家庭菜園・野菜の栽培

長ネギ(下仁田ネギ) 栽培・育て方のコツ(土寄せ・育苗・病害虫など)

こちらは長ネギの記事です。葉ネギについては下記を御覧ください。

【初心者】葉ネギ(万能ねぎ・九条ネギ)の栽培・育て方のコツ

 

鍋料理や薬味としても欠かすことができない長ネギは、葉鞘が白く長いことから根深ネギ・白ネギとも呼ばれています。

白い部分は元からではなく、生長にあわせて土を盛り日光を当てないように育てることで作られるんですよ。

今回は長ネギ(下仁田ネギ)の栽培方法や育て方のコツについて紹介します。育てやすい品種や病害虫対策など、家庭菜園初心者の方にも分かりやすく解説していきます。

長ネギ(下仁田ネギ) の栽培基本情報

栽培暦(春まき・秋まき)

長ネギの生育適温は16~20℃前後と涼しい気候を好み、暑さ寒さにも強いため春まき・秋まきのどちらでも栽培できます。

初心者には春まき(夏に植え替え・冬に収穫)が作りやすくおすすめですよ。

春まき

種まき:3月~4月
植え付け:7月
収穫:12月~2月

秋まき

種まき:9月~10月
植え付け:4月
収穫:7月~9月

長ネギは他の野菜と比べても栽培期間が長く、種まきから収穫までは約8ヶ月もかかります。生育期間中に肥料切れを起こさないように育てることが大切です。

長ネギ(下仁田ネギ) の栽培方法

露地栽培

酸性土壌に弱いため、苗を植える2週間前までに苦土石灰をまきよく馴染ませておきます。長ネギは肥料焼けを起こしやすく、やせた土壌でなければ基本的に元肥は不要です。

長ネギは乾燥に強いですが過湿には極めて弱い野菜です。水はけの悪い土や粘土質の土壌では栽培が難しいため、堆肥をすきこむなど土質改善を行いましょう。

プランター栽培

長ネギは葉鞘部を土の中で白く育てるため、主に畑での露地栽培が適しています。しかし土寄せの代わりに新聞紙と支柱を利用すればプランターでも十分育てることができますよ。

新聞紙で遮光することで光合成せず、長ネギ特有の白く柔らかい葉鞘部分が作られます。露地栽培に比べると大きさこそ劣りますが、プランター栽培ならマンション住まいの方でもチャレンジできますね。

長ネギの種類・品種


長ネギは主に東日本で好まれ、各地に伝統種があるのでいろいろ食べ比べてみてもおもしろいですね。はじめての方でも育てやすい品種についても紹介します。

種類

下仁田ネギ
群馬県下仁田町の特産品として栽培され、殿様ネギとも呼ばれています。草丈は15~20cm、直径4~5cmと長ネギと比べて茎が短く太いことが特徴です。

千住ネギ
東京都足立区を中心に栽培されていた江戸野菜で、葉も柔らかく味が良いため薬味としても利用されています。加熱しても煮崩れせず焼物や鍋物など幅広い料理に使われています。

育てやすい品種

ホワイトスター
生育旺盛で耐湿性や耐病性に強いので、初めての方でも育てやすい品種です。耐寒性もあるため春まき・秋冬どりに最適です。肉質は柔らかく苦味や辛味が少ないので、お子さんにも人気の長ネギです。

なべちゃん葱
下仁田系統と根深一本系統との交配種で、耐寒性・耐病性に強く家庭菜園でも栽培しやすい品種です。太さ2.8~3cm、長さ20cm以上あり肥大性に優れ、鍋物や煮物にしたときの甘さは格別です。

長ネギ(下仁田ネギ) の育て方

種まき・育苗

畑に直接種をまいて育てる方法もありますが、ポットやプランターで育苗してから植えつけると品質の良い長ネギが栽培できます。一度に多くの長ネギを育てたい場合は、セルトレイを使えば省スペースで大量の苗が生産できますよ。

育苗期間中にリン酸を効かせると根量が増加し良い苗に育つので、リン酸が含まれているネギ専用の培養土を利用すると良いでしょう。

  1. 指で1cmほどの穴を作り、種を2~3粒ずつまきます。
  2. 軽く土を被せ、種が流れ出ないようたっぷりと水をやります。
  3. 乾燥すると発芽率が悪くなるため、ぬらした新聞紙を被せます。
  4. 発芽後は新聞紙を取り除き、丈夫な芽を1本残して間引きます。
  5. 草丈15~20cm、葉数2~3枚になったら畑やプランターへ植え付けます。

苗から育てる

少量育てたい方や初心者の方は苗から育てるほうが、手間もかからず失敗も少なくすみます。植え付け時期になると園芸点やホームセンターで出まわりますが、見つからない場合はネット通販を利用するのも良いでしょう。

