家庭菜園・野菜の栽培

【初心者】ヤーコンの栽培・育て方のコツ(収穫や株分けなど)

ヤーコンは世界で一番オリゴ糖が多く含まれていることで話題の健康野菜です。「畑のナシ」と例えられるほど、みずみずしくシャクシャクとした食感が楽しめます。

今回は、栽培が簡単で初心者にもおすすめのヤーコンの栽培方法や育て方のコツ、収穫や株分けなどについてご紹介していきます。

主な産地は北海道!ヤーコンについて

ヤーコンはキク科の根菜で、別名アンデスポテトとも呼ばれています。南米アンデスの高地が原産地で、見た目はサツマイモに似ています。

秋になると、可愛いヒマワリのような花が咲きますよ。日本でのヤーコンの主な生産地1位は北海道で、2位は香川県です。

ヤーコンは、オリゴ糖やポリフェノールを豊富に含んでいる低カロリーな野菜なので、健康番組などのメディアでも多く紹介され、今話題を呼んでいます。

まだまだ馴染みの薄い野菜ですが、煮物や漬物、酢の物やきんぴらなどの炒め物に向いています。

薄く皮をむいて酢水にサッと浸してから生食にしたり、ジュースにしても美味しくいただけますよ。またヤーコンの新葉はミネラルが豊富なので、乾燥させてお茶として楽しむこともできます。

プランターOK!連作NG!ヤーコンの育て方

一般的なヤーコンの苗の植え付けは4月上旬~5月下旬が適期です。収穫期は植え付けから6ヶ月後の10月上旬~11月上旬頃となりますが、お住まいの地域によって植え付け時期や収穫時期が異なります。

寒冷地

  • 植え付け…5月中旬~6月下旬
  • 収穫…10月中旬~11月上旬

中間地

  • 植え付け…4月中旬~6月上旬
  • 収穫…10月下旬~11月中旬

暖地

  • 植え付け…4月上旬~5月下旬
  • 収穫…11月上旬~12月上旬

種イモからの栽培もできますが、初心者の方には簡単な苗植え栽培がおすすめです。

ヤーコンは乾燥に強く初心者でも育てやすい野菜ですが、暑さや寒さが苦手です。草丈は約1.5~2mほどになります。

露地栽培の場合は、風通しが良く日当たりの良い場所で育てましょう。土の水はけを良くし、直射日光を避けるため、株元にワラを敷いてあげると良いですよ。

プランターや鉢で栽培すると、場所の移動もできて便利です。連作はできないため、最初に植えた場所とは異なる場所に植えて栽培を楽しみましょう。

ヤーコン栽培の準備物と土作り

ヤーコンを鉢で育てる場合は10号鉢に1株、プランターで育てる場合は60cmサイズ・深さ30cm以上のプランターに1株が目安です。

土は、市販の野菜培養土に堆肥(土壌改良のための肥料)を混ぜて使用します。容器の底には鉢底ネットを敷き、水はけを良くするため鉢底石も敷き詰めておきましょう。

菜園などで露地栽培する場合は、植え付けの2週間前に苦土石灰をまきます。ヤーコンがよく太るように、しっかりとかき混ぜて土を柔らかくしておきましょう

1週間前には、深さ30cm×高さ30cmの植えつけ穴を掘り、元肥(長く効果が続く有機質肥料etc)を与えておきます。

植えつけ穴の間隔は約1mあけてください。ヤーコンは大株になるので、しっかりと間隔をあけておくことがポイントです。

苗の植え付け

園芸店で苗を購入する際には、茎の太い苗を選ぶようにします。土の表面に、購入した苗が入っているポリポットと同じ大きさの穴をスコップなどで掘っておきます。

根鉢を崩さないよう気を付けながら、その穴に苗を入れ込みましょう。苗の土と畑の土の表面が同じ高さになるよう、浅く植え付けます。ヤーコンは育ち始めの頃は乾燥を嫌うため、しっかりと水やりをしてください。

