土作りは美味しい野菜を栽培するのに一番重要です。
ホームセンターや園芸店で売っている野菜用の土はたくさんありすぎて迷うことありませんか?土のことがわかれば収穫量アップにもつながります。
専門用語など、少し難しい言葉も出てきますが一つずつ解説していきますので、覚えて美味しい野菜作りの参考にしましょう!
初心者向け家庭菜園の基本の土作り
野菜作りに取って『良い土』の条件は3つあります。
- 排水性(水はけがいいこと)
- 保水性 (水持ちが良いこと)
- 通気性(空気の通りがいいこと)
この3つは必須条件になります。
水はけが悪いと根から腐ってしまいますし、水持ちが悪いとすぐに土が乾いてしまいますし、空気の通りが悪いと酸素が行きわたりません。
水はけがよく、水持ちがよいというのは一見矛盾しているように見えますが、とても大事なことなのです。
これらの条件を満たした土は、ふかふかとしてやわらかいのが特徴です。
ほかに野菜を育てる土で大事なことは土の酸度です。多くの野菜は酸性の土を嫌い、中性~弱酸性を好みます。後ほど詳しく書いていますので、しっかりとおさえておきましょう。
市販培養土と自家製培養土の比較
培養土とはブレンドされた土のことです。ホームセンターや園芸店などで「野菜の土」「オリジナル培養土」などよく目にします。
家庭菜園の基礎とも言える大事な土なので、わかりやすいように解析してみました!
市販の培養土はそのまま植え付けできる
市販の培養土は購入したらそのままプランターに入れるだけです。
培養土の中身は、赤玉土・黒土・堆肥・ピートモス・バーミキュライトなどが主体で、そこに肥料や炭などが加わっています。
メーカーごとにいろいろな種類の培養土があり、ホームセンターや園芸店に行くと十数種類の培養土が売られているので、どれを買うか迷うこともあります。
慣れないうちは「じゃがいも用の培養土」「トマト用の培養土」などと書かれた専用のものを買うか、手ごろな値段の「野菜用培養土」と書かれたものを選べばOKです。
ただ、あまりにも安い場合は肥料がはいっていなかったり、粗悪な土で野菜がうまく育たなくなったりするので、14L 300円以上のものを選ぶようにしましょう。
メリット
購入後すぐプランターに入れ、植え付け可能です。簡単に栽培ができるので初心者向きです。ホームセンターや園芸店で比較的安価で手に入ります。ゴボウやジャガイモなどは袋のまま栽培できたりもします。
デメリット
特にデメリットはありませんが、しいて言うなら化成肥料が混ぜられているので、有機栽培、オーガニック栽培がしたい方には向きません。
自家製の培養土はアレンジ可能
オリジナル培養土は完全にオーガニックな栽培をしたい方や野菜によってブレンド比率を変えたりしたい方向きです。
上級者向きで難しそう・・・と思いますが、基本的には材料を混ぜるだけなので、誰でも簡単に作ることができるんです!
