近年食や健康への関心の高まりから、家庭菜園をはじめる方が増えてきています。安心・安全な採れたて野菜を楽しめるだけでなく、ストレス解消や子供への食育の観点からも注目を集めています。
その一方、畑や庭がないから家庭菜園はできないとあきらめている方も多いはず。そんな方でもプランターがあれば解決できます!
マンションのベランダでしかスペースが確保できなくても、自宅で美味しい野菜を作ることができますよ。ここではプランターで育てられる季節ごとの野菜や、プランターの選び方、失敗しないコツなど紹介していきます。
これから家庭菜園にチャレンジしてみたい方、ぜひ参考にしてくださいね。
家庭菜園をはじめよう!プランターでの野菜の作り方
まずは、プランターでの家庭菜園に必要な道具からみていきましょう。
- プランター
- 野菜のタネや苗
- 野菜用培養土(肥料入りがオススメ)
- 鉢底石(排水機能がついているプランターであれば不要)
- 肥料
- スコップ
- ジョーロ
これらのアイテムは、ホームセンターや園芸店で一通り揃えることができます。プランターやスコップ、ジョウロは100円均一でも手に入るので、まずは手ごろな値段なものからはじめても良いかもしれませんね。
家庭菜園向きプランターの選び方
プランター売り場をみてみると、材質・大きさなどたくさんの種類があり、どんなプランターを選べばよいか分からなくなりますよね。そこで初めての方でも失敗しない選び方のポイントを紹介します。
材質について
プランターは、育てたい野菜の特徴や置きたい場所に適しているものを選びましょう。一般的な材質に、プラスチック・素焼き・陶器・木があり、それぞれメリット・デメリットがあります。
プラスチック |
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素焼き |
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陶器 |
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木 |
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これから家庭菜園をはじめる方にはプラスチック製がおすすめです。なにかと移動させる機会も多いプランターは、土を含めるとかなりの重さになります。
プラスチック製であれば、全体の重量も軽く持ち運びも楽にすみます。何よりリーズナブルな価格が魅力で、気軽にはじめたい方にはぴったりの素材です。
大きさについて
野菜は枝や葉を伸ばすのと同じように、土の中では根を広げながら生長しています。浅型や小さいプランターだと、根が十分に伸ばせず生育不良などのトラブルの原因にもなります。
では育てたい野菜に最適な大きさのプランターは、どうやって選べばよいのでしょうか?ポイントはプランターの深さと土の容量です。
野菜によって必要となる深さや土の容量は異なってきます。例えば根を育てて食べる根菜類であれば、深さと容量が十分に必要になりますが、葉菜類では根は浅く張るのでコンパクトに育てることができます。
参考までに主な野菜の適切なプランターサイズをまとめました。
浅型(深さ15cm 容量3L程度) | リーフレタス・パセリ・ハーブ類 |
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中型(深さ20cm 容量5L程度) | ほうれん草・葉ねぎ・えだまめ |
深型(深さ30cm 容量10L程度 | トマト・きゅうり・ナス・ゴーヤ・オクラ・白菜・ニンジン・ダイコン |
おしゃれなプランターで育てよう
せっかく家庭菜園にチャレンジするのであれば、おしゃれなプランターで育ててみませんか。最近では初心者でも使い勝手がよく、ナチュラルな素材からカラフルなものまで様々なデザインのプランターが販売されています。
野菜を育てる上でもモチベーションアップに繋がりますし、インテリアとしてこだわってみてはいかがでしょうか。通販サイトでも多数取り扱いがあるので、お気に入りのプランターを見つけてみましょう。
家庭菜園初心者におすすめのプランター栽培
まずは栽培が簡単で収穫までの期間が短い野菜からはじめるのが良いでしょう。温度変化や病気にも強く、限られたスペースでも丈夫に育つ家庭菜園にぴったりの野菜を紹介します。
トマト
サラダやソースに食卓でも大活躍のトマト。日当たりを確保し、肥料と水やりを少なめに育てるのがコツです。一度にたくさんの実が収穫できるのも家庭菜園向きといえますね。
小松菜
味にクセがなく子供でも食べやすい野菜です。生長が早く、種まきから約1ヶ月で収穫できますよ。春から秋にかけて長い間栽培できるのも嬉しいポイントですね。害虫が付きやすい時期は、防虫ネットで対策しましょう。