追肥について

ヤーコンは丈夫な野菜のため少ない肥料でもしっかりと育ちますが、立派なヤーコンを収穫するため肥料はたっぷりと与えましょう。

植え付けの2週間後から野菜用化成肥料を株元にまいてスコップなどでかき混ぜ、株元に土を寄せておきます。

1回目の追肥から1ヶ月が経過したら、1回目の追肥と同じ要領で追肥をしましょう。収穫までの間、1ヶ月に1回は追肥を行うと、丸々太った良いヤーコンが収穫できますよ。

水やりについて

ヤーコンは乾燥に強い野菜ですが、水をしっかり与えた方が育成が良くなります。プランターや鉢植え栽培の場合は土のが乾燥しやすいため、土の表面が乾いたら水を与えるようにします。

容器の底から水が流れ出るくらいの量が目安です。露地栽培の場合は、地中に含んでいる水分があるため特に水やりは行わなくても大丈夫です。

ヤーコンの病害虫

ヤーコンは病害虫被害がほとんどない、育てやすい野菜です。しかし、春~秋にかけてヨトウムシがつくことがあります。

ヨトウムシは夜に活動し、昼間は土の中に潜っている害虫です。食害されたり、フンが落ちている株の根元周辺を掘ってみると、黒いイモムシ出てくるため見つけ次第捕殺してください。

ヤーコンを収穫しよう

ヤーコンは10~11月頃に収穫が可能になります。霜が降りるとヤーコンが腐ってしまうので、その前に掘り出しましょう

収穫は土が乾いた日を選んで行います。まずは、土の株元から20cmの部分を鎌やハサミなどを使って刈り取りましょう。

次に、株から15cmほど離れた部分の土をスコップなどでほぐしてから掘り起こします。塊のようになった根っこ(ヤーコン)が、1株に10~20個つきますので、土ごとヤーコンを掘り上げてください。

ヤーコンは大きい方が味が良くなります。ヤーコンは収穫してから1~2ヶ月は保存も可能です。

掘りたてのヤーコンは苦みがあるため、1ヶ月ほど新聞紙にくるんで保存すれば甘みも出てきますよ。

掘りたてのヤーコンの断面は白いのですが、甘みが出るとヤーコンの皮が赤くなり、断面はオレンジ色に変化します!

素朴な疑問Q&A

ヤーコンの種は販売されていますか

ヤーコンは、苗か種イモからの栽培が一般的です。初心者には、苗からの育成がおすすめですよ。

ヤーコンの株分けの方法を教えてください

ヤーコンは株分け(株から育った新芽の植え付け)をして、翌年も育成を楽しむことができます。

食用部分(ヤーコン)は種イモとして使用できません。何本ものヤーコンがくっついていた、株の根元部分を利用します。

この根元部分を寒すぎない場所に埋めて保存し、翌年掘りだして適当な大きさに株分けすれば、種イモとして活用することができますよ。

最適な植え場所がない場合は、根元部分を発砲スチロール箱に入れ、温度と湿度を保って保存すればOKです。

ヤーコンの株は剪定をした方が良いですか

そのままにしておいても大丈夫ですが、台風など強い風が吹くと株が倒れてしまうので、大きくなったタイミングで剪定しても構いません。

ヤーコンは成長すると草丈(くさたけ)が約1.5~2mほどになりますので、カットして草丈80~100cmくらいにすると良いでしょう。

地上部が枯れてしまいましたが、ヤーコンは大丈夫でしょうか

茎や葉が枯れてしまったのは、霜にあたったことが原因です。ヤーコンの収穫適期は10~11月頃ですが、霜が降りる前に収穫を済ませなくてはなりません。

霜が降りたり霜柱が立ってしまうと、ヤーコンが凍り、腐る恐れがあります。茎葉が枯れたり、度々霜に当たる前に収穫することをおすすめします。

ヤーコン栽培のまとめ

今回は、ヤーコンの栽培方法や育て方のコツ、収穫や株分けなどについてご紹介しましたが、皆さんいかがでしたか。

ヤーコンは日当たりや水はけ、風通しの良い場所で約1mの間隔をあけて育てること。1ヶ月に1回追肥を与えながら育てることがポイントでしたね。

初心者にも栽培が簡単!体にも良く色々な食べ方が楽しめるヤーコンを、ぜひご家庭も栽培してみてくださいね。