病気

ヨトウムシの被害と対策の仕方

夜間に作物にやってきて葉や茎などを食害していくことから名づけられた「ヨトウムシ」

ある日突然、畑の作物が虫に食われて穴だらけになっているなんて経験はありませんか?それはもしかしたらヨトウムシの仕業かもしれません。

集団で野菜の葉を食害してしまうので家庭菜園をやっている方にとってはかなり厄介な存在ですよね。

今回はヨトウムシの生態から被害の特徴対策や予防方法などを詳しく解説していきます。

ヨトウムシの基本情報

ここではヨトウムシの生態や好む野菜の種類などを説明していきたいと思います。

まずはヨトウムシについて知ることが被害を拡大させないために重要です。

ヨトウムシの種類

ヨトウムシ類の中には、ヨトウガハスモンヨトウシロイチモジヨトウ3種類存在しています。

見た目や生態は若干異なるところもありますが、どの地域でもこの3種類の蛾のことをまとめてヨトウムシと呼んでいます。

ヨトウムシの生態は?

ヨトウムシの成虫は種類により1000~3000粒ほどの卵を数回に分けて野菜の葉裏などに産み付けます。

卵の大きさは0.5~0.6㎜ほどの大きさで、色は黒色や淡い黄色でまんじゅうのような形をしているのが特徴。

幼虫

若齢幼虫は3種類ともに淡い緑色で、中齢幼虫以降では褐色や黒色などに変化し、体長は30~50㎜にもなります。

幼虫が多発する期間は8月から10月が一番多く、昼間は株元や雑草の中に潜み、夜間に野菜などの葉を食害し成長していくのが特徴です。

ヨトウムシの蛹は夏と冬の間は土の中で過ごし、春と秋に羽化します。

成虫

ヨトウムシの成虫は種類により12~20mmの大きさで、春と秋に野菜などに飛来し大量の卵を産み付けます。

ヨトウムシの発生時期

ヨトウムシの発生時期は種類によって若干差がありますが、家庭菜園や農業をやっている方にとって忙しい4月~11月ごろが一番発生する時期です。

7月~9月にかけて高温になった年は特に多発するのが特徴で、この時期は作物をよく観察しヨトウムシによる食害の疑いを見つけたら早めに対策を取るようにしましょう。

ヨトウムシが好む野菜

ヨトウムシは雑食性のため様々な野菜を食害するのが特徴です。

特に被害の多い野菜はキャベツや大根などのアブラナ科の野菜、キュウリやスイカなどウリ科の野菜、枝豆などのマメ科の野菜やニンジンの葉など多種の野菜を好んで食害していきます。

他にもケイトウや菊、パンジーなどの花も食害することがあるので、注意が必要です。

ヨトウムシの発生原因

ヨトウムシの成虫が飛来し野菜に卵を産み付けてしまうことが一番の発生原因になっています。

ヨトウムシは天敵もあまりいないことから、殺虫剤を多用してしまうと野菜にとっての益虫がいなくなってしまい更に被害を広げてしまうことになりかねません。

薬剤散布をするタイミングはよく考えて行うようにしましょう。

ヨトウムシによる被害の特徴

若齢幼虫の場合、集団で葉裏を食害し、中齢になると集団での行動ではなく単体で行動し葉を食害していくのが特徴で、老齢になると日中は株元や土の中などに潜み夜間に野菜の葉を暴食してしまいます。