ラディッシュ
和名はハツカダイコンといい、その名のとおり種まきから約20日で収穫できるほど生長の早さが特徴です。浅いプランターでも育てることができます。
家庭菜園向き!プランターでも育つ野菜カレンダー
それぞれの季節にあった野菜を育てることで、1年中栽培を楽しむことができます。旬の採れたて野菜を食べられるのも、家庭菜園の醍醐味ですね。
プランターでも育てやすい季節ごとのおすすめ野菜をまとめたので、早速チェックしてみましょう。
春(3月~6月)
- きゅうり・・・苗植え:4~5月 収穫:6~9月 難易度:★★☆
- オクラ・・・苗植え:4~5月 収穫:6~9月 難易度:★☆☆
- ピーマン・・・苗植え:4~6月 収穫:6~11月 難易度:★★☆
- トマト・・・苗植え:4~5月 収穫:6~9月 難易度:★☆☆
家庭菜園の代表ともいえる夏野菜は、春に植付けを行うことで夏に収穫時期をむかえます。どの野菜も次々に実がなり、収穫できる期間も長く楽しめますよ。
夏(7~9月)
- 葉ねぎ・・・種まき:4~9月 収穫:5~12月 難易度:★★☆
- ミニニンジン・・・植付け:7~8月 収穫:11~12月 難易度:★★☆
- ミニハクサイ・・・種まき:8~9月 収穫:10~1月 難易度:★★☆
人参や白菜は畑で作るイメージが強いかもしれませんが、プランターでも育てることができます。管理しやすいミニ品種がオススメです。
秋(9月~11月)
- リーフレタス・・・種まき:9~10月 収穫:10~12月 難易度:★☆☆
- ラディッシュ・・・種まき:9~11月 収穫:10~11月 難易度:★☆☆
- ほうれん草・・・種まき:9~10月 収穫:10~12月 難易度:★★☆
リーフレタスやラディッシュは春まきと秋まきで栽培できますが、秋まきのほうがおすすめです。害虫が多い夏の時期を避けられるので、春まきに比べ病害虫の被害が少なくすみます。
冬(12~2月)
- そら豆・・・植付け:11~12月 収穫:5~6月 難易度:★★☆
- さやえんどう・・・植付け:11~12月 収穫:5~6月 難易度:★★☆
- 小松菜・・・植付け:2~11月 収穫:4~翌年1月 難易度:★☆☆
初夏に収穫を迎えるそら豆やさやえんどうは、寒くなりはじめる頃に植付けを行います。冬季は病虫害の被害が少ないので、虫が苦手な方もチャレンジしやすいかもしれませんね。
ベランダで家庭菜園をはじめる際の注意点
プランターを使えばベランダ菜園も夢ではありませんが、はじめる前にいくつか注意が必要です。
プランターを置く場所は、野菜の生長に必要な条件を満たしているか。さらには安全に栽培できるか、暮らしの快適さにも考慮した場所選びが重要です。
日当たり
野菜の生長には太陽の光が必要不可欠です。光合成は太陽が昇る午前中に活発に行われるため、南や東向きのベランダが育てやすいといえます。
もちろん北や西向きの場合でも、工夫次第で育てることは可能です。プランターの置き場所を台やスタンドを活用して高さを出し、できるだけ日当たりを確保します。
それでも難しい場合は、半日陰・日陰を好む野菜を育ててみましょう。日当たりが悪くても小松菜やほうれん草などの葉物は、葉が柔らかく育つ利点がありますよ。
風通し
葉や茎が密集すると風通しが悪くなり、病気や害虫が発生しやすくなります。複数の野菜を育てる場合は、プランターの間隔をあけるようにしましょう。
また一方で強すぎる風は、葉や土が乾燥してしまい枯れる原因にも繋がります。特に高層階のベランダでは強い風が吹き込みやすいため、ラティスやすのこを設置して強風対策を行いましょう。
室外機からでる風も株を弱らせてしまうので、室外機の前にプランターを置かないようにしましょう。
生活環境(安全面に注意)
マンションのベランダは共有スペースになっています。その部屋の住人だけが使える部分ではありますが、家庭菜園をはじめても問題ないかマンション規約を確認をしましょう。
また万が一の事態にはベランダが避難経路になるため、必ず避難の妨げにならない場所に置きましょう。特に避難はしごの上や、隣室との境の仕切り前に置くのは厳禁です。
家庭菜園に慣れてくるとプランターを増やしていきたくなりますが、洗濯などの生活スペースや避難経路を確保した上で育てることが大切です。
家庭菜園でのプランター栽培まとめ
いざ家庭菜園をはじめようと思っても、うまく育てられるのか不安なことも多いはず。しかしそう難しく捉える必要はありません。
プランターを使えば、限られたスペースでも十分に育てることができます。まずは紹介した育てやすい野菜からはじめてみましょう!
これを機に、みなさんもプランターで美味しい野菜を育ててみてくださいね。