家庭菜園・果物の栽培

【初心者】マンゴーの栽培・育て方のコツ(剪定や病害虫など)

マンゴーは甘い香りと濃厚な甘み、とろりとした食感がたまらない人気の南国果実です。本来は高さ約20m以上にもなりますが、鉢植えにし苗木を利用すると約1mの高さで育成が可能です。

今回は初心者でもできるマンゴー栽培の方法や育て方のコツ、剪定方法や病害虫についてご紹介します。

マンゴーについて

マンゴーは古くからインドを中心に栽培されてきた、ウルシ科マンゴー属の常緑樹です。現在日本で流通しているマンゴーの多くは、メキシコやフィリピンなどで栽培されています。

日本での主な生産地は沖縄県や宮崎県などです。マンゴーにはビタミンCやカリウム、βカロテンなどが豊富に含まれています。

またマンゴーはウルシ科の植物なので、ウルシオールという成分が含まれており、人によっては痒みやかぶれが出たりすることもあるため、注意が必要です。

とは言え、マンゴーの濃厚な甘みや香りは非常に美味しく“果物の王様”と呼ばれるほど人気の高いフルーツです。

皮をむきカットしてそのまま食べたり、マンゴープリンやアイスクリーム、スムージーなどデザートにして楽しむことができます。

マンゴーの種類

ペリカンマンゴーやフィリピンマンゴーでよく知られているカラバオ種や、タイから輸入されている少々赤みを帯びたマンゴー、マハチャノ種。

同じくタイから輸入されている黄色いマンゴー(ゴールデンマンゴー)のナンドクマイ種や、完熟マンゴーで知られるアーウィン種などがあります。

この他にもアップルマンゴーの一種であるヘイデン種や、ケンジントン・プライド種など、マンゴーには実に何千種類もの品種があると言われています。

発芽温度は?ベランダでも栽培OK?マンゴーの栽培方法

マンゴーは寒さに弱い性質なので、日当たりの良い場所を好みます。また、マンゴーは熱帯原産の果樹のため霜を嫌います。

寒い地域では鉢植えにして冬の間は室内に入れておくなどし、霜に当たらせないようにしてください。

マンゴーは鉢植えにしてベランダ栽培もできますし、菜園での露地栽培ももちろん可能です。

発芽温度は20℃以上ですので、種まきは4月上旬~7月が適しています。マンゴーは、スーパーで購入した果実の種からの栽培が可能です。

種が成長して花が咲き、実をつけるまでには約7~9年かかります。もっと早く収穫を楽しみたい方や初心者の方には、園芸店で接ぎ木苗を購入することをおすすめします。

接ぎ木苗からでしたら大きいもので翌年から、基本的には2年目以降から収穫が可能になります。

マンゴーの土作りと準備物

鉢植え栽培の場合は、10号以上の鉢を準備します。土は果樹用の培養土を利用すると簡単です。

果樹用培養土を使わない場合は、赤玉土と鹿沼土(水はけや水持ちに優れた白色の軽石)、腐葉土とパーライト(ガラス質の火山岩を蒸発して作ったもの)を、3:3:3:1の割合で混ぜた土を使用します。

露地栽培の場合は、日当たりと風通しが良い場所を選びます。苗木が大きくなることも考えて、少し広々とした場所に植え付けると良いでしょう。

植え付ける場所には、苗木より二回り大きい穴をシャベルで掘っておきます。掘り上げた土に腐葉土と堆肥(土壌改良資材)を2割ほど混ぜ、また穴に埋め戻してください。

マンゴーの植え付け

種まきの場合

マンゴーは一般的に苗木から育てますが、のんびりと気長に育てたい方は種からでも育てられます。

6月~7月に果実を食べたその日のうちに、実の中にある種を利用して種まきをしてください。鉢植えの方が管理がしやすいでしょう。

繊維質に覆われたマンゴーの硬い殻の中に種が入っているので、ハサミなどを使用しながら、中に入っている種を傷つけないよう注意して取り出してください。

準備していた鉢に、取り出した種を用土の半分くらいの高さまで埋めます。その後は、用土が乾燥しないように水やりをしながら管理します。うまくいけば約1週間で種が発芽します。

苗からの場合

苗の植え付け適期は3月~5月頃が一般的ですが、梅雨入り前の6月上旬でも大丈夫です。鉢植えは、10号以上の鉢に1株を目安に植え付けます。

苗木の根が埋まるくらいに土を盛り、水を与えて、日当たりと風通しの良い場所で管理します。露地栽培の場合はあらかじめ準備をしていた場所に穴を掘り、苗木をそっと穴に埋めます。

苗木の周りに土を盛るようにして埋め戻したら、苗木の隣に支柱を立てておきましょう。こうすると苗木が倒れることもないので安心です。

水やりについて

露地栽培の場合、地中に蓄えられている水分や雨水もあるため、基本的に水やりを行いません。あまりにも土が乾燥している時のみ、水やりをするくらいでOKです。

鉢植え栽培の場合は、マンゴーの育成が盛んな3月~10月の間は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えるようにします。

11月~3月の冬季は、花や芽を作らせる花芽分化を促すため、土をやや乾燥気味にして育てましょう。

追肥について

追肥は年に3回行います。3月・5月・8月に、固形化成肥料(比較的長く肥料効果が持続する)を株元に施します。果実収穫後は木の勢力を回復させるため、お礼肥を与えましょう。

剪定と仕立て方

マンゴーは剪定を行いながら育てます。最も基本的な形である、主幹形仕立て(自然に伸びる性質を生かしてピラミッド方にする形)にします。

8月~9月に、主幹(中心にある木の幹)を40~50cmの高さで水平にカットし、そこから直接枝分かれして出てきた主枝を伸ばしていきます。

主枝が伸びたら20~30cmの長さでカットして、亜主枝(あしゅし…主枝から分岐した枝)を発生させましょう。

翌年からは、無駄に伸びて徒長した枝や、込み入った場所を剪定し、マンゴーにとって育成の良い環境を整えてあげてください。

摘果について

マンゴーは、しっかりした良い果実を収穫するために摘果を行います。摘果とは、果実の間引きのことです。

苗木に小さな実が付き始めたら、7月までに人房に対して3~5個育成の良い果実を残して、残りは摘果します。

授粉について

マンゴーは昆虫によって受粉しますので、開花中は屋外に置いておきましょう。開花中に雨に当たると花粉が流れてしまうので、軒下などに避難させます。

実がつきにくいなと感じたら、花がついた穂の全体を清潔な筆で軽く触ったり、穂を軽くゆすってみてください。こうすると花粉が飛んで受粉しますよ。

マンゴーを収穫しよう

花が咲いてから約3~4ヶ月後、果実の色が緑色→黄色・赤色になってきたら収穫の合図です。マンゴーは熟すと実が自然に落下します。

前もって果物ネットをかけておくなどし、落下による傷みを防ぎましょう。皮表面に光沢が出て、果実を触ってみて柔らかければ食べごろですよ。

素朴な疑問Q&A

水耕栽培はできますか

食べた果実の種を使っての水耕栽培が可能です。透明のビンに水を入れ、種が半分くらい浸かるようにします。

水が減れば補充を行いながら、管理してください。種が白色→緑色に変化し発芽しますので、ある程度大きくなったら土に植え替えてくださいね。

病害虫はつきますか

マンゴーは炭疽病にかかることがあります。炭疽病にかかると葉や果実に黒や灰色のカビの斑点がつき、育成が衰えます。

早期発見がマンゴーを守るカギになりますので、見つけ次第取り除いてゴミに出したり、土中に埋めましょう。

対策として普段から込み入った枝は剪定をするなどし、風通しの良い環境を作ってあげることがポイントです。

またマンゴーは、カイガラムシやハダニがつくことがあります。これらは室内でも発生し、葉から栄養を吸収して株を弱らせます。カイガラムシは見つけ次第、割りばしなどでこそぐように落として駆除しましょう。

ハダニは水に弱いため、葉の裏に散水して落とします。それでも難しい場合は、市販のハダニ専門薬で退治してください。

植え替え方法を教えてください

マンゴーは育成が旺盛な植物なので、1~2年に1回の割合で、苗木より一回り大きな鉢に植え替えをします。

植え替えを行う際には、根についた土を落とさないように注意してください。また、根に傷がつくと回復するまでに時間がかかってしまうので気を付けましょう。

マンゴー栽培のまとめ

マンゴー栽培の方法や育て方のコツ、剪定方法や病害虫についてご紹介しましたが、皆さんいかがでしたか?

マンゴーは日当たりと風通しの良い場所で、剪定をしながら育てることがポイントでしたね。

寒冷地で育てる場合は鉢植えにし、霜から守って育てましょう。果物の王様・絶品マンゴーをぜひご家庭でも栽培してみてくださいね。