昼間は土の中などに潜んでいるので大変見つけにくく、気づいたら葉がスカスカになるほど食害されているなんていうこともあるので注意が必要です。

ヨトウムシは雑食で食欲旺盛のため、放っておくと野菜の食用部分が全て食べられてしまったり、最悪の場合作物が枯れてしまう原因になることもあります。

葉などの食害とともに糞が見つかったらヨトウムシによる食害の疑いがあるので、気を付けて観察するようにしましょう。

ヨトウムシの対策方法

厄介なヨトウムシにも対策方法は存在します。

畑の作物がヨトウムシによる食害とわかったら早めに対策を取りましょう。

もしヨトウムシの被害に遭ってしまったら

畑の作物の葉などが食害されていたら、株元や雑草の中にヨトウムシが隠れていることがあるので全体をよく観察し、見つけ次第駆除するようにしましょう。

駆除しても被害が収まらないようなら、ヨトウムシに効果のある薬剤を使用するのもおすすめです。

また、中齢幼虫以降になると薬剤が効きにくくなるため、若齢幼虫のうちに薬剤散布をすると被害が最小で済みます。

薬剤を使用する際は作物に合ったものを選び、使用量をきちんと守って散布するようにしてください。

ヨトウムシの被害に遭わないためには

ここで紹介する予防方法を知っておくとヨトウムシによる食害を防ぐことができます。

ヨトウムシを大量発生させないために

  • ヨトウムシは除草や整枝後の残渣に卵や幼虫が付着していることがあるので、除草などで出たゴミは確実に畑の外に持ち出すようにしてください。
  • 食害されてしまった作物にはヨトウムシの卵や幼虫が潜んでいることもあるので、被害箇所のみ又は、被害がひどい場合には株全体を切り取って処分するようにしましょう。
  • 蛹は夏と冬の間土の中で過ごすので、そのタイミングで畑を十分に耕すと、成虫の大量発生を防ぐことができ、卵を産み付けられるリスクも低くなります。

ヨトウムシの成虫が飛来するのを防ぐ

ヨトウムシによる被害を予防するためにまずは卵を産み付けさせないのが一番です。

野菜の苗などを畑に植え付けたらすぐに寒冷紗などでべたがけをするか、トンネルを張るなどして成虫が飛来し卵を産み付けるのを防ぐことをおすすめします。

ヨトウムシを無農薬で駆除するならコーヒーや米ぬかを活用

ヨトウムシの食害を防ぐのに有効なコーヒーや米ぬかを利用した方法を紹介していきます。

農薬を使わずにヨトウムシを駆除したいと考えている方は簡単なので是非参考にしてみてください。

コーヒーを利用する場合

ヨトウムシはコーヒーの香りが嫌う性質があり、駆除というよりはコーヒーを利用することによって忌避効果が期待できます。

使用方法は、濃い目のコーヒーを空のスプレー容器に入れ作物に散布するだけでヨトウムシを近づかなくすることができるのです。

また、ドリップした後のコーヒーかすを利用することもでき、その場合は作物の周りにまくか、土に混ぜ込んでおけば土の中にヨトウムシが隠れるのを防ぐことができるので、おすすめ。

米ぬかを利用する場合

米ぬかを好み、匂いに反応して集まって食すのですが、ヨトウムシは米ぬかを消化することができないので、死んでしまいます。

その性質をうまく利用したのが米ぬかトラップともいわれる方法です。

使用方法は作物の近くに米ぬかを入れた容器を一晩置いておくだけで、米ぬかの中にヨトウムシが集まり、米ぬかの中で死んでいるか、生きていたとしても捕獲して駆除することができます。

ヨトウムシの天敵

天敵が少ないと言われているヨトウムシにも天敵は存在しています。

カエルや鳥類、クモやムカデなど食虫動物は天敵と言えるでしょう。

しかし、天敵を利用しての駆除はあまり現実的ではないので、見つけ次第駆除するか薬剤の利用、成虫の飛来を防ぎ卵を産ませないことが一番の対策です。

ヨトウムシについてのまとめ

いかがでしたか?ヨトウムシの生態から対策、予防方法まで詳しく説明していきました。

生態や発生原因を知ることでヨトウムシの駆除や予防に役立てることができます。

いきなり薬剤を使うことに抵抗があるかたは、コーヒーや米ぬかで様子を見るのもありですね。

ヨトウムシによる食害に悩んでいる方に参考にしていただけたら幸いです!