メリット
自分好みの培養土を作ることができます。天然素材の原料を選べば完全な有機栽培、オーガニック栽培ができます。
デメリット
いろいろな土や肥料、堆肥などを組み合わせるのでコストもかかります。そして、余った土を保管するスペースが必要になってきます。
簡単なオリジナル培養土作り方
ブレンドに使う土の種類を紹介します。
赤玉土・・・関東平野に広がる火山灰が降りつもって出来た土壌、関東ローム層の赤土から作られています。赤土を乾燥させてから振るいにかけて、粒の大きさごとに分けたものが赤玉土です。
20L入りのもので1000円前後で販売されています。
保水性、排水性に優れいているのでブレンドするのに赤玉土を主に使います。大きさが大粒・中粒・小粒・細粒がありますが、小粒が一番使いやすいです。
腐葉土・・・葉っぱが時間をかけて腐敗したものです。腐葉土は土の中の微生物を増やし、土をふっくらとやわらかくさせて、保水性や通気性を高める効果があります。
18L入り800円前後のものを使うといいでしょう。あまり安いときちんと発酵できでいなかったり、粗悪品の可能性もあります。
バーミキュライト・・・酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムを主成分とする鉱物です。ひる石を原料とし、700度以上の高温で焼き、膨張させて作られます。
土にブレンドしても肥料成分としてはほぼないので、土を軽くしたり、保水性と排水性を良くしたりするのに使います。ホームセンターで5L入り200~300円程度で販売されています。
黒土・・・黒色がかった火山灰土のことです。一般的に畑用の土として親しまれ、ふかふかなことから根菜などを変形させずに育てられる特徴があります。
ホームセンターで14L入り1000円前後で販売されています。
さまざまなブレンドがありますが、初心者にもわかりやすい基本のブレンドはこんな感じです。
基本のブレンド 赤玉土6:腐葉土4
水はけのよいブレンド 赤玉土5:腐葉土5
葉物野向きブレンド 赤玉土5:腐葉土4:バーミキュライト1
根物野菜向きブレンド 赤玉土5:腐葉土4:黒土1
これはほんの一例なので、参考にして自分好みにオリジナル培養土を作ってみましょう。
さらにこれに、肥料や石灰や堆肥などをブレンドしていきます。下に詳しく書いていますので何を入れればいいか確認しましょう。
土作りに欠かせない堆肥・石灰・肥料の役割
堆肥の役割は土をふかふかにすること
堆肥とは、家畜の糞や落ち葉、木の皮などの有機物を微生物の力で分解・発酵させて作る、土壌改良のための資材です。堆肥の中には肥料分も含まれているものもありますが、基本的には植物に直接栄養分をあたえるものではなく、土をふかふかにする働きがあります。
堆肥を混ぜると土の中の微生物が増え、活発に動くようになります。この動きによって土がふかふかになり、水や空気の通り道ができます。
堆肥には牛ふん・鶏ふん・馬ふんなどの動物性堆肥や落ち葉・バーク・もみがらなどの植物性堆肥があります。
石灰の役割は野菜好みのアルカリ性の土にすること
土は酸性~中性~アルカリ性と異なる性質をもちます。野菜によって適した酸度は違いますが、ほとんどの野菜はアルカリ性の土を好むとされています。
そのため、土を中性~アルカリ性に傾けておく必要があります。そのために使われるのが石灰です。
石灰をプランター一つあたり10グラム程度(ひとつかみ)入れます。
アルカリ成分が強い石灰はすぐに野菜を植え付けてしまうと根を痛ませてしまいます。なので野菜の植えつける一週間前までに混ぜておきます。
肥料の役割は野菜の成長を助けること
プランターでの野菜栽培は肥料を欠かすことはできません。肥料には野菜の生育に不足しがちなチッ素、リン酸、カリの3つが主成分になります。
その3つを補うには化学肥料か有機肥料を使います。
化学肥料・・・鉱物などの無機質から抽出した成分を化学合成して作られた肥料です。1つの成分だけを含んだ単肥肥料と3つ全ての成分を配合した複合化成肥料、液体肥料などがあります。どれも速く効くので追肥に向いています。
有機質肥料・・・鶏ふんや牛ふん、骨粉、油粕、草木灰などを原料にして作られた肥料です。効き目はゆっくりですが長持ちするので元肥に使うのが一般的です。
チッ素・・・葉や茎を育てる肥料です。野菜を大きく成長させることに必要不可欠な栄養素なので不足すると作物が生育不足になり、元気が無くなります。
リン酸・・・実や花を育てる肥料です。野菜の実の成長と収穫量を助ける役割があり、不足すると光合成や細胞分裂にも影響するため、成長が止まってしますことがあります。
カリ・・・根を育てる肥料です。野菜の酵素の働きを助けて病気・害虫や寒暖などの不良環境に対する抵抗性を強めます。
家庭菜園土作りのまとめ
土作りの大事さはわかりましたか?
一言に野菜作りの土と言っても中身には「土」「堆肥」「肥料」などさまざまなものが含まれています。このどれか一つでも不足すると美味しい野菜作りはできません。
まず慣れるまでは市販の培養土を使うことをおすすめします。しかし、やっぱり自分で栽培するならブレンドをした方が断然楽しくなるので、少し慣れてきたらブレンドしてみてくださいね!