家庭菜園・野菜の栽培

【初心者】レンコンの栽培・育て方のコツ(栽培肥料や水やりなど)

レンコンは泥の中で成長し、シャキシャキとした食感が特徴的な水生植物です。中には穴がいくつも開いていて、複数の節がつながった個性的な形をしています。

自宅に水田がなくても畑に専用プールを作ったり、栓付きプランターや鉢などを利用して栽培することができます。今回はレンコンの栽培や育て方のコツ、栽培肥料や水やりなどについてご紹介していきます。

レンコンについて

レンコンはスイレン科に属する多年生水草で、池や沼、水田などで多く栽培されています。レンコンは、ハスの地下茎(地中に埋もれる性質を持つ茎)が太く育ったものです。

原産地は熱帯インドだと考えられていますが、日本には古く中国から渡来してきたと言われています。

レンコンを食用、花バスを観賞用として楽しむことができます。花バスには特に多くの品種があり、ハスは仏教と密接な関係を持っています。

また、レンコンの中の複数の穴は「先が見通せる」ということから縁起が良い食べ物として伝えられ、お節料理など慶事には欠かすことのできない食材となっています。

レンコンは、野菜には珍しいビタミンB1やB2が豊富に含まれており、ビタミンCやカリウム、鉄分やカルシウム、食物繊維も多く含まれています。

レンコンはポリフェノールの一種であるタンニンの働きにより、アクが出たり変色が見られます。調理する際は、皮むき後すぐに水につけてください。

切った後に酢水につけておくと、変色せず更に綺麗に仕上がりますよ。レンコンは煮物や炒め物、揚げ物や酢の物にも利用できます。

田んぼがない!ベランダ栽培はOK?レンコン栽培方法

レンコンは25~30℃の高温を好む野菜です。有機物が豊富な粘土質の土に植え付けを行い、朝から夕方までしっかりと直射日光に当てながら栽培することがポイントです。

日光が不足すると、育成も悪くなり収穫量が落ちてしまいますよ。また、レンコンは水生植物なので水切れにも注意しましょう。

レンコンは、池や田んぼなどの地植え栽培はもちろん、鉢やプランターなどを利用してベランダ栽培も可能です。

レンコンは苗や種レンコン(根茎の一部)を植え付ける方法か、種から栽培する方法があります。

種からレンコンを育てると収穫するには3年はかかるため、早く収穫を楽しみたい場合は、苗や種レンコンからの栽培をおすすめします。

植え付け適期はいずれも3月下旬~4月頃で、植え付け時期が早すぎるとレンコンが腐ってしまうため注意しましょう。種レンコン・苗育成の収穫適期は、植え付けた年の10月~12月頃です。

レンコンの土作りと準備物

地植えの場合

地植え栽培の場合、庭や畑に池やプールのような土壌を準備します。(田んぼをお持ちの方は、もちろんそちらで行ってください)

まずは水の管理が可能な場所にて木枠を組み合わせ、水を溜めることができる栽培プールを作製しましょう。

木枠の高さは約40~50cm程度で、角の一ヶ所に水抜き用の切込みを入れておきます。木枠を組んだら内側の四隅に木の板をあて、角をなくしましょう。

レンコンは1株あたり畳1枚分の広さが必要になります。植え付けの7~10日前に、木枠の内側に大きめのブルーシート(ビニールシート)を敷いておきます。

木枠の栽培が難しい場合は、畑を深く掘って土を減らし、水が溜まりやすく常に湿った池を作りましょう。

土は、市販の荒木田土(粘土質の土)や小粒赤玉土を利用します。上記の土に完熟腐葉土(葉を分解・発酵させた肥料)を混ぜたものを、ブルーシートの中に入れ込みます。

ここに、元肥(暖効性の化成肥料・IB化成など)も追加し、しっかりと混ぜておきましょう。この時、土の高さは約25~30cmになるようにしてください。

全てをよく混ぜたら、ホースなどを準備して水深約5cm程度まで水を入れましょう

プランター・鉢植えの場合

プランター栽培の場合は、幅50cm・深さ30cmの栓が付いたプランターに1株植えると考えてください。

鉢植えの場合は、大きめのバケツやたらいなど、底に穴が開いていない容器を使用してください。

土は地植えと同じく、市販の荒木田土(粘土質の土)または小粒赤玉土を利用しましょう。暖効性の化成肥料・IB化成などの元肥や、完熟腐葉土もしっかり混ぜておきます。

「苗」や「種レンコン」の植え付け方

レンコンの苗は水に浮かべておくだけで自然と根付いていきます。レンコンの成長に合わせて、水深を徐々に深くしていきましょう。種レンコンを選ぶ際は、以下の点を参考にしてください。

  • 節が3節程度ある
  • 2~3芽付いている
  • 重さ500~1000g

地植えの場合

種レンコンは、栽培プールや池の角付近に植え付けます。レンコンから出ている芽はプールの内側に向け、植えたレンコンの上に、泥土を10~15cmほどかぶせます。

2株植える際には、対角線上に植え付けましょう。種レンコンを植え付けた後は、最初に浮き葉が生えて水面に出てきます。その後、立ち葉(茎に支えられて1本ずつ立っている葉)が伸びてきます。

プランター・鉢植えの場合

プランターや鉢の底から約10cmの高さまで、作っておいた土を入れます。種レンコンを土に埋めていくのですが、この時、種レンコンの芽が土から出るようにしてください。仕上げに、土の表面から約2~3cmの高さまで水を入れていきましょう。

レンコンの水やりについて

レンコンは高温を好む植物なので、水が蒸発しがちです。レンコンに水切れは厳禁ですので、水の量が少なくなってきたら足し水をします。

常に土の高さから約10cm以上の水がたまっているように育成してください。夏場は特に水切れに注意し、水位チェックを怠らないようにしましょう。

レンコンの肥料について

レンコンは肥料を好む野菜です。肥料切れを起こした土で育成すると、レンコンは大きく太く育ちません。

地植えの場合、レンコンが根付いて新葉が出てきた頃に、植え付け時に使用した腐葉土や暖効性の化成肥料、またはIB化成などを施しましょう。プランターや鉢植えの場合も、5~9月の間に上記肥料を土に加えてあげてください。

レンコンを収穫しよう

レンコンは7月頃に清楚で美しい花を咲かせ、8月頃から大きくなっていきます。レンコンの収穫は、植え付けてから約半年後の10~12月です。

茎や葉が黄色に変色し倒れてきた頃に、容器や池から水を抜いていきます。傷をつけないよう気を付けながら、レンコンを掘り出しましょう。

ホースなどの水流を使い、レンコンの周りの土を吹き飛ばしながら掘り出しても良いですよ。レンコンを収穫する際は泥水に入るため、長靴や汚れても良い服装をしておきましょう。

レンコンの害虫

レンコンにはアブラムシやイネネクイハムシがつくことがあります。アブラムシは増殖も早く、育成を大きく阻害するため、見つけ次第綿棒などを使い駆除しましょう。

イネネクイハムシはレンコンの根を食害するため、成虫が卵を産み付ける6月下旬~7月中旬に専用薬剤(トレボン粒剤など)を使い防除します。

また害虫は周辺の雑草に生息していることも多いため、栽培場所周辺は除草するなどし、常に綺麗な状態にしておきましょう

素朴な疑問Q&A

容器にボウフラがわきました…

春~夏頃になると、どうしてもボウフラ(蚊の幼虫)がわいてしまいますよね。ここでおすすめなのが、容器の中にメダカや金魚などを入れて飼育することです。

可愛いうえに、ボウフラを食べてくれるので一石二鳥です。また、レンコンの容器のそばで蚊が嫌うハーブ(センテッドゼラニウムやユーカリなど)を育てるのも良いですね。

種からの育て方を教えてください

種まき適期は、苗や種レンコンの場合と同じ3月下旬~4月頃で、水温が15℃以上になったら行います。レンコンの種は殻が硬いため、種をまく前に発芽処理をしておきます。

種の凹んでいる面を、中の白い層が見えるまでヤスリなどで削り、水を入れたコップに沈めて日当たりの良い場所に置いておきましょう。

毎日水替えをし、発芽して本葉2~3枚になったら種まきができます。タライなどに市販の荒木田土または赤玉土に腐葉土を混ぜたものを入れ、その中に種を植え付けます。土の高さから約2~3cm上まで水を入れて管理し、約3年ほど経つと収穫ができますよ。

レンコン栽培のまとめ

レンコンの栽培や育て方のコツ、栽培肥料や水やりなどについてご紹介しましたが、いかがでしたか。

レンコンは必ず3月下旬~4月の間に植え付けを行い、水を足しながら栽培することが重要だと分かりました。

美味しいレンコンを収穫するため、肥料切れに気を付けながら楽しく栽培を行ってくださいね。