家庭菜園・果物の栽培

【プランターでできる】さくらんぼの栽培・育て方

初夏のほんのひと時だけ味わえるさくらんぼは、甘酸っぱくていくらでも食べられますね。でも一般的なフルーツよりも高級なため、そうそう手が出せないのも本音です。

小さくて丸い赤い実は見ているだけでも幸せな気持ちになります。家庭菜園でもさくらんぼ栽培に挑戦してみましょう。

この記事では初心者でも始めやすいさくらんぼの栽培方法を詳しくご紹介します。難易度は高くてもコツさえ掴めば大丈夫。

品種選びから結実方法、注意したい栽培中の病害虫まで是非参考にしてください。

種から育てる!さくらんぼ栽培の難易度

さくらんぼ栽培の難易度は高めです。種から育てるとしたらまず発芽から苦労するかもしれません。

果実ですから食べた後の種を乾燥させて植えたらもしかして?と想像してしまいますが、さくらんぼは発芽率が悪く果樹園でもほとんどの場合接ぎ木(2つ以上の植物を人為的に作った切断面でつなぎ1つにすること)で増やしています。

運よく発芽できても実が生るまでにかなりの時間がかかりますから、初心者なら苗木から栽培するのがおすすめです。

さくらんぼの栽培スケジュール

さくらんぼは冬に植え付けて春に花が咲き、初夏に収穫期を迎えます。剪定や追肥などの作業もありますから、お世話は年間通して続きますよ。

  • 植え付け・植え替え・・・12月~3月
  • 肥料・・・2月、10月(鉢植えは5月も)
  • 開花・・・4月
  • 収穫・・・5月~7月
  • 剪定・・・12月~2月、7月~8月

さくらんぼの栽培方法

さくらんぼは根を土の中に張り広げて成長する果樹ですから、庭があれば地植えした方が育てやすいでしょう。地植えと鉢植えの栽培方法をご紹介します。

基本は地植え

土中に行き止まりのない地植えであれば、さくらんぼも大きく育てられます。暑さや寒さに強いですから環境面で特別な対策も必要ありません。

ただ生産地に東北地方が多いように、暖地より寒冷地の方が栽培に適しています。暖かい地域で栽培するなら暖地でも育ちやすい品種(暖地桜桃など)を選びましょう。

鉢植えでも育つ

鉢植えなら8号以上の大きめの鉢を用意します。途中で剪定をすればコンパクトな樹形がキープできますよ。

水はけの良い土を準備して毎日管理してあげましょう。

さくらんぼの栽培環境

植え付ける場所や土質、日当たりの良し悪しはこの先の生育に関わります。栽培前にしっかりチェックしておきましょう。

日当たり

さくらんぼは日光を好みます。庭に植える場合は日当たりの良い場所を確保しましょう。

鉢植えなら日中は出来るだけ日に当たる場所に移動させ、株の働きを活発にさせます。

水はけが良くまた水持ちのする土であれば土質は選びません。鉢植えであれば市販の培養土が使えます。

地植えの場合は土に腐葉土や堆肥を混ぜ馴染ませておきましょう。

実をつける品種の選び方

さくらんぼは1本にいくら愛情を注いで育てても実がつきません。自分自身の花粉では結実できないため、違う品種と混植して受粉させる必要があります。

しかも違う品種なら何でも良い訳ではなく、それぞれに相性があります。ちょっと難しく感じてしまいますが2本も育てられない場合は、1本でも結実する品種や相性の良い組み合わせで接ぎ木した苗も販売されています。

初心者や鉢植えで育てたい方には1本結実タイプの品種がおすすめです。相性の組み合わせを詳しくご紹介しましょう。

相性の良い品種

品種
相性の良い受粉樹
佐藤錦 高砂・ナポレオン・紅秀峰
ナポレオン 高砂・紅秀峰
高砂 ナポレオン・佐藤錦・紅秀峰
正光錦 紅秀峰・高砂
紅秀峰 佐藤錦・ナポレオン
大玉南陽 紅秀峰・高砂
1本で結実する品種

暖地桜桃・紅きらり・ステラ・その他接ぎ木苗

暖地桜桃はその名の通り暖地でも育てやすい品種です。1本で結実できますから関東より西にお住まいの方には特におすすめです。

さくらんぼの育て方

育てる品種が1~2種類決まったら早速植え付けて栽培をスタートさせましょう。栽培の手順ごとにご紹介します。

植え付け

植え付けの時期は12~3月の落葉期です。

地植えの場合は日当たりと風通しの良い場所に幅・深さ共に50cmほどの植穴を掘ります。掘り出した土に腐葉土と堆肥を混ぜ、穴に戻しながら深植えにならないように苗木を植えます。

鉢植えの場合は十分な大きさの鉢に鉢底ネット・軽石を敷き、市販の培養土または赤玉土7:腐葉土3の割合にした土を鉢の半分ほどまで入れそこに苗を植えます。

植え付け後は水をたっぷり与えて根と土を密着させましょう。

植え替えは2~3年に1度が目安です。

水やり

鉢植えの場合は土の表面を観察し、乾いていたらたっぷり水をあげましょう。1回の水やりで鉢底から水が流れ出る程度の量は与えます。

地植えの場合は真夏の日照り続きの時以外は水やり不要です。自然まかせで育ちますよ。

肥料

地植えなら2月と10月、鉢植えは2月・5月・10月に肥料を与えます。有機肥料やリン酸を多く含む化成肥料がおすすめです。

受粉

4月になるとさくらんぼの甘い香りをまとう小さな白い花がたくさん咲きます。自然界ではミツバチが受粉作業をしてくれますが、家庭で育てている場合は人工授粉をした方が確実でしょう。

受粉のタイミングは2回あります。5分咲きの時と満開になった時、筆や綿棒を使って他品種の雄しべの花粉を結実させたい品種の雌しべにつけます。

1本で結実する品種でも人口受粉して収穫量を上げましょう。

摘果

満開から20日ほど経過する頃、次第に小さな実を結び始めます。さくらんぼは1箇所にたくさん実をつけますから、株の消耗防止と収穫する実を充実させるために摘果をします。

1箇所あたり2~3個になるように摘み取りましょう。

雨除け

摘果が終わり実の成熟期に入ると梅雨に突入します。この時期に長雨に当たると水分で肥大した実が裂けてしまうことも

梅雨時期は樹に屋根状のカバーを取り付けるか、枝ごとにビニールをかけるなどして雨除け対策をしましょう。

収穫

花が満開になってから40~50日ほどで実が色づき始めます。日当たりの良い箇所から熟していきますから、順番に手やハサミを使って収穫しましょう。

収穫寸前で鳥に食べられてしまわないように防鳥ネットなどで対策してもいいですね。

剪定

冬と夏の2回、余計な枝を落とし樹形を整え栄養が実に集中するように剪定を施します。ただ大胆な剪定は病気を招きますから、混みあっている箇所やこれから長く伸びそうな新しい枝を落としましょう。

切り口から病原菌が入り込むのを防ぐために、剪定後は癒合材(ゆごうざい)を塗っておくと安心です。

さくらんぼの病害虫

さくらんぼは比較的病気や害虫に弱いため日頃からよく観察をしておきましょう。早めの対処で被害が最小限に抑えられます。

注意したい病気と害虫をまとめてみましょう。

病気

  • 灰星病(はいぼしびょう)・・・雨が多いと発病しやすく実に灰色のカビが生えます。
  • 褐斑病(かっぱんびょう)・・・糸状菌(カビの一種)が原因で葉に褐色の斑点が現れます。
  • 胴枯病(どうがれびょう)・・・病原菌の寄生により枝や幹が変色しやがて枯れてしまいます。

病気を発見したらすぐに感染した部分を取り除きます。夏場の剪定で風通し良く整えておくと病気の予防になりますよ。

害虫

  • コスカシバ・・・幹内部に侵入し食べ荒らします。
  • シンクイムシ・・・実の中に入り込んで食べ尽くします。
  • アブラムシ・・・枝や幹について樹液を吸い取ります。
  • カイガラムシ・・・枝や幹について樹液を吸い取ります。

虫も発見したらすぐに駆除しましょう。実を守るために袋掛けをして虫対策をするのもおすすめです。

内部に入り込んでしまう虫は被害部付近に糞やヤニが確認できるはずです。見つけたら樹皮を削り虫を捕獲しましょう。

さくらんぼの栽培・育て方のまとめ

さくらんぼは受粉や剪定など細やかなお世話が必要です。また病害虫にも弱いですから観察が重要ですね。

難易度は高いと言っても難しい作業はあまりありません。手をかけた分たわわに実ったさくらんぼに喜びが感じられるでしょう。

小さな白い花も春の訪れを告げてくれますから、シンボルツリーとして大切に育ててみてはいかがでしょうか。