  • 植え付けは7~9月、収穫は春と秋の2回
  • 種球は大きくてハリのあるものを選ぶようにする
  • わけぎは再生させられるが、葉が細くなるので、2回が限度
  • わけぎよりも期間が短い20日わけぎというものもある