良い苗の見分け方
  • 葉の色が濃く、根元の太さが1cm程度ある
  • 草丈30~40cmほどで、まっすぐに伸びている
  • 病害虫の被害を受けていない

植え付け

露地栽培の場合は、深さ30cm・幅15cmほどの深い溝を掘り、掘り出した土は片側に盛り上げます。柔らかい土だと溝の壁が崩れやすくなるため、耕す必要はありません。

植え溝に株間5cm間隔で、1~2本ずつ壁に立てかけるように苗をおきます。根が隠れ苗が倒れない程度に浅く植え、株元にワラや堆肥を被せます

こうすることで通気性が良くなり、隙間から酸素を保ちやすくなります。なお植え付け後の水やりは不要です。

プランター栽培の場合は、1~2cmほどの植え穴を作り苗を垂直に立てて植えつけます。先述したとおり支柱を立て、新聞紙を巻き遮光しながら育てましょう。

水やり

種まきから発芽までは乾燥させないよう水を与えますが、以降は葉がぐったりとしおれていない限り水やりは不要です。

追肥・土寄せ

土寄せは葉鞘を白く長く伸ばしていくために必要な作業です。一度にたくさんの土を被せると枯れてしまうので、苗の植え付け1ヶ月後から収穫の1ヶ月前まで4回程度に分けて行います

長ネギと反対側の畝に盛り上げた土に、化成肥料を混ぜながら溝へ入れます。生長点である分けつ(葉が分かれている)部分に土が入ると生育不良になるため、土寄せは分けつ部の3~5cm下までにとどめましょう

1回目:植え付けから1ヶ月後 土寄せ+追肥
2回目:その後20~30日後 土寄せ+追肥
3回目:その後20~30日後 土寄せ+追肥
4回目:収穫1ヶ月前 土寄せ(追肥はしません

収穫

最後の土寄せから1ヵ月後を目安に、緑色の葉の伸びが止まったものから順に掘り出して収穫しましょう。無理やり引き抜くと折れてしまうので、盛り上げた土をスコップで崩し株の根元からゆっくりと引き抜きます。

収穫が遅れ春になると「とう立ち」し、ネギ坊主ができると生長が止まってしまうため早々に摘み取りましょう。開花前であれば薬味や天ぷらなどで美味しく食べられますよ。

長ネギ(下仁田ネギ)栽培で注意したい病害虫

病気

さび病 春と秋に発生し、葉の表面に赤褐色のサビのような小さな斑点が生じます。
べと病 葉に白い斑点が生じ、4~5月頃の雨が続く時期に発生しやすくなります。
黒斑病 高温多湿条件で発生し、すす状のカビがつき次第に枯れてしまう病気です。

カビによる病害が多く、一度発生すると治療するのは困難なため、発病しにくい環境で栽培することが大切です。土壌の水はけを良くし肥料切れに注意しましょう。

病気にかかった株は、被害が広まらないようすぐに抜き取り処分します。雨が続く予報のときは、事前に薬剤を散布しておくと安心です。

害虫

ネギハモグリバエ 葉の内側に産卵し、葉の中から食害します。被害箇所は葉の表面に白い筋が現われます。
ネギアブラムシ 楕円形の黒く小さい虫で、葉や茎に群がって汁を吸い取り弱らせます。
ネキリムシ 根元部分を食害します。被害にあった株の周りの土を掘り返し、幼虫を見つけ次第捕殺します。

幼苗期に害虫被害を受けると生育が止まってしまい、枯死することもあるので注意してください。特に春から夏にかけては害虫の発生が多くなりますので、こまめな観察と薬剤散布で防除しましょう。

長ネギ(下仁田ネギ)栽培でよくある失敗

肥料切れ

長ネギは栽培期間が長く適切なタイミングで追肥を行わないと、肥料切れを起こしてしまいます。土の中で栄養分が不足すると、草勢が衰えしっかりと太ることができず、さび病など病気の助長にも繋がります

葉の先端が黄色くなってくると肥料切れのサインなので、即効性のある液体肥料を施しましょう。

高温時期の土寄せ

日中の気温が30℃以上になると生育が停滞するため、土寄せをすると根を痛めてしまい病気の原因になります。

夏場の土寄せや追肥はできるだけ控えるようにしましょう

除草不足

長ネギは生育が緩やかなため、雑草に埋もれないよう除草しましょう。植え付け直後から雑草をそのままにしておくと、苗に光が当たらなくなりひょろひょろと徒長してしまいます。

長ネギ(下仁田ネギ)栽培のまとめ

栄養豊富で料理にも使いやすい長ネギは、家庭菜園で育てておきたい野菜です。栽培期間が長く、土寄せや除草など収穫まで手間がかかりますが、その分収穫の喜びはひとしおです。

今度の春はご自宅で長ネギ